322号(令和2年9月6日) 1ページ
最終更新日:2020年9月6日
新川開削200年
稲穂実る豊かな大地へ
問い合わせ 西区 地域課 文化・スポーツ担当(電話:025-264-7193)
開削200年を迎える新川。かつては大雨が降るたびに「悪水(あくすい)」と呼ばれる湛水被害に遭う西蒲原でしたが、新川開削で全国有数のコメの生産地となりました。今も地域を水害から守っています。
今号では、さまざまな苦難を乗り越え開削された新川を紹介します。
新川の開削は地元農民の悲願
- 西蒲原の「三潟(さんがた)」と呼ばれた鎧潟、田潟、大潟と周辺地域は低湿地で、大雨の時などにたびたび増水する悪水の被害を受け、周辺の田畑を一面水浸しにしました。
- 農業生産に害を及ぼす悪水を抜くために、当時の内野村から五十嵐浜村間を開削する必要がありました。
左から鎧潟、田潟、大潟が並んでいる
なぜ新川と西川が立体交差しているのか
- 西川は、川底が周辺の地面よりも高い位置にある天井川と呼ばれる川です。
- 低湿地である三潟の悪水を抜くためには、 西川の底部に木製樋管を通し、堀割と西川を立体交差させ、日本海に排水する必要がありました。
- その後、れんがやコンクリートなどで造られた「新川暗閘(しんかわあんこう)」、現在の「西川水路橋」へと引き継がれています。
現在の西川水路橋
困難を極めた開削工事
- 新潟町との開削の交渉では、新川に西川の水を流さないこと、西川の通船を妨げないことなどを条件としていました。そのため、工事にあたっては西川を迂回させるための水路を掘り、通船の支障の無いようにしました。
- 西川の底部に、高さ1.2メートル、幅5.4メートル、長さ76メートルの木製樋管2門を敷設するものでしたが、大量の地下水が湧き出したため、排水を行いながらの作業でした。
- 日本海までは、高さ20メートルの砂山である「金蔵坂(きんぞうざか)」を開削しなければなりませんでした。そのため毎日数百人もの人足が、砂を「背負いかご」などに入れて運びました。
高さ20メートルの砂山を開削した金蔵坂
東海道中膝栗毛の作者も記した工事の様子
- 十返舎一九がこの地に訪れ、著書「滑稽旅加羅寿(こっけいたびがらす)」に「内野砂山堀割之図」を描き、「多くの見物人を集める新川工事」と紹介しています。
「内野砂山堀割之図」の模写図
未来につながる新川開削のこころ
綱本麻利子さん
(越後新川まちおこしの会)
新川開削は、当時の地域の課題を解決しただけでなく、豊かな実りや開削精神、そして人のこころが今日につながっています。
人間が生きていくための環境は、決して機能や経済効率だけで成り立つものではなく、「記憶」が人間の糧となり、未来に伝承されていくものと信じ、私たちが未来の子どもたちにつなげる役目を担っていきたいと思います。
それは、今を生きている私たちが、相互の関係を大切にし、地域の魅力を創出し、発信し、一人一人が必要とされているものを地域から創り出していけたらと考えています。
新川開削200年を迎え越後新川まちおこしの会では、「新川や内野の歴史を紹介する事業」や「地域の魅力を発信する事業」などを地域の皆さんと一緒に行っています。
内野町生まれ、内野町育ちの私から、内野町の魅力を探検して、感じて、味わっていただきたいと思います。
昔の内野町・新川の写真を探しています
同会では、歴史を振り返る写真展の開催や研究のために昔の写真を探しています。詳しくはお問い合わせください。
問い合わせ 同会・加藤(電話:090-4701-3910)
うちのDEシネマ「新川開削ものがたり」の上映とミニ講話を行います
直接会場へお越しください。
日時 9月25日(金曜)午後2時から3時30分
対象・定員 先着100人
会場 内野まちづくりセンター
問い合わせ 西地区公民館(電話:025-239-1285)
西区自治協議会提案事業
新川歴史看板などに掲載するQRコードプレートデザイン大募集
現在設置されている新川歴史看板などに、新川の歴史やイベントの様子が詳しく分かるサイトにリンクするQRコードを掲載します。そこで、興味を引くQRコードプレートのデザインを募集します。奮ってご応募ください。
デザイン例
7センチ×7センチの中に、4センチ×4センチのQRコードを入れるための空白を作り、自由な形でデザインしてください。なお、デザインしたものに約10文字の文章が入ります。
選考結果
10月上旬に受賞者に連絡します
最優秀賞1点。賞状と新潟市共通商品券50,000円(高校生以下は、図書カード50,000円分)が贈られます
応募形式
5メガバイト以下でGIF・PNG・JPEGのファイル形式
申し込み
10月2日(金曜)までにメール(ecoline@mvd.biglobe.ne.jp)に、氏名、住所、電話番号を明記し、越後新川まちおこしの会・加藤(電話:090-4701-3910)
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
◯今号掲載の情報は8月31日時点のものです。状況により催し等を中止する場合があります。
◯催しの開催状況はそれぞれの問い合わせ先までご確認ください。
◯催しに参加する場合は、マスクの着用などの「新しい生活様式」の実践をお願いします。