天然記念物
最終更新日:2017年1月30日
秋葉区の宝物
- 八珍柿(はっちんがき)原木
- 普談寺(ふだんじ)の大杉
- 真柄家の大欅(けやき)
- 福王寺の大赤樫(あかがし)
- 小戸の大花梨(かりん)
- 北潟の大譲葉(おおゆずりは)
- 子成場柿(こなしばがき)の古木
- 石崎家の紅梅
- 犬四手叢林(いぬしでそうりん)
- 椿林(つばきばやし)
八珍柿(はっちんがき)原木(県指定文化財)
明治20(1887)年頃、越後の行商人から買った柿の苗木が旧鶴岡藩士らによって山形県庄内地方で栽培されていましたが、明治42(1909)年その優秀さが認められ「平核無(ひらたねなし)」と命名、公表されました。庄内柿が有名になるとそのルーツはどこかという本家争いが起き、新潟県は原木の所在をつきとめるために調査研究した結果、昭和6(1931)年川崎家の柿の木が接ぎ木によらない実生樹であることから原木と認められました。種のない木で越後七不思議に次ぐ珍しい柿ということから「八珍柿(はっちんがき)」と呼び名がつけられました。
この八珍柿原木は、高さ16メ-トル、幹周り2メ-トル、枝張りの面積2ア-ルという大きなもので、推定樹齢およそ300年の老木ながら毎年多くの実をつけます。この柿は品種名が示すように種のないのが特徴で、汁が多く肉質がやわらかく、柿のなかでももっとも甘いといわれています。佐渡では商品としてこの八珍柿の生産をはじめ、昭和11(1936)年に北海道へ初出荷しました。現在、県内では「おけさ柿」ブランドとして佐渡を中心に栽培され、新潟市では秋葉区及び西蒲区が産地となっています。
所在地:秋葉区古田
普談寺(ふだんじ)の大杉(市指定文化財)
朝日川にかかる五明橋を渡ってまもなく、周囲を圧するように杉の巨木がそびえています。普談寺の境内には他に何本かの大杉が成育していますが、この杉はそれらの中でもっとも大きく幹周りは5.3メートル(直径1.7メートル)あり、樹齢は700年といわれています。杉は「まっすぐ木」が語源とされ、天に向かってまっすぐに伸びます。そのため落雷の被害にもあいやすく、この杉も落雷により上部が若干破損していますが、樹勢は旺盛で普談寺のシンボルとして多くの人々から親しまれています。
所在地:秋葉区朝日2560
真柄家の大欅(けやき)(市指定文化財)
真柄家の屋敷入口にあるけやきは幹周りが7.8メートル(直径2.5メートル)あり、樹齢約800年といわれている巨木です。幹の内部は広い空洞になっており、樹高はやや低いが樹勢は旺盛で、枝葉を四方に広げ、樹下は昼でも薄暗いほどです。かつては天をおおうような巨大な樹木でしたが、新津の石油産業が最盛期であった頃、製油所から排出される亜硫酸ガスのために上部が枯れて今の姿になりました。
福王寺の大赤樫(あかがし)(市指定文化財)
福王寺の本堂とその東側に連なる庫裏の北庭に築山があり、樹木がうっそうと繁っています。その中で特に目を引くアカガシは風格のある巨木で、庭園の要の樹木になっています。幹周りは2.85メートル(直径90センチ)で、樹齢は300年といわれています。特にみごとな根張りは長い間の風雪にたえてきたことを物語っています。カシの木は常緑広葉樹で温暖な気候を好み、新潟県が北限とされています。
所在地:秋葉区山谷町1丁目
小戸の大花梨(かりん)(市指定文化財)
大島家の前庭にあるカリンは幹周り1.8メートル(直径60センチ)、樹齢150年以上といわれている古木ですが樹勢は旺盛で、今でも毎年5月にうすべに色の美しい花をたくさん咲かせ、満開時はたいへん見事です。カリンの巨木は県内でも数が少なく、確認している中ではこのカリンは県内屈指の大きさです。
北潟の大譲葉(ゆずりは)(市指定文化財)
志田家のユズリハは幹周りが2.1メートル(直径70センチ)もある古木です。全体に枝葉がよく繁っているため若々しいです。ユズリハの多くは巨木になると幹が空洞になるものが多いのですが、樹齢250年以上といわれるこのユズリハにはそれが見られません。ユズリハは温暖な地でないと育たないので、寒い新潟県でこのような大木はめずらしいとされています。
子成場柿(こなしばがき)の古木(市指定文化財)
天明・寛政年間(1781~1801年)の頃、子成場柿(別名、孫兵衛柿)が風味のよさでたちまち評判になりました。最初に栽培した人は不明ですが、一説によると子成場の開拓者である長井孫兵衛が偶然に栽培したといわれており、この柿の木が原木ではないかとみられています。この木は全体にやや小振りですが、幹部分には多くのこぶ上の突起が見られ古木の風格をにじませています。幹周り1.7メートル(直径55センチ)、樹齢は約240年といわれていますが、今なお毎年多くの実をつけます。
石崎家の紅梅(市指定文化財)
石崎家の玄関脇に幹周り2.4メートル(直径75センチ)、樹齢約250年といわれている紅梅の古木があります。梅は年数を経るにしたがって腐りやすくなるため、支えなどをほどこしてやらないと雪や風で幹が折れたり裂けたりして大半が100年足らずで朽ち果てます。
この紅梅は軒のすぐ下にあるため雨に打たれて幹に若干の腐食部分がみられますが、樹勢は旺盛で、毎年うすべに色の美しい花をたくさん咲かせます。かつてこの紅梅は新発田藩主溝口家の家老屋敷にありましたが、昭和初期にここに移植されました。
犬四手叢林(いぬしでそうりん)(市指定文化財)
金津の滝(白玉の滝)の真上、約0.3ヘクタールほどの地に樹齢約100~200年といわれているイヌシデ50数本を主体とした林があります。イヌシデは温暖な気候を好む落葉広葉樹で、新潟県では中越地方以南と佐渡にみられ、単木として他の樹林と交わる場合が多いですが、この林は佐久那殿神社の社叢林として維持されてきたもので、分布の北限に近く県内でも希少なものであり、ひとたび消滅すれば復元はきわめて困難といわれています。
所在地:秋葉区金津1460
椿林(つばきばやし)(市指定文化財)
市内朝日の山居山の西斜面末端に小規模な樹林が広がっています。林の広さは約0.2ヘクタールほどで、樹齢50年から300年といわれているヤブツバキ50数本が密生しています。花の色は赤で、満開時には林全体がみごとに赤く染まります。ヤブツバキは風の当たらない温暖な地でないと生育できず、市内ではここに自生が見られるだけです。