正しい歯みがきや歯間清掃の習慣を身につけよう
最終更新日:2023年1月18日
1.毎日の歯のお手入れについて
(1)歯間部清掃用具を使おう
歯ブラシのみで取れる歯と歯の間の歯垢の割合は6割です。
一方、歯間部清掃用具を併用すると約8割の歯垢を取ることができます。
デンタルフロスや糸つきようじ、歯間ブラシなどの歯間部清掃用具を使用しましょう。
歯と歯の間に動かしながらフロスをいれ、歯にそわせて上下に動かします。
歯間ブラシを数回出し入れします。 サイズは歯科医とご相談ください。
(2)歯と歯ぐきの境目を意識して磨きましょう
歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目にあてて、1か所10回くらい細かく前後に動かします。
歯ブラシの選び方
- ブラシの柄はシンプルな形のもの
- ブラシの硬さは硬すぎないもの。歯ぐきに腫れや出血がある場合は、やわらかいものを使用する
- ブラシの横幅は20mm程度、歯2本分くらいが目安
- 歯の本数が少ない人、歯並びが悪い人などは、部分磨き専用歯ブラシ(タフトブラシ)を使用する
歯ブラシの持ち方
- 鉛筆持ち(ペングリップ)にすると、余計な力が入らず、歯ぐきを傷つけることなく磨けます。
歯の磨き方
- 歯垢のたまりやすい歯の裏側から1~2本ずつ磨く
- 磨き残しのないように奥歯の裏側から順に一筆書きのように磨く
- 歯ブラシの毛先を歯に当て、毛先が歯を包み込むように細かく震わせながら磨く
1日1回は、時間をかけてゆっくり丁寧に歯を磨く習慣を身につけましょう。
(3)フッ化物を含む歯磨き剤を使おう
フッ化物入り歯磨剤を使うと、効果的な歯垢除去のほか、歯質の強化や歯の再石灰化が促進されます。
歯磨きをする際は、フッ化物を含む歯磨き剤を使用しましょう。また、口に含んだフッ化物が口の中にとどまるよう、少量の水でうがいするよう心がけましょう。
2.歯周病を予防する生活習慣
(1)喫煙
1日に吸うたばこの本数やたばこを吸った年数が多い人ほど歯を失う危険が高くなります。これは、たばこに含まれるニコチンによって血管が収縮し、血流が悪くなり、酸素や栄養が歯ぐきに運ばれにくくなり、細菌に対する抵抗力が落ちて、歯周病につながるからです。喫煙者は、歯周病になりやすいばかりではなく、治療しても治りにくいです。
たばこは歯周病のほかにも多くの病気の発症に関連しているので、ぜひ、禁煙にチャレンジしませんか。
(2)食生活
糖分や脂肪の多い食事は、歯周病を悪化させる肥満や糖尿病などの原因になります。
野菜や海藻などに多く含まれる食物繊維は肥満や糖尿病を予防するだけではなく、歯についた汚れを掃除してくれる働きもあるので、積極的に取りましょう。
また、牛乳・乳製品、大豆、ひじきなどに多く含まれるカルシウムは歯を支える骨を丈夫にしてくれます。
糖分は歯周病菌の大好物です。お菓子やジュースは時間をきめて食べるようにしましょう。また、キシリトールやパラチノースなど虫歯になりにくい甘味料の入ったお菓子を選ぶこともお勧めします。
(3)アルコール
アルコールの飲みすぎは、肥満や糖尿病などの原因になりますので飲みすぎには注意が必要です。また、酔ってしまって寝る前の歯みがきをせずに寝てしまうなど歯みがきがおろそかになることがありますのでご注意ください。
(4)運動
適度な運動は歯周病と関連がある肥満や糖尿病、骨粗しょう症の予防の効果があります。軽く汗をかく程度体を動かすようにしましょう。
(5)休養
体調が崩れたり、生活リズムが乱れると、細菌への抵抗力が下がり、歯周病が悪化してしまいます。
十分な休息と睡眠をとり体を癒しましょう。
3.むし歯を予防するために
(1)甘味摂取の工夫
おやつや甘味飲料は、回数と量を決めて摂りましょう。
(2)歯みがき
歯ブラシとデンタルフロスや糸つきようじを使用してむし歯菌を取り除きましょう。
(3)フッ化物の利用
フッ化物は、むし歯菌が作る酸によって歯から失われたカルシウムなどのミネラルを歯に取り戻す「再石灰化(さいせっかいか)」とともに、歯の質を強くします。フッ化物を利用したむし歯予防には、フッ化物塗布やフッ化物洗口、フロリデーションなどがあり、世界各国で利用されています。世界保健機関(WHO)や国際歯科連盟(FDI)、厚生労働省や日本口腔衛生学会など国内外の専門機関がその有用性、安全性を含め推奨しています。
「脱灰」と「再石灰化」
脱灰
脱灰
飲食すると、むし歯菌が糖分より酸を作ります。この酸により、歯の表面からカルシウム・リンが溶け出していきます。これを脱灰といいます。
再石灰化
再石灰化
食後しばらくすると、唾液の作用により、酸が中和され、歯の表面から溶け出したカルシウム・リンが、再び歯の表面に戻ります。これを再石灰化といいます。
利用方法
フッ化物塗布
歯科医院などで、歯科医師又は歯科衛生士が、歯の表面にフッ化物を塗る方法。主に、乳幼児のむし歯予防に利用します。
フッ化物洗口
園・学校、家庭でフッ化物洗口液でぶくぶくうがいをする方法。主に、園児・学齢期の永久歯むし歯予防に利用します。
フッ化物入り歯磨剤
フッ化物が含まれている歯磨き剤。販売されている商品の約90%にフッ化物が入っています。幼児から高齢者まで生涯を通じて利用可能です。
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