ノロウイルスについて
最終更新日:2023年8月21日
食中毒が発生するのは暑い夏の間だけだと思っていませんか?
一年を通してノロウイルスによる食中毒は発生していますが、例年、特に10月頃から春先まで注意が必要です。
ノロウイルスって何?
冬に学校、福祉施設などで集団発生する急性胃腸炎の大部分はこのウイルスが原因となっています。乳幼児から成人まで幅広い年齢層で発生しています。感染性が大変強く、ウイルス粒子の数が10~100個で感染するといわれています。
感染経路
ノロウイルスはほとんどが経口感染で、次のような感染経路があると考えられています。
- 汚染されたカキ等の二枚貝からの感染
ノロウイルスを含むふん便・嘔吐物が下水を通して河川や海へ排出され、カキ等の二枚貝にウイルスが蓄積します。その汚染されたカキ等の二枚貝を生あるいは加熱不十分で食べることによって感染します。
- 調理従事者を介した食品の汚染
ノロウイルスに感染した調理従事者が、手洗いが不十分なまま調理をすることによって食品が汚染され、その汚染された食品を食べることによって感染します。
- ふん便や嘔吐物からの感染
ノロウイルスが大量に含まれるふん便や嘔吐物の処理の際に手指に付着したウイルスにより感染します。
あるいは、不適切な処理により残ったふん便や嘔吐物が乾燥して空中に漂い、口に入り感染することがあります。
どんな症状?
1~2日間の潜伏期を経て症状が現れます。主な症状は下痢、嘔吐・吐き気で、その他、腹痛、発熱、頭痛等風邪のような症状が見られることもあります。一般的には軽症で1日~2日で回復します。感染しても発症せずに保菌者となりウイルスを排出することもあります。また、症状がなくなっても、患者便には1週間程度、長いときには1ヶ月程度ウイルスの排出が続きます。そのためトイレなどの十分な清掃・消毒が必要です。
ノロウイルスによる食中毒予防4原則
1.持ち込まない
調理従事者や関係者がノロウイルスを調理施設内に「持ち込まない」ためには、ノロウイルスに感染しない、感染した場合は仕事を休む、手洗い・うがいを励行する、健康状態の把握・管理を個人として、組織として実行することが必要です。
感染した調理従事者を介した食中毒も多数報告されています。下痢または嘔吐等の症状がある調理従事者については、直ちに医療機関を受診し、感染性疾患の有無を確認しましょう。ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者は、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査において、ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとるようお願いしています。
2.拡げない
ノロウイルスを「拡げない」ためには、手洗い、定期的な清掃・消毒が日常的に必要です。使い終わったまな板・包丁などについていたウイルスが、次に扱った食品を汚染することも考えられますので、調理器具は徹底的に洗浄・消毒を行なってください。ノロウイルスに対する消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)が有効です。
また、嘔吐物やふん便は、感染拡大の大きな原因となるため、特に適切な処理が必要となります。
- 患者の嘔吐物等を処理する場合、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用します。
- 嘔吐物等や汚れた床等は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm)で浸すようにペーパータオル等で拭き取ります。
- 家族間での感染を防ぐために、手洗いの励行、トイレ周りの消毒のほか、手洗い後はペーパータオル等を利用しましょう。
※消毒液を保管しなければならない場合は、消毒液の入った容器は、誤って飲むことがないように、消毒液であることをはっきりと明記して保管しましょう。
3.加熱する
二枚貝等のノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は、中心温度85℃から90℃で90秒間以上十分に加熱して下さい。
また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん等も熱湯(85℃以上)で1分間以上の加熱が有効です。
4.つけない
ノロウイルスを食品に「つけない」ための対策として、事前の手洗いの徹底が大切です。調理を行う前、トイレに入った後、おむつを替えた後はもちろんのこと、生カキ等を扱ったあとも石けんを使って(2回洗い)入念に手洗いをしてください。
また、素手で食品に触れない、使い捨て手袋やマスクの正しい着用、調理器具の洗浄・消毒、衛生的な作業着の着用がなどがあります。
ノロウイルス食中毒予防4原則
厚生労働省ホームページ(ノロウイルスに関するQ&A)(外部サイト)
新潟県ホームページ(パンフレット「防ごう!!ノロウイルス食中毒」)(外部サイト)
カキについて
カキは「生食用」と「加熱処理用」に分かれています。この区別は鮮度によるものではなく、養殖された海域の清浄度に応じて決められています。生で食べるときには必ず「生食用」と表示のあるものを買い求め、早めに使い切りましょう。「加熱処理用」のカキは新鮮であっても生で食べてはいけません。また、カキの調理の際には専用の調理器具を使用するなど他の食材への二次汚染に気をつけましょう。
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