連載第8回 「なるほど!新バスシステム・BRT」拡大版
最終更新日:2015年7月31日
市報にいがた 2526号(平成27年7月26日) 3面掲載記事
9月5日の新バスシステム開業を前に、連載「なるほど!新バスシステム・BRT」拡大版を掲載します。
5月23日から6月28日まで全区で開催した「まちづくりトーク」では、「新バスシステムについて」をテーマに篠田市長が市の取り組みなどを説明しました。
今号では、当日説明した内容に基づき、これまで市民の皆さんから多く寄せられた4つの疑問について、あらためて解説します。
また、新バスシステムの導入により新たに運行される路線や、既存路線に経路が新設されるものなど、開業から大きく変わる11路線を紹介します。
問い合わせ 新交通推進課(電話:025-226-2755)
質問1
なぜ、市がバス交通を支援するの?
回答
誰もが移動できるまちをつくることが市の役割だからです
バス交通は、運転免許を持たない子どもや車の運転ができない高齢者などの交通弱者だけでなく、多くの人の移動手段としてまちが備えるべき公共交通機能の一つです。
しかし、超高齢化や人口減少が進み、また、規制緩和でバス事業への参入・撤退が自由となるなど社会が大きく変化。地方都市ではマイカーの依存度も高く、バス事業は民間企業だけでは運営が立ち行かない状況になりました。
本市のバス交通は、これまで民間企業の新潟交通株式会社が担ってきましたが、状況は他都市と同様です。利用者は20年間で3分の1にまで減り、便数も約10年間で20パーセントがなくなりました。
バス交通に対する悪循環を打開するため、国は平成25年に交通政策基本法を施行し、官民の連携と責務を規定。行政による公共交通支援へ大きくかじを切りました。
本市はバス交通再生の最先端都市として、国から大きな支援を受けて、新バスシステムを導入します。
バス交通では先駆的な取り組み 公設民営方式
本市は、バス交通の維持・拡充を図るため、バス交通では先駆的な取り組みとなる「公設民営」方式をBRT区間で採用。市が車両や乗り換え拠点(交通結節点)を整備し、新潟交通株式会社が運行します。
これにより、運行事業者は初期投資を抑えながらサービスの向上を図ることができます。
バス利用者数と便数の推移
バス利用者数
バス便数
ほかの自治体でも
富山市
富山市では、路面電車・LRTの整備に、公設民営方式を取り入れました。市が車両、軌道などを整備し、民間事業者が運行。まちなかを環状線化しました。
高知市
高知市では、行政がさらに踏み込んで、県と関係市町村が10億円を出資して第3セクターを設立。地域を挙げてバス路線を維持する方策が取られました。
見て、乗って、体感しよう! 連節バス試乗・展示会
連節バスをより身近に感じてもらおうと、県スポーツ公園フェスタの一環で、連節バスの試乗・展示会を開催します。申し込みは不要です。
日時 8月1日(土曜)
試乗会…午前10時から正午
展示会…正午から午後4時
会場
ハードオフエコスタジアム新潟内ロータリー ※会場周辺を1周約10分で周回
市報にいがた 2526号(平成27年7月26日) 6面掲載記事
質問2
何のために新バスシステム・BRTを始めるの?
回答
負の連鎖を断ち切り、将来も走り続けるバス交通に変わるためです。
将来にわたりバス交通を維持し走らせるためには、バスを取り巻く悪循環を断ち切り、新しい形に変わる必要があります。
新バスシステムを導入するにあたり、本市は昨年、新潟交通と協定を結びました。これは、平成31年度末までバスの営業走行キロ数を確保するというものです。
協定により、運行本数の減少などのサービス低下に歯止めをかけ、新規路線を含む約450本の増便といったサービスの向上を実現します。
また、市民の皆さんからバスを利用し意見を寄せてもらうことで、地域要望にあわせた路線の再構築や運行本数の増加など、更なるサービスの向上につなげていきます。
これらにより、バスサービスに「好循環」を生みだしていきます。
質問3
新バスシステムの有効性が分からない!
回答
まちなかに基幹バスの環状線をつくることで、都心周辺のさまざまな施設が使いやすくなります。
新バスシステムは、まず第1期として新潟駅―西区青山間にBRTを導入します(下図 赤矢印)。
その後、第2期として新潟駅から鳥屋野潟南部方面(下図 緑矢印)への延伸、さらには県庁方面とを結ぶ(下図 青矢印)ことで、大きな環状線を早期につくります。
また、笹出線(下図 紫矢印)もネットワークに入れ、市街地中心部をまわる小さな環状線もつくります。あわせて、都心へのアクセス交通(白矢印)とともに地域内の生活交通(Q4参照)を充実させ、環状線につないでいきます。
全ての人に対し、市のさまざまな都市機能・施設を使いやすくすることが、本市の大きな方向性です。
質問4
市の中心部だけがよくなり、地域の生活交通が置き去りにされるのでは?
回答
新バスシステムの導入により悪循環が止まることで、地域の生活交通も充実させます。
新バスシステムを導入することで、約5年間、減便・廃止の「悪循環」に歯止めをかけることができました。
これにより、これまで路線の廃止や減便といった状況に備えていた市の予算を、各地域の生活交通の質の面での充実などに振り向けます。
例えば住民バスは、今年度から人口密度の低いところや、集落まで長い区間を走らなければならない路線などに対する支援を充実。補助率をより手厚くします。
また、できるだけ早い段階で、区バス車両をノンステップバスに変えたり、区バス・住民バスと路線バスのネットワークを強化したりするなど、網の目状のバス交通を作っていきます。
これまで、新バスシステムはまちなかの充実か、生活交通の充実か、という二者択一で語られることが多くありました。
そうではなく、新バスシステムの取り組みによって、「まちなか」も「生活交通」も共に充実させていくということが本市の目指すかたちです。
新バスシステムの導入によって悪循環が止まることで…
各地域の生活交通(区バス・住民バス)も充実させます。
直近では
- 増便、ルート延伸など路線の充実(社会実験を実施して検証)
さらに
- 区バス車両のノンステップバスへの更新
- 区バス・住民バスと路線バスのネットワークを強化
市報にいがた 2526号(平成27年7月26日) 4・5面掲載記事
9月5日(土曜)から新たにできる6路線と主な経路新設路線を掲載します
9月5日から、新潟駅-西区青山間のバス路線が新たなBRT路線・萬代橋ラインになります。これにより生じた余力(運転手と車両)で、柳都大橋線や千歳大橋線など、新たに5路線が新設されます。また、既存路線で、新たな経路ができるものもあります。
このページでは、新設全6路線と、主な経路新設路線を紹介します。
路線について詳しくは、新潟交通株式会社に問い合わせてください(電話:025-246-6333)。同社のホームページからも見ることができます。
新設(1) 萬代橋ライン(BRT)
新設(2) 柳都大橋線
新設(3) 千歳大橋線
新設(4) 新大病院線
新設(5) 青山循環線
新設(6) 芋黒線
経路新設(1)(2) 寺尾・大堀線(新大西門起終点)
※既存路線(青山~内野営業所など)は表示していません
経路新設(3) 小新線
経路新設(4) 大野白根線(女池経由)
※既存路線(青山~潟東営業所など)は表示していません
路線について詳しくは、新潟交通にお問い合わせください(電話:025-246-6333)。同社のホームページからも見ることができます。
※市報にいがた 2526号(平成27年7月26日) 4面から6面掲載記事
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