ダイオキシン類の排出削減にむけて

最終更新日:2020年4月1日

 ダイオキシン類による環境汚染の防止・除去等を図るため、ダイオキシン類対策特別措置法が平成11年7月に公布され、平成12年1月に施行されました。

1 ダイオキシン類の規制について

(1) ダイオキシン類とは

 ダイオキシンは人体への毒性が報告されている物質です。ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)をまとめてダイオキシン類といい、規制の対象となっています。
 ダイオキシン類は廃棄物の焼却や、塩素によるパルプの漂白などにより非意図的に発生するため、ダイオキシン類を発生させる可能性が高い特定施設を設置する場合は、新潟市への届出、排出基準の遵守や自主測定が必要となります。
 このページではダイオキシン類を含む排出ガスを排出する特定施設を「大気基準適用施設」、ダイオキシン類を含む排出水を排出する特定施設を「水質基準対象施設」といいます。

(2) 大気基準適用施設及び排出基準

大気基準適用施設及び排出基準の表
施設種類 規模等要件 排出基準(単位:毒性等量ナノグラム毎ノルマル立方メートル)
新設 既設
1 焼結鉱(銑鉄製造用に限る。)製造用焼結炉 原料処理能力1トン毎時以上 0.1 1
2 製鋼用電気炉(鋳鋼又は鍛鋼製造用を除く。) 変圧器定格容量1,000キロボルトアンペア以上 0.5 5
3 亜鉛回収(製鋼用電気炉ばいじんを集じん機で集められたものからの回収に限る。)用焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉及び乾燥炉 原料処理能力0.5トン毎時以上 1 10
4 アルミニウム合金製造(アルミニウムくず(当該アルミニウム合金製造工場の圧延工程で生じたものを除く。)を原料とするものに限る。)用焙焼炉、溶解炉及び乾燥炉 原料処理能力0.5トン毎時以上 1 5
5 廃棄物焼却炉 火床面積0.5平方メートル以上又は焼却能力50キログラム毎時以上(注釈1)

焼却能力が

  1. 4,000キログラム毎時以上は0.1
  2. 2,000以上4,000キログラム毎時未満は1
  3. 2,000キログラム毎時未満は5

焼却能力が

  1. 4,000キログラム毎時以上は1
  2. 2,000以上4,000キログラム毎時未満は5
  3. 2,000キログラム毎時未満は10

注釈1:施設に2つ以上の廃棄物焼却炉が設置されている場合、合計で判断します。
備考1:平成12年1月14日以前に設置されたものを既設、平成12年1月15日以降に設置されたものを新設とします。なお、2の製鋼用電気炉及び5の廃棄物焼却炉(火床面積2平方メートル以上又は焼却能力200キログラム毎時以上のもの)であって、平成9年12月2日以降に設置の工事が着手されたものは新設基準が適用されます。
備考2:ダイオキシン類は物質によって毒性が異なるため、2・3・7・8-4塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性を1として換算した毒性等量に対して基準が定められています。

(3) 水質基準適対象施設及び排出基準

水質基準対象施設の表
施設種類
1

硫酸塩パルプ(クラフトパルプ)又は亜硫酸パルプ(サルファイトパルプ)製造用の塩素又は塩素化合物による漂白施設

2 カーバイト法アセチレン製造用アセチレン洗浄施設
3 硫酸カリウム製造用施設のうち、廃ガス洗浄施設
4 アルミナ繊維製造用施設のうち、廃ガス洗浄施設
5 担体付き触媒製造(塩素又は塩素化合物を使用するものに限る。)用焼成炉の処理施設のうち、廃ガス洗浄施設
6

塩化ビニルモノマー製造用二塩化エチレン洗浄施設

7

カプロラクタム製造(塩化ニトロシルを使用するものに限る。)用施設のうち下記施設

  1. 硫酸濃縮施設
  2. シクロヘキサン分離施設
  3. 廃ガス洗浄施設
8

クロロベンゼン又はジクロロベンゼン製造用施設のうち下記施設

  1. 水洗施設
  2. 廃ガス洗浄施設
9

4-クロロフタル酸水素ナトリウム製造用施設のうち下記施設

  1. ろ過施設
  2. 乾燥施設
  3. 廃ガス洗浄施設
10

2・3-ジクロロ-1・4-ナフトキノン製造用施設のうち下記施設

  1. ろ過施設
  2. 廃ガス洗浄施設
11

ジオキサジンバイオレット製造用施設のうち下記施設

  1. ニトロ化誘導体分離施設及び還元誘導体分離施設
  2. ニトロ化誘導体洗浄施設及び還元誘導体洗浄施設
  3. ジオキサジンバイオレット洗浄施設
  4. 熱風乾燥施設
12

アルミニウム又はその合金の製造用焙焼炉、溶解炉又は乾燥炉の処理施設のうち下記施設

  1. 廃ガス洗浄施設
  2. 湿式集じん施設
13

亜鉛回収(製鋼用電気炉ばいじんであって、集じん機により集められたものから回収に限る。)用施設のうち下記施設

  1. 精製施設
  2. 廃ガス洗浄施設
  3. 湿式集じん施設
14

担体付き触媒(使用済みのものに限る。)からの金属回収(ソーダ灰を添加して焙焼炉で処理する方法及びアルカリにより抽出する方法(焙焼炉で処理しないものに限る。)によるものを除く。)用施設のうち下記施設

  1. ろ過施設
  2. 精製施設
  3. 廃ガス洗浄施設
15

大気基準適用施設の廃棄物焼却炉の処理施設のうち下記施設又は灰の貯留施設であって汚水又は廃液を排出するもの

  1. 廃ガス洗浄施設
  2. 湿式集じん施設
16
  1. 廃PCB等又はPCB処理物の分解施設
  2. PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設又は分離施設
17

フロン類(CFC及びHCFC)の破壊(プラズマ反応法、廃棄物混合法、液中燃焼法及び過熱蒸気反応法によるものに限る。)用施設のうち、下記施設

  1. プラズマ反応施設
  2. 廃ガス洗浄施設
  3. 湿式集じん施設
18 下水道終末処理施設(水質基準対象施設に係る汚水又は廃液を含む下水を処理するものに限る。)
19 水質基準対象施設を設置する工場又は事業場から排出される水の処理施設

備考1:排出基準はすべての施設に対して10毒性等量ピコグラム毎リットルです。

(4) その他基準

 大気基準適用施設の廃棄物焼却炉から生じるばいじん、焼却灰その他の燃え殻を処分する場合、ダイオキシン類の濃度が3毒性等量ナノグラム毎グラム以下となるように処理しなければなりません。
 ただし、平成12年1月14日以前に設置された施設のばいじん等を、下記の方法で処分する場合は基準が適用されません。

  • セメント固化設備を用いて重金属が溶出しないよう化学的に安定した状態にするために十分な量のセメントと均質に練り混ぜるとともに、適切に造粒し、又は成形したものを十分に養生して固化する方法
  • 薬剤処理設備を用いて十分な量の薬剤と均質に練り混ぜ、重金属が溶出しないよう化学的に安定した状態にする方法
  • その他の溶媒に重金属を溶出させた上で脱水処理を行うとともに、当該溶出液中の重金属を沈殿させ、当該沈殿物及び脱水処理に伴って生ずる汚泥について、重金属が溶出しない状態にし、又は精錬工程において重金属を回収する方法

 また、廃棄物の最終処分場については下記リンク先のとおり、維持管理や排出水の基準が定められています。

2 届出について

 次のときは該当する届出が必要です。

事前に届出が必要なもの

  • 特定施設を設置しようとするとき
  • 設置している特定施設の構造、使用方法やダイオキシン類を含むばい煙、排水の処理方法を変更しようとするとき

事後に届出が必要なもの

  • 特定施設を廃止したとき
  • 特定施設を設置している工場・事業場の名称や所在地の変更があったとき
  • 届出者の氏名や住所(法人の場合は、名称、代表者氏名、主な事業所の所在地)について変更があったとき
  • 届出者の地位の承継(相続、合併、分割)があったとき

年1回報告が必要なもの

  • ダイオキシン類の自主測定結果

3 ダイオキシン類の自主測定義務

 大気基準適用施設は排出ガス、水質基準対象施設を設置している事業場は排出水について、年1回以上ダイオキシン類濃度の自主測定をして、その結果を新潟市に報告しなければなりません。 
 また、大気基準適用施設の廃棄物焼却炉においては、ばいじん、焼却灰その他の燃え殻についても同様に自主測定と報告が必要です。

4 その他(改善命令等)について

 新潟市は特定施設が排出基準に適合しない排出ガス又は排出水を排出する恐れがあるときには、特定施設の改善あるいは使用の一時停止を命ずることがあります。

5 事故対応について

  1. 特定施設を設置しているものは、特定施設において故障、破損、その他の事故が発生し、ダイオキシン類が多量に排出された場合、直ちに応急措置を講じ、速やかに復旧するよう努めなければなりません。
  2. 上記1が発生した場合は、直ちに事故の状況を新潟市に通報しなければなりません。連絡先は環境対策課大気係又は水質係(平日8時30分から午後5時30分においては電話番号:025-226-1367又は025-226-1371、それ以外の時間は電話番号:025-228-1000)です。
  3. 発生した事故に対して、新潟市から事故拡大及び再発防止のために必要な措置を命ずることがあります。

6 関連ホームページ

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環境部 環境対策課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館2階)
電話:025-226-1367 FAX:025-222-7031

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