ラムサール条約
最終更新日:2023年2月13日
もくじ
ラムサール条約とは
正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、1971年にイランの地方都市ラムサールにおいて締結されたことから、通称「ラムサール条約」と呼ばれています。
水鳥たちは国境を越えて渡りをするものが多く、例えば、コハクチョウは夏にシベリアで繁殖し、冬になると南下して日本に渡ってきます。日本での中継地としては、北海道のクッチャロ湖やウトナイ湖などがありますが、その後、その大半がさらに南下し、伊豆沼・内沼(宮城県)、猪苗代湖、佐潟をはじめとした越後平野の湖沼などに渡ってきて、そこで越冬します。また、一部はさらに中海(島根県)で越冬するものもいます。
これら中継地や越冬地の湿地が失われてしまうと、ハクチョウたちは渡りのルートを変更しなければなりません。極端な場合には、ルートそのものが成り立たなくなってしまいます。
このように、湿地は渡りを行う水鳥たちにとってかけがえのないものです。そのため、特に繁殖地、中継地、越冬地などの水鳥の生息地として重要な湿地については、国際的に保全していかなければなりません。
ラムサール条約は、その目的のために多くの国が締結している国際条約です。
この条約では、それぞれの加盟国が、国内法で登録湿地を保全することを義務づけていますが、この条約における湿地保全の基本原則は、湿地をたんに保護地域に定めて人々の立ち入りを禁止するなどの保存施策を実施するだけでなく、湿地の生態系を維持しながら、湿地の有形・無形の資源を持続的に利用・活用する「賢明な利用」(ワイズユース)に基づいております。
条約加盟国は172か国あり、国際的に重要な湿地として登録された湿地は2,471湿地、約2億5,619万ヘクタールを数えています(2023年2月現在)。
日本国内の登録湿地
日本は釧路湿原を登録湿地として、1980年に条約に加盟し、順次条約湿地を増やしてきました。
日本国内の条約湿地は、1996年3月に条約湿地となった「佐潟」を含め、53湿地、約15万5千ヘクタールとなっています。
各湿地の紹介につきましては、環境省のホームページをご覧ください。(環境省のページへ移動する【外部リンク】) (外部サイト)
No. | 条約湿地名 | 所在地 | 面積 (ha) |
登録年月日 |
---|---|---|---|---|
1 | 釧路湿原 | 北海道 | 7,863 | 昭和55年06月17日 |
2 | 伊豆沼・内沼 | 宮城県 | 559 | 昭和60年09月13日 |
3 | クッチャロ湖 | 北海道 | 1,607 | 平成元年07月06日 |
4 | ウトナイ湖 | 北海道 | 510 | 平成3年12月12日 |
5 | 霧多布湿原 | 北海道 | 2,504 | 平成5年06月10日 |
6 | 厚岸湖・別寒辺牛湿原 | 北海道 | 5,277 | 平成5年06月10日 |
7 | 谷津干潟 | 千葉県 | 40 | 平成5年06月10日 |
8 | 片野鴨池 | 石川県 | 10 | 平成5年06月10日 |
9 | 琵琶湖 | 滋賀県 | 65,984 | 平成5年06月10日 |
10 | 佐潟 | 新潟県 | 76 | 平成8年03月23日 |
11 | 漫湖 | 沖縄県 | 58 | 平成11年05月15日 |
12 | 宮島沼 | 北海道 | 41 | 平成14年11月18日 |
13 | 藤前干潟 | 愛知県 | 323 | 平成14年11月18日 |
14 | 雨竜沼湿原 | 北海道 | 624 | 平成17年11月08日 |
15 | サロベツ原野 | 北海道 | 2,560 | 平成17年11月08日 |
16 | 濤沸湖 | 北海道 | 900 | 平成17年11月08日 |
17 | 阿寒湖 | 北海道 | 1,318 | 平成17年11月08日 |
18 | 風蓮湖・春国岱 | 北海道 | 6,139 | 平成17年11月08日 |
19 | 野付半島・野付湾 | 北海道 | 6,053 | 平成17年11月08日 |
20 | 仏沼 | 青森県 | 222 | 平成17年11月08日 |
21 | 蕪栗沼・周辺水田 | 宮城県 | 423 | 平成17年11月08日 |
22 | 奥日光の湿原 | 栃木県 | 260 | 平成17年11月08日 |
23 | 尾瀬 | 福島県・群馬県・新潟県 | 8,711 | 平成17年11月08日 |
24 | 三方五湖 | 福井県 | 1,110 | 平成17年11月08日 |
25 | 串本沿岸海域 | 和歌山県 | 574 | 平成17年11月08日 |
26 | 中海 | 鳥取県・島根県 | 8,043 | 平成17年11月08日 |
27 | 宍道湖 | 島根県 | 7,652 | 平成17年11月08日 |
28 | 秋吉台地下水系 | 山口県 | 563 | 平成17年11月08日 |
29 | くじゅう坊ガツル・タデ原湿原 | 大分県 | 91 | 平成17年11月08日 |
30 | 藺牟田池 | 鹿児島県 | 60 | 平成17年11月08日 |
31 | 屋久島永田浜 | 鹿児島県 | 10 | 平成17年11月08日 |
32 | 慶良間諸島海域 | 沖縄県 | 353 | 平成17年11月08日 |
33 | 名蔵アンパル | 沖縄県 | 157 | 平成17年11月08日 |
34 | 大山上池・下池 | 山形県 | 39 | 平成20年10月30日 |
35 | 化女沼 | 宮城県 | 34 | 平成20年10月30日 |
36 | 瓢湖 | 新潟県 | 24 | 平成20年10月30日 |
37 | 久米島の渓流・湿地 | 沖縄県 | 255 | 平成20年10月30日 |
38 | 大沼 | 北海道 | 1,236 | 平成24年7月3日 |
39 | 渡良瀬遊水地 | 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県 | 2,861 | 平成24年7月3日 |
40 | 立山弥陀ヶ原・大日平 | 富山県 | 574 | 平成24年7月3日 |
41 | 中池見湿地 | 福井県 | 87 | 平成24年7月3日 |
42 | 東海丘陵湧水湿地群 | 愛知県 | 23 | 平成24年7月3日 |
43 | 円山川下流域・周辺水田 | 兵庫県 | 1,094 | 平成24年7月3日 |
44 | 宮島 | 広島県 | 142 | 平成24年7月3日 |
45 | 荒尾干潟 | 熊本県 | 754 | 平成24年7月3日 |
46 | 与那覇湾 | 沖縄県 | 704 | 平成24年7月3日 |
47 | 涸沼 | 茨城県 |
935 | 平成27年5月28日 |
48 | 芳ヶ平湿地群 | 群馬県 | 887 | 平成27年5月28日 |
49 | 東よか干潟 | 佐賀県 | 218 | 平成27年5月28日 |
50 | 肥前鹿島干潟 | 佐賀県 | 57 | 平成27年5月28日 |
51 | 志住川湾 | 宮城県 | 5,793 | 平成30年10月18日 |
52 | 葛西海浜公園 | 東京都 | 367 | 平成30年10月18日 |
53 | 出水ツルの越冬地 | 鹿児島県 | 478 | 令和3年11月18日 |
ラムサール条約リーフレット
新潟市では、ラムサール条約のことを多くの皆さまに知っていただくためにリーフレットを作成しました。
平成29年9月発行
新潟市北区では、福島潟のラムサール条約湿地登録を推進するために、北区自治協議会で福島潟版のリーフレットを作成しました。
ラムサール条約福島潟版リーフレット(PDF:5,070KB)
平成31年3月発行
ラムサール条約登録湿地関係市町村会議
ラムサール条約登録湿地関係市町村会議は、ラムサール条約湿地の適正な管理に関し、関係市町村間の情報交換及び協力を推進することによって、地域レベルの湿地保全活動を促進することを目的として設立されました。
この会議では、ホームページを閲覧される皆さんに、各条約湿地に関する情報をわかりやすく提供するため、本会に加入する市町村の該当ホームページにおいて、相互リンクを張っています。
ラムサール条約登録湿地関係市町村会議のホームページを見る【外部リンク】(外部サイト)
また、3年に1回、市長村長会議を開催することが決められており、第6回の会議が新潟市で開催されました。
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