にいがた市議会だより 第83号(平成30年11月4日) 4ページ
最終更新日:2018年11月4日
一般質問の要旨
- 一般質問者は21人です。質問項目は主なものを掲載しています。
- [答]の末尾にかっこ書きの記載がない答弁は全て市長答弁です。
集団の判断の誤りが引き起こした大川小学校の悲劇
青野 寛一(会派に属さない議員)
[問]平成23年3月11日の東日本大震災では、宮城県石巻市の大川小学校で教職員10人、児童74人の計84人が津波で亡くなった。学校のそばには避難に適した裏山があり、避難する時間も十分あったが、裏山への避難を促す教務主任や子どもたちなどの声を取り上げず堤防方向に避難した結果、多くの犠牲者を出した。また学校も北上川の河原の底ともいえる低地に建てられていた。これらは集団の判断の誤りであり、十分避けることのできた人災ともいえるが見解を伺う。
[答]今年4月26日の大川小学校の控訴審判決では、ハザードマップを過信せず、学校や教育委員会がそれぞれ独自の立場から避難場所などを検討すべきであったと述べている。この判決から、想定を上回る事態も起こり得ることを考慮し、避難計画を検討するように周知していくことが重要だと考える。
東区と中央区の合区と市立保育園配置計画
小泉 仲之(会派に属さない議員)
[問]区の再編において本市が注視する浜松市では「区ができて10年もたたないのに、なぜ再編しなければならないのか」という声が多く苦戦している。東区と中央区の合区の検討内容を伺う。
[答]区の再編および総合区制度導入のメリット・デメリットの分析とともに、合区した場合の経費削減効果などのコスト面について、浜松市を参考に試算している。
[問]保育園の廃止ではこれまで、代替施設のない周辺農村部で地域に大きな負担を掛けてきた。地域によって子育て施設と子どもの分布にミスマッチはあり、市立保育園配置計画は必要だ。しかし、行政効率だけでなく、利用者の利便性も考慮すべきではないか。
[答]民間事業者の運営が難しい地域も想定されるため、対応は区や地域、保護者の方々など広くご意見をお聞きしながら進めていく。
総合区
政令指定都市における区の役割の拡充のため、区に代えて総合区を設け、議会の同意を得て選任される特別職の総合区長を置くことができるもの。総合区長は地方自治法の規定により、総合区の職員を任免する他、予算のうち総合区長が執行する事務に関し、市長に対し意見を述べることができる。
市民党のメリット・デメリットと市民病院が行う市民の健康づくり
高橋 三義(新市民クラブ)
[問]地方自治体の首長は、与党対野党の枠組みで選ぶのではなく、政党や企業をバックにしない、しがらみのないクリーンな方になってほしいと考える。市民党でやってきた篠田市政の運営のメリットとデメリットはどうだったのか。
[答]特定の団体・業界などから過度の影響を受けることなく、市民の皆さまの立場に立った市政運営を行うことができたことが一番のメリット。デメリットは特にない。
[問]市民の健康寿命は全国平均より一、二年短いというデータがある。健康寿命を延ばすために市民病院として多数の事業を開催しているが、参加者が減少傾向にあるため、市民との連携による健康づくりにもっと汗を流すべきでは。
[答]人間ドックなどは、人員体制を考慮するとこれ以上は難しいが、健康づくり施策も必要と認識しており、各種講座は継続していく。(病院事業管理者)
健康寿命
人の寿命において「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
海フェスタにいがたの記念品と危険なブロック塀
中山 均(会派に属さない議員)
[問]海フェスタにいがたの記念式典で市の幹部や議員を含む出席者に配られた記念品や祝賀会で提供された飲食は豪華過ぎで、市民の理解を得られない。財政難の本市が関わる式典には不適切だったのではないか。
[答]過去の開催事例に倣って配ったが、自治体内部に配る必要はないと思うので、反省点の一つとして次の開催地に引き継ぎたい。
[問]公共建築物は一定の基準に該当すれば定期点検を受けているはずだが、今回の緊急点検で建築基準法の要件を満たさないことが発覚したブロック塀は、適切に点検・指摘されていたのか。指摘された場合の対応はどうだったか。
[答]定期点検の対象外の施設が多く、対象でも適切に点検されていない施設や指摘への対策が取られていない施設があったため、今後、適切な維持管理に努めていく。
高さがあり危険性が確認された通学路のブロック塀
名僧といわれる人物の言葉などの道徳の人材教育への導入
渡辺 均(新市民クラブ)
[問]夏休みが終わる時期にいじめを苦にした中学・高校生の自殺が多くなるが、子どもたちの心を救うこと、心を変えることは容易ではない。道徳が来年度から中学校でも教科化され、人物教材にはマザー・テレサの生き方のように人の優しさやゆずの歌の詞のように生きる力をもらえるものもあるが、特定の宗教団体や宗派の宗教教育ではなく、釈迦(しゃか)や名僧といわれる人物の言葉、人物像なども教材として価値が高いと考えるため人材教育に取り入れてはどうか。
[答]公立の学校では、教育基本法により特定の宗教の教えや象徴を教材として扱うことは難しいが、宗教家を一人の人物として捉え、その生きざまから学ぶ教材は数多く存在している。道徳性を深める上で最適であり、信仰を強要するものでなければ、教材として取り入れることは可能と考える。(教育長)
コンセッション方式とアセットマネジメントの導入
小山 進(新潟市公明党)
[問]水道局が事業者であることを維持しながら、水道事業を運営権者に委ねることが可能となるコンセッション方式の導入が国会で議論されている。今後の水道事業の見通しを考えるといずれ検討しなければならないと考えるがどうか。
[答]コンセッション方式の導入については、他事業体の動向を注視し、効果などを研究していきたい。(水道事業管理者)
[問]下水道事業について、なぜコンセッション方式導入の検討を進めているのか。またなぜ50億円もの平準化債の発行に踏み切ったのか。その根拠を明確にするためにもアセットマネジメントの議論や導入が重要と考えるがどうか。
[答]今後、大きなウエートを占める施設の更新・改築費にアセットマネジメントの考え方を取り入れ、長期的なビジョンを示しながら、将来の市民負担をどうするのか明確にすることが重要である。
(資本費)平準化債
一般的に建設財源として借り入れた企業債は、建設した施設の耐用年数よりも短い期間で償還しなければならないため、その期間の償還金負担が大きくなる。そこで施設を利用する各世代の負担の公平性確保のため、耐用年数に合わせた償還金負担ができるように借り入れる企業債のこと。
「おにぎり1日1個運動」の提唱と教育環境の整備
佐藤 正人(新市民クラブ)
[問]田園型政令市において農業の振興には米余りの解消が急務である。そこで米余りの解消や地域経済の活性化につなげるため、お米の歌を作ったり、県やJAと協力し、幼い頃から子どもたちに体に良いご飯の栄養知識や、毎日1個おにぎりを食べるだけでも景気が良くなることを教育してはどうか。
[答]小・中学校などで米飯給食を基本としている他、米への理解を深める学習などを通じ、ご飯を中心とした日本型食生活の良さを伝えることで米の消費拡大を図る。
[問]快適な教育環境の整備として、災害レベルの今夏の猛暑もあり学校のエアコンの早期設置は必要だが、トイレの洋式化への改修も重要な課題と考えるが見解を伺う。
[答]老朽化しているトイレの改修を順次実施しており、今後も国の補助金や市の予算を確保しながら整備を進めていきたいと考える。(教育長)
米飯給食
日本の伝統的な食生活の根幹である米飯の望ましい食習慣の形成や地域の食文化を通じた郷土への関心を深めることなどの教育的意義を踏まえ、文部科学省では米飯給食の週3回以上の実施を目標として推進している。新潟市では週4.5回以上実施している。