にいがた市議会だより 第90号(令和2年8月2日) 3ページ
最終更新日:2020年8月2日
一般質問の要旨
- 一般質問者は28人です。質問項目は主なものを掲載しています。
- [答]の末尾にかっこ書きの記載がない答弁は全て市長答弁です。
生活困窮者への支援と不登校児童などへのオンライン学習
高橋 聡子(民主にいがた)
[問]生活のさまざまな所に新型コロナウイルス感染症の影響が出ている。生活困窮者はさらにダメージを受け、支援が必要な方も増加していると考えるが、しっかりと支援していく必要があるのでは。
[答]自立相談支援事業の相談受付件数は前年同月と比べ、令和2年3月は20件、4月は131件増加しており、今後も適切かつ効果的に支援できるよう取り組んでいく。
[問]新型コロナウイルス感染症の第2波の影響で再び学校が休校になった場合に備え、早急にオンライン学習の導入が必要である。不登校の児童・生徒が学校に行かなくても先生の顔を見ながら相談でき、学習の遅れをサポートするなどの活用もできるのではないか。
[答]教育相談センターでは、今後オンラインの環境を整え、不登校の児童・生徒に対して、オンラインで支援することも計画している。(教育長)
飲食店支援と(仮称)上所駅の早期設置
内山 航(翔政会)
[問]新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店営業への打撃は顕著で、それを補うためにテイクアウトなどでの弁当販売が各地で行われている。弁当の製造販売には営業許可が必要だが、通常の飲食店営業に戻るときにもまた許可が必要となるため、許可手続きを簡素化することはできないか。
[答]弁当製造と客室での飲食提供を、時間を区切り双方で行う新たな営業形態について、衛生が確保できることを前提に手続きが簡素化できるよう、今後県と協議する。
[問](仮称)上所駅の設置に向けてJRとの話し合いを加速してもらいたいと考えるが、新駅の需要予測などの調査の結果、設置場所を確定させることはできたのか。
[答]本市が昨年度実施した現地測量調査の結果、西跨線橋の西側に設置されている地下歩道付近を新駅設置の範囲として検討している。
中学校体育大会の中止と児童・生徒の心理的ストレスの把握
宇野 耕哉(民主にいがた)
[問]新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中学校体育大会の中止が発表されたが、これまで頑張って練習してきた中学生、特に3年生の気持ちに応え、その成果を表すための代替えの機会が必要と考えるがどうか。
[答]中学校体育連盟は代替えの大会を行わないことを決定したが、競技団体や部活動顧問が代替えの大会や練習試合を行う場合には、必要物品の補助などの支援を行う。(教育長)
[問]学校の休校措置により児童・生徒が新型コロナウイルスに感染することは避けられたかもしれないが、生活環境の変化によって子どもたちが受けた心理的ストレスも深刻である。学校ではその状態をどのように把握していくのか。
[答]子どもの心身のケアハンドブックを基にストレスチェックなどを行い、保護者と連携しながら児童・生徒の状況把握に努める。(教育長)
子どもの心身のケアハンドブック
新型コロナウイルス感染症の影響による子どもの心と身体の健康問題の早期発見・早期対応につなげるため、本市教育委員会が、教職員向けに学校がすべき対応と留意点について具体的に整理したもの。
子どもの年代別の対応例や、心と身体のチェック表の例などがまとめられており、市ホームページにも掲載されている。
出産前妊婦のPCR検査の実施と学校運営に関する専門家会議設置
石附 幸子(市民ネットにいがた)
[問]コロナ禍の中、妊婦は感染への不安や里帰り出産の制限などで、出産に不安を抱えている。その不安解消と母子保健医療体制を守るため、国の第2次補正予算を活用し、出産前の妊婦を対象にPCR検査を行うべきと考えるがどうか。
[答]妊婦の不安解消には有効だが、検査体制や医療機関との調整など多くの課題があるため、今後、県と歩調を合わせ検討を進めていく。
[問]学校における新型コロナウイルス感染拡大の防止や、学校の閉鎖や再開には、科学的根拠に基づいた判断が必要である。そのため教育委員会に、小児感染症や公衆衛生の専門家の方々からなる専門家会議を設置すべきではないか。
[答]これまでも新潟大学の教授から意見を頂いた他、県の専門家会議にオブザーバーとして参加し情報を得ている。今後も同様の方法により適切に対応していく。(教育長)
PCR検査
PCRはポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の略で、遺伝子検査の手法の一つ。微量の遺伝子の断片を増やして判定を可能にする。臨床現場や研究だけでなく、食品の産地調査や食中毒の原因究明など幅広く利用されている。
新型コロナウイルスの検査では、採取した鼻咽頭ぬぐい液や唾液中にウイルスの遺伝子が含まれていれば「陽性」とされる。分析には専用の装置が必要となる。
デマンド交通先進都市の成功事例
内山 幸紀(新市民クラブ)
[問]デマンド交通の成功事例ともいえる熊本県長洲町の「きんぎょタクシー」を視察したが、住民アンケートを実施した上でバス事業をやめる大きな決断を行い、公共交通をワンボックス車を利用したデマンドタクシーにシフトチェンジしていた。本市の乗り合いタクシーと異なり、玄関先まで迎えがあり、役場内のオペレーターによる利用者に合わせた案内があるなどの優れた取り組みである。こうした先進都市の事例を本市にも取り入れるべきではないか。
[答]デマンド交通は利用者のニーズに合わせた柔軟な運行が可能な反面、事前予約が必要であるなど定時定路線と比較して利用環境が劣る部分もある。北区や南区で実施している社会実験を通じて課題を検証するとともに、他都市の事例も参考にしながら本市にふさわしいデマンド交通の検討を進める。
収支均衡予算の根拠と人口減少に対応した予算計画
高橋 三義(新市民クラブ)
[問]市長は令和2年度予算を収支均衡の取れた予算と言っているが、それは表向きで、負担の先送りである資本費平準化債53億円の発行により達成したものと考えている。資本費平準化債発行も含め、収支均衡予算と言える根拠は何か。
[答]集中改革プランを反映し、本市が直面する喫緊の課題への対応も図りながら効果的・効率的な経営資源配分に努め、基金に頼らない収支均衡の取れた予算となった。
[問]本市の予算計画は、資本費平準化債の発行や市債管理基金の積立期間の先延ばしなど、将来の人口減少に対応しているのか疑問である。人口減少に対応した収支均衡の取れた予算編成とするため、どのような点に注意しているのか。
[答]公共施設の再編を含む集中改革プランの推進や投資的経費の厳正な事業選択により、将来にわたって持続可能な財政運営を目指す。
コロナ禍の保育従事者への支援と旧鳥屋野小学校跡地利用
小野 照子(翔政会)
[問]コロナ禍対策では、医療・介護従事者には国から慰労金の支援があるが、保育従事者には何の手当もない。また保育士の多くは、人手不足でより良い保育を提供するための研修や勉強会に参加できない状況もあるため、この状況への打開策を含め見解を伺う。
[答]医療や介護施設とは性質が異なるため、現時点では一時金の支給は考えていないが、保育従事者の処遇改善を引き続き国に要望するとともに、事務負担軽減やスキルアップなどを支援していきたい。
[問]旧鳥屋野小学校跡地は、子どもから高齢者まで多くの住民に利用されるよう複合的に整備することで新たな地域拠点になると考えるが、まちづくりの観点から本市の見解について伺う。
[答]本年度から地域との勉強会も始まっており、それらも参考にしながら今後総合的に検討していく。
新潟市の未来を担う子どもたちをコロナ禍から守るために
伊藤 健太郎(翔政会)
[問]子どもや保護者が抱く偏見・差別への恐怖は大人以上である。子ども自身やわが子が新型コロナウイルス感染症に感染し、治った後に、偏見・差別なく元の学校生活に戻れるか不安であるとの声が多く寄せられているが、学校でどのように取り組んでいるのか伺う。
[答]各学校では、偏見・差別的な発言などについて道徳や学級活動の時間を中心に指導している他、学校だよりなどを利用して各家庭で話し合うことも呼び掛けている。(教育長)
[問]新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、修学旅行をやむを得ず中止、延期、変更する場合に発生するキャンセル料については、保護者の負担軽減のために市が公費負担すべきと考えるがどうか。
[答]保護者の新たな負担が生じないよう、国の財源を活用しながら支援していきたい。(教育長)