にいがた市議会だより 第92号(令和3年2月7日) 4ページ
最終更新日:2021年2月7日
一般質問の要旨
- 一般質問者は25人です。質問項目は主なものを掲載しています。
- [答]の末尾にかっこ書きの記載がない答弁は全て市長答弁です。
人口減少に対する見解と対策を進める組織の在り方
高橋 三義(新市民クラブ)
[問]本市の人口減少対策は効果が出ておらず、人口は5年連続して減少し、10月1日現在79万2,887人であり、前年比3,613人の減少である。この現状と将来における問題をどう捉えているか。
[答]人口減少は本市の魅力や活力を低下させ、さらなる人口流出を招き、特に生産年齢人口の減少は、さまざまな経済的・社会的影響をもたらすことが懸念される。
[問]人口減少対策を進める上で、組織の在り方は重要である。今まで欠けていたことは、対応部署が責任を持って対策を実現させる実行力と、横断的につながる責任ある組織で対応や効果をまとめてこなかったことである。今後の組織の在り方をどう考えているか。
[答]まち・ひと・しごと創生総合戦略推進本部会議で全体の方向性を明確化し、組織横断的に取り組みが進められるよう議論していく。
まち・ひと・しごと創生総合戦略と市長のまちづくり構想
小泉 仲之(会派に属さない議員)
[問]来年度から始まる第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略は、中原市長が初めて示すまちづくり計画であり注目している。国の地方創生が始まって以来、東京一極集中が加速し、本市でも人口の社会減が起こっており、国の意向に沿った第1期総合戦略では成果が得られなかった。まちづくりで大切なことは、自ら考えて行動する自律性とオリジナリティーであり、市長が考える本市のまちづくりの構想と第2期総合戦略の策定に当たり何を重視するのかを伺う。
[答]食と農、暮らしやすさといった本市の優位性をさらに生かし、市外から人を引き付け「選択されるまち」となり、暮らしている市民にとっても魅力あるまちづくりを着実に進め、将来に向け、人口減少を和らげつつ、人口減少社会に適用しながら第2期総合戦略を推進していく。
持続化給付金の再給付とスーパーシティ構想の問題点
倉茂 政樹(日本共産党新潟市議会議員団)
[問]新型コロナウイルス感染症の感染拡大を災害と考えれば被災者への支援は欠かせない。感染防止のための自粛要請に伴う補償は被災者の生活・仕事の維持の支えになるため、持続化給付金の再給付などを直ちに国に求めるべきでは。
[答]感染症の影響が長期化する中で、持続化給付金の再給付などを指定都市市長会を通じて国に継続して要請をしている。今後も必要な支援策などを要請していく。
[問]政府が進めるスーパーシティ構想は、個人のデータを収集し、AIで解析・行動予測し、その結果を利用するサイクルで、国家が個人の行動を容易に監視できるようになる。この構想と個人情報保護は両立しないと考えるがどうか。
[答]国が示しているスーパーシティ構想の指定基準の中で、個人情報の乱用がないということが採択の条件となっている。
保育料の多子軽減の拡充と文化・観光施設の高齢者割引
飯塚 孝子(日本共産党新潟市議会議員団)
[問]国の保育料無償化以降も2歳児以下の負担は変わらない。本市の多子軽減制度の第1子の範囲は小学3年生までであるが、県内には18歳や年齢制限なしの市が9市ある。本市も対象年齢を18歳まで広げ、保育料を軽減すべきでは。
[答]保育料の軽減は少子化対策の観点からも有効な施策と認識しているが、さらなる軽減については、本市の子育て支援施策全体の中で総合的に判断していく。
[問]本市の体育施設は利用料金の高齢者割引により、高齢利用者が増加し心身の健康増進などにつながっている。一方で文化・観光施設では、政令市で本市のみ高齢者割引がないため、新たに制度を創設し利用促進を図るべきでは。
[答]新たな利用者の掘り起こしにつながる可能性がある一方で、減収につながる施設も考えられるため、慎重に検討を進めていく。
地域の茶の間の今後の方向性と放課後児童クラブの相談体制強化
細野 弘康(民主にいがた)
[問]地域の茶の間は、地域包括ケアシステムの一端を担い、地域の居場所として根付いているが、利用者の固定化などの課題もある。今後の方向性について所見を伺う。
[答]誰もが気軽に参加できる地域の居場所という理念を広げ、参加者やスタッフとの間の助け合いが自然に生じることも期待している。
新しい生活様式を実践しながら開催されている「実家の茶の間・紫竹」の様子
[問]放課後児童クラブでの保護者からの相談には支援員が対応するが、専門分野以外の相談も多く、その場では解決しない場合や、虐待に関わるものは重大事件につながる可能性もある。それぞれの専門職につなぐシステムの構築など、子育て相談の窓口として機能するようサポートすべきではないか。
[答]保護者と接する支援員が相談内容に応じ適切な窓口につなぐことは重要と考える。今後も関係機関との連携も深めながら、研修などを通じ相談体制の強化に努める。
農林水産物・食品の輸出と地域エネルギー事業推進の考え方
土田 真清(翔政会)
[問]国は11月に農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を取りまとめ、輸出額を5年後には現在の2倍、10年後には5倍にする目標を立てた。水稲の作付面積と収穫量が日本一の本市成長の原動力は食と農であるため、積極的に輸出に取り組むべきと考えるがどうか。
[答]販路拡大に取り組む企業や生産者を引き続き支援する他、米のブランド力向上と、日本酒など新潟産品の輸出拡大に向け、国や県とも連携し、企業を支援していく。
[問]本市はエネルギーの地産地消など、持続可能なエネルギーの推進などを目的とするゼロカーボンシティの実現を目指すことを表明したが、今後の地域エネルギー事業をどのように推進していくのか。
[答]ゼロカーボンシティ実現には、地域新電力会社が鍵になるため、新潟スワンエナジーの事業や地域の事業者との連携を進めていく。
ゼロカーボンシティ
環境省では、2050年に温室効果ガスまたは二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らがまたは地方自治体として公表した地方自治体をゼロカーボンシティとしている。
パリ協定の目標達成に向けて、本市でも2020年12月1日にゼロカーボンシティの実現を目指すことを表明した。
医療用ウィッグなどの購入費助成とフリースクールへの経営支援
高橋 聡子(民主にいがた)
[問]抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けた場合のがん患者の精神的なダメージは大きい。個人が尊厳を持って安心して暮らせる社会であるためにも、外見へのサポートとして医療用ウィッグなどの購入費助成が必要と考えるがどうか。
[答]がん患者の不安を和らげ、安心して暮らし続けられるよう、医療用ウィッグや補正具の購入費助成を含めた支援策を他都市の事例などを注視しながら研究していく。
[問]フリースクールは、不登校の児童・生徒の学校以外の居場所として重要な役割を果たしているが、寄付金や他の事業からの補填(ほてん)でなんとか運営している状況の所もある。子どもたちの居場所の選択肢として存続できるよう支援しては。
[答]現段階で経営支援は考えていないが、今後、先行的な事例を基に、活動に対する支援が可能かどうか研究していきたい。(教育長)
フリースクール
不登校の児童・生徒に対して個別の学習や相談・カウンセリング、社会体験や自然体験などの体験活動、授業形式による学習などの支援を行っている施設のこと。
民間の自主性・主体性の下で設置・運営されている。
トキエアへの支援とバイオマス発電所設置への支援
吉田 孝志(会派に属さない議員)
[問]コロナ禍において新潟空港の海外路線の復活は難しいが、新潟空港から国内各都市へ低コストでの移動を可能にし、観光バスのようなチャーター運用や貨物輸送運用も行えるトキエアを積極的に支援すべきと考えるがどうか。
[答]新潟空港の利便性向上や地域経済の活性化が期待されるため、県との連携の下、支援の在り方について、今後、協議を行っていく。
[問]新潟東港で世界最大級のバイオマス発電所の計画が進んでいる。輸入される原材料が港の拠点性向上にもつながり、ゼロカーボンシティの実現を目指すことを表明した本市としてもタイミングが良いため、力を入れて応援すべきでは。
[答]バイオマス発電所は歓迎するものであり、新潟スワンエナジーを通し、事業者と電力の活用を検討し、エネルギーの地産地消をさらに進める取り組みにつなげたい。