市報にいがた 令和5年2月19日 2785号 1面から2面
最終更新日:2023年2月19日
新しいビジネスが生まれるまち にいがた
- 目標 8:働きがいも 経済成長も
- 目標 9:産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標 17:パートナーシップで目標を達成しよう
新潟市は、市内での起業・開業や、新製品・新事業の開発に向けた取り組みを支援しています。今号では、新潟市の中小企業支援について取り上げます。
問い合わせ 産業政策課(電話:025-226-1610)
新潟IPC財団ビジネス支援センターでの相談の様子
コーヒーかすを使用したマグカップ
起業家や中小企業を応援
公益財団法人 新潟市産業振興財団(新潟IPC財団)
ビジネス支援センター
プロジェクトマネージャー
山崎 寛和さん
起業希望者が増えている
今、新潟市内で起業を希望する人が増えています。これまで企業などに勤めていた人が、技術や経験、人脈を生かした起業を相談するケースが多く見られます。新潟市には、そのような起業希望者を後押しする制度があります。
新潟IPC財団への起業・開業相談件数
起業前後を手厚くサポート
起業に必要な資金は、多くの場合、金融機関から借り入れます。借り入れの審査では明確な事業計画が必要で、「どんな書類を準備したらいいのか」「資金がいくら必要か分からない」と悩む人が多くいます。
当財団では、起業支援の経験が豊富な専門家が、事業内容や販売戦略、資金計画などを一緒に整理します。起業後に経営などで悩んだ場合も、商品の見直しや事業再構築といった、個々の状況に合わせたさまざまな支援を行います。
新潟で生き生きとビジネスを
当財団は起業以外のビジネスの相談も受け付けています。事業を続ける中で感じる不安や疑問を一緒に解決できるようサポートしますので、気軽に相談してください。皆さんのアイデアが事業としてより良いものになり、新潟で生き生きとビジネスができるよう、これからも最大限の支援をしていきます。
ビジネスのことならどんなことでも相談を
※相談は事前予約が必要。
詳しくは同財団ホームページに掲載
日時 月曜から金曜午前8時半から午後5時半(祝日・休日、年末年始除く)
会場 NEXT21・12階(中央区西堀通6)
電話番号 電話:025-226-0550
新しいビジネスをにいがたで始める
自分の会社を設立
女性の視点で暮らしを提案
リフォーム
株式会社Livon舎(リボンしゃ)(中央区窪田町1)
代表 江部 咲子さん
プロフィール
昭和61年新潟市生まれ。市内の高校を卒業後、専門学校で建築を学ぶ。昨年9月に女性4人で同社を設立。2児の母で、休日は家族で過ごす時間を大切にしている
仲間と思い切って起業
幼い頃から負けん気が強く、「みんなと違うかっこいい仕事をしたい」と思っていました。大工や住宅工事の現場監督として働いた後、人の暮らしにもっと寄り添いたいと考え、リフォーム工事の営業職に転職しました。毎日現場に行き、頻繁にお客さんと顔を合わせて、不安を解消しながら工事を進めるのが私のこだわりです。自分の仕事に自信が付いてきて、私の考え方に共感してくれる仲間もできたことから、昨年思い切ってリフォーム業の会社を設立しました。
細やかな確認を大切に
起業当初は経営の知識が十分になかったので、会社の維持やお金のやりくりのことで悩み、どうしたらいいか分からなくなってしまいました。新潟IPC財団のことを知り相談に行ったところ、私たちに合う経営のやり方を丁寧に教えてもらえました。また、事業の方向性を一緒に具体化してくれたおかげで、今は自信を持って事業を進めることができます。
徐々にお客さんからの信頼を得られるようになってきて、最近は順調に仕事を頂いています。これからも細やかな確認を大切にしながら、より多くの人の暮らしの満足度を高められるよう、4人で頑張っていきたいです。
「お客さんとのちょっとしたことでも話せる関係づくりが大切だと思っています」と江部さん
事業内容の具体化を支援
新潟IPC財団では、起業を考えている人向けに、事業内容の整理に使える検討シートや、事業概要書の様式見本を用意しています。
※詳しくは同財団ホームページに掲載
海外で新事業を展開
コーヒーかすで新素材を開発
投資・経営コンサルティング
株式会社PNH(ピーエヌエイチ)(西区小新南2)
代表取締役社長
小木 將綱(まさつな)さん
プロフィール
昭和47年新潟市生まれ。市内の高校を卒業後、バドミントンの実業団選手を経て、平成12年に同社を設立。現在は国内外に7つの子会社を持ち、IT、美容、不動産などさまざまな分野で事業を展開している
マグカップを欧米で販売
私はこれまで、大きなビジネスチャンスを得るために多くの新事業開発に取り組んできました。ベトナムの子会社で新事業の立ち上げを検討していた時、コーヒーかすから環境に優しいプラスチックを生み出す研究に興味を持ち、3年前から現地の大学やベンチャー企業と共同開発を進めてきました。
コーヒーかすを35パーセント使用したプラスチックでマグカップを試作したところ、デザインやコンセプトが海外の顧客から好評を得ました。特に、ヨーロッパの大手自動車メーカーは、ショールームに来たお客さんに渡す記念品として商品を大量に購入してくれました。
国内でも事業を成功させたい
また、新潟IPC財団からさまざまなサポートを受け、国内の大手コーヒーチェーン店の担当者に商品を営業する機会を得るなど、将来の事業展開を描くことにつながりました。
今後はコーヒーかすの含有量をさらに高め、より環境負荷の低いプラスチックとして事業展開していきたいです。また、近い将来新潟に工場を作り、日本で廃棄されているコーヒーかすから国産のプラスチック素材を作りたいと考えています。
新しいプラスチック素材が国内外から広く認知され、当社のビジネスとしての成功はもちろん、新潟の活性化にもつながるとうれしいですね。
「今ごみになっているものを環境に優しい素材としてリサイクルすることに魅力を感じました」と小木さん
中小企業向けの支援制度を用意
新潟IPC財団では、独自の支援制度で、市内の中小企業の新事業開発や課題解決を支援しています。
※詳しくは同財団ホームページに掲載