会見インタビュー(2010年1月19日 ホテルニューオータニ東京)
1月19日、渡辺謙さんを招いて東京都内で安吾賞受賞者発表会を開催した。
会場には、第2回安吾賞新潟市特別賞受賞者のカール・ベンクスさん、角川グループホールディングスの角川歴彦会長など220人が参加。
席上、渡辺さんは「安吾賞には『空飛ぶカーペット』のような、自分を違うところにスッとスライドさせてくれるようなイメージがある。これからもいろいろな場所に、いろいろな人たちと出会うために、この安吾賞というカーペットに乗って空を飛んでいきたいと思っています」と受賞の感想を語った。
会場前には第1回からのポスターが並び来場者を迎える。 |
左から渡辺謙さん、篠田昭新潟市長、野田一夫選考委員長。 |
発表会場には報道各社が取材に訪れた。 |
角川歴彦さん<(株)角川グループホールディングス代表取締役会長・安吾賞推薦人>のお祝いスピーチに聞き入る渡辺さん。 |
角川歴彦さんお祝いスピーチ
『沈まぬ太陽』の初日、日比谷のスカラ座で謙さんが内緒で観客の中に混じって一人の観客として、皆さんと一緒になって初回上映を見てくださいました。謙さんはその後に、舞台で初日のあいさつ。例外的な素晴らしいメッセージをこの映画とそれから映画界に流していただきました。そういう情熱家の俳優・渡辺謙さんと、新潟と、それから角川…三題噺みたいな話をちょっと申し上げて、お祝いの言葉にしたいと思います。
旧大映を含む角川映画の2000本の中で代表作の一つに『天と地と』があります。謙さんに実は上杉謙信役をお願いし、もちろん謙さんも非常に喜んでいただいておりましたが、病気になられて突然の降板ということがありました。
そしてこの度『沈まぬ太陽』に出ていただきました。『天と地と』、そして今度の『沈まぬ太陽』と運命的なつながりを感じますし、そこに新潟というその土地柄が深く関わりあったということを感じて、非常に何か今日は偶然と言えない、偶然のつながりの必然みたいなものを今感じてこの席に立っております。
角川書店と新潟という坂口安吾のつながりで申し上げますと、角川文庫はもう創刊60年を越えますが、安吾さんは収録作家の代表的な方で『堕落論』も入って全19点、発行部数は439万部という膨大な数になっております。安吾さんには、出版人の角川としても足を向けて寝られないわけです。その安吾さんの賞を謙さんが頂いたことに、謙さんにお祝いと、それから新潟の皆さん、市長をはじめ皆さんに本当に心から感謝を申し上げます。
(受賞者発表会のスピーチを抄録)
新潟市特別賞 野坂昭如さんに授与
安吾賞受賞発表会の同日(1月19日)夕刻、東京都内で開催された「第6回新潟フレンズパーティー」において、今回の安吾賞新潟市特別賞を受賞した野坂昭如さん夫人の暘子さんから代理出席いただき、篠田市長が賞状と記念トロフィーを贈呈した。3月24日の授賞式は都合により出席できないことからこの日の授与となったもの。
暘子さんは、野坂さんから当日託されたという「本当にありがとう」との言葉を披露してくれた。
篠田昭新潟市長から賞状を受け取る野坂暘子さん。 |