サイチョプレス 令和5年10月1日 vol.77
最終更新日:2023年10月1日
食品ロス削減の地域の取り組みに注目!
02 フードドライブ
フードドライブとは?
家庭で余っている食品を集めて、食品を必要としている地域のフードバンク等の生活困窮者支援団体、子ども食堂、福祉施設等に寄付する活動のことです。
身近な Food Drive 01
北越高校の取り組み
社会とのつながり
北越高校 井田さん
きっかけは昨年9月の文化祭クラス企画でした。コロナ禍で色々な関わりが薄くなってきたことと社会貢献活動に取り組んでみたかったことから、当初はウクライナ侵攻への支援やフリーマーケットなどを考えていました。クラスで話し合う中で、地域と連携した取り組みをしてみようということになり「フードバンク」にたどり着きました。実施するにあたってフードバンクにいがたを訪問し、どのような活動をしているのか、どんな品目が喜ばれるのかを調査しました。
寄付を募るために、事前にビラを作って配布したり、ポスター掲示を行ったりしたほか、学内の放送でも呼びかけを行いました。当日は寄付が集まりやすいように「寄付したらフォトスポットで写真を撮れる」といった内容を盛り込んで、寄付する人も楽しみながら社会貢献活動ができるようにしました。
当日はコロナ禍のため生徒しか参加できない状況でしたが、保護者の方の勤め先で寄付を募ったものを持ってきてくれる生徒もおり、思った以上に寄付が集まりました。フォトスポットの作成に手間がかかり直前まで準備に追われることもありましたが、同級生が自発的に動いてくれたためなんとか形にすることができました。
文化祭の実績を踏まえて更なる展開をしようと思い、3月にも実施しようと決意しました。今度はクラスに限らず広く協力者を募集するため、他学年のクラスに出向いて声かけや説明会なども行いました。寄付を集める期間を決めて、各階でフードドライブ活動をしてみましたが結果は思ったようにはいきませんでした。
この失敗を活かして、6月の体育祭の時にはフードドライブ受付場所を玄関前に集約し、どこに行けば寄付できるのかを分かりやすくしました。文化祭とは異なり体育祭の時には保護者の方も校内に入れたため、学校の保護者宛一斉メール機能を活用してフードドライブの開催案内と寄付のお願い文書を送付しました。保護者の方からは、お子さんが小さいときに使っていたおもちゃや絵本、ランドセルなどの寄付が集まり、フードバンクにいがたから借りていたコンテナが足りなくなるほどでした。
フードドライブ活動を通じて、賞味期限を再確認したりフードバンクがどのような方々に品物を寄付しているのかを調べたりするきっかけとなりました。自分たちの活動で集めた品物を受け取る方の顔は直接見ることはできませんが、フードドライブを通じて日々の生活の視点が変わったと思います。今後は学内で次の世代にどのように引き継いでいくかを学校の先生とも相談しながら進めていきたいです。
体育祭後に集まったものをフードバンクにいがたに届けた様子
ARフォトフレーム
文化祭で配布した寄付を呼びかけるビラ
身近な Food Drive 02
潟マルシェの取り組み
コミュニティの絆を育む
株式会社U・STYLE 松浦さん
潟マルシェでのフードドライブ活動は、運営スタッフの一人から「子どもが生まれてから食べることの大切さを改めて感じた」と言われたことをきっかけに始まりました。
潟マルシェは鳥屋野潟公園で月1回開催しているローカルマーケットで、2018年からは「人にも社会にも環境にもやさしい」という考えのもとで開催しています。潟マルシェに出店している店舗の参加費の一部をフードバンクにいがたに寄付しており、潟マルシェのコミュニティとしてもフードバンクにいがたの活動に貢献できればと思います。
自宅や職場で余っている食品がありましたら、潟マルシェに出かける際にぜひ持ち寄っていただければと思います。
潟マルシェからフードバンクにいがたへ寄付
潟マルシェでのフードドライブの様子
集まった寄付品
身近な Food Drive 03
小針小学校の取り組み
小針の町をよりよくするために、私たちにできること
集まった食品をフードバンクにいがたに届けた様子
昨年度の総合の授業で「西区の課題を解決しよう」という大きなテーマを取り上げ、その具体的な内容を決定するために、西区長にお越しいただき地域の現状や課題についての話を伺いました。漂着ごみ、人口減少、食品ロスなどが取り上げられ、これらの中から児童一人ひとりが興味関心を持ったテーマを選択して調べました。
1年間学級で取り組むテーマについては、自分で選択したテーマに関するプレゼンテーション資料を児童一人ひとりが作成し、授業参観に訪れた保護者に選んでもらう方法で決めました。「西区のためになる取り組みか」、「協力しなければ実現困難な取り組みか」などの評価基準で採点・投票をしてもらった結果、学級で取り組むテーマとしてフードドライブが採用されました。テーマが決まった後はどのように寄付を集めるかについて話し合いを行い、児童の登校時に寄付を受け付け、給食時に当日の寄付量や品目とこれまでの累計を放送で伝えました。また、学外にも取り組みを広めるため、西区のスーパーや公民館にチラシを設置し、校区外の地域の方からも寄付が集まりました。
この取り組みを通じて、多くの児童が食品ロス削減に関心を持ち、フードドライブへの参加意欲を高めてくれました。
児童のコメント
全校や地域の方々の優しい気持ちのおかげで集まった食品が多くの困っている方の助けになることでSDGsの目標達成に少しでも近づいたならとても嬉しいです。
プレゼンテーションの様子
話し合いの経過
寄付を受け付けている様子
地域の皆さんに呼びかけたチラシ