下水熱の融雪利用
最終更新日:2018年3月5日
下水熱の特徴
下水の水温は、年間を通して安定しており、夏は気温に比べて冷たく、冬は暖かい特性があります。
この下水の水温と気温の差(熱エネルギー)を融雪に利用することで、省エネ・CO2削減効果が期待されます。
事業経緯
本市は、平成25年3月に「環境モデル都市」として選定され、低炭素型都市づくりを進めています。その一環として下水道分野においても、下水道が有する資源・エネルギーの活用・再生を行い、低炭素型都市づくりに取り組んでいます。
また、本市は冬季において、まとまった降雪による歩行者空間の確保が課題でした。
そこで、降雪時でもマンホール蓋上の雪が融けていることに着目し、下水熱が歩道融雪の熱源となる可能性について検討するために、平成24、25年度の2ヶ年にわたり、下水熱融雪システムをスポット的な融雪で試験施工を実施しました。試験施工で得られた知見を基に、平成26年度から、交通結節点である市役所前のバスターミナル整備に下水熱を利用した歩道融雪施設を取り入れ、積雪で分断されるバスターミナル待合所と歩道との連続性を確保し、公共交通の利便性向上を図ることを目的に事業を行いました。
事業年報
平成24年度 中央区西堀通8番町(美術館入り口バス停付近)の歩道で試験施工(A=2.5平方メートル)
平成25年度 中央区川岸町2番町(がんセンターバス停付近)の歩道で試験施工(A=4.9平方メートル)
平成26年度 中央区一番堀通町地内 市役所前のバスターミナル歩道融雪施設を整備 融雪面積(A=108平方メートル)
平成27年度 冬季間、歩道融雪の効果検証を実施
平成28年6月 平成28年度B-DASH予備調査事業 「下水熱および車道融雪の特性を考慮した下水熱利用融雪技術の研究」として、株式会社興和・積水化学工業株式会社・新潟市の共同研究体で研究事業を開始
平成28年9月 第9回 国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞) イノベーション部門 受賞
施工位置
事業概要
(1) 中央区西堀通8番町の歩道融雪施設
・管路内ヒートパイプ方式
・工事期間:平成24年11月5日から12月21日
・融雪面積:1.2m×2.1m=2.5平方メートル
・施設概要:試験施工では、融雪システムのなかで最もシステム構成をシンプルにすることができ、動力を必要としないヒートパイプを用い、かつ採熱しやすいシステムとして下水管内から直接採熱する下水熱ヒートパイプ方式で施設を整備しました。
(2)中央区川岸町2番町の歩道融雪施設
・管路内ヒートパイプ方式
・工事期間:平成25年11月15日から平成26年1月31日
・融雪面積:1.2m×2.1m=2.5平方メートル(1箇所)、1.2m×1.0m=1.2平方メートル(2箇所)
(3)市役所前のバスターミナル歩道融雪施設
下水道管の管底に採熱管を敷設する『管底設置型下水熱交換方式』を採用
工事期間:平成27年2月3日~6月30日
採熱位置:合流式下水幹線管 W2400×H1700ミリメートル
融雪面積:108平方メートル
採熱管延長:φ17ミリメートルポリエチレン管、100.8m (管内敷設長 50.4m×30ライン)
放熱パネル:ステンレス鋼管 呼び径15A
融雪能力:熱交換能力は13.3 kw(1時間当り1.49センチメートルの降雪深に対応)
同システムは、ヒートポンプの加温に頼らず下水から得られた熱のみで融雪するシステム
管底設置型下水熱交換方式とは
下水道管底に設置した採熱管内に不凍液を充填し、下水熱により温められた不凍液を舗装の下に埋設された放熱パネルにポンプで循環することで、舗装を温めて融雪を行います。また、雪を融かして冷たくなった不凍液を再び下水熱で温め、循環を繰り返します。
施設管理区分
融雪効果
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