市報にいがた 令和2年9月6日 2726号 1面から3面
最終更新日:2020年9月6日
スポーツで心と体を健康に
今号では、運動についての医師の言葉や、新型コロナウイルス感染症と向き合いながらスポーツと関わる人を紹介します。
問い合わせ スポーツ振興課(電話:025-226-2595)
「新しい生活様式」でスポーツを
新型コロナウイルス感染症が広がり、皆さまには外出自粛などにご協力いただき、誠にありがとうございます。この感染症による影響は長引き、心身の不調を感じたり運動不足などになったりされている方が出てきているとお聞きしています。
9月も後半になると暑さも和らぎ、スポーツに適した季節になります。皆さまにはスポーツを通じ、感染症による心身の疲れを解消し、気分転換を図り、体調を整えてお過ごしいただきたいと思います。
スポーツには、健康増進をはじめ、競技や観戦などさまざまな関わり方があります。
感染症が広がる中で対策をしっかり行いながら、各自それぞれのスタイルでスポーツを楽しみ、こうした時こそ心と体を健康にしていきましょう。
新潟市では、「新しい生活様式」に対応した安全・安心のもとにスポーツを楽しめる機会を提供し、多くの皆さまからスポーツの持つ力や素晴らしさを実感していただけるよう取り組んでまいります。
新潟市長
運動のポイント
県健康づくり・スポーツ医科学センター
医師 荒川 正昭(まさあき) さん
健康づくりの実践的な指導、スポーツについての科学的なトレーニング方法の指導や相談などを業務とする同センターのセンター長を務める。「にいがた市民大学」の学長などとしても活動
運動の大切さ
人間にとって体を動かすことは自然なことです。そのため、運動不足は体調不良の原因になってしまいます。
身体面では、体重増加や生活習慣病のリスクの増加、体力低下、関節の不調のほか、内臓や脳の機能低下を引き起こします。精神面では、運動したくてもできないことでストレスがたまるなどの悪影響が出ます。特に高齢者は、若い人より影響が出やすい傾向が見られます。
適度な運動は免疫力を高めることも分かっています。体を動かし元気に過ごしましょう。
運動のタイミング
「食事後に少し落ち着いて動きやすくなってから」がお勧めです。朝起きた直後や寝る直前はなるべく避けましょう。
適切な運動量
運動した後に「やってよかった」と心地よい疲労感が残るくらいを目安にしてほしいと思います。
運動を続けるには
生活リズムと前向きな気持ちが大切です。朝起きたら、まず外に出て深呼吸をしてみてください。晴れた日には、日光に当たって深呼吸をすると、体に「動くぞ」というスイッチが入って気持ちが前向きになります。
運動を続けるには食事と睡眠も大切です。栄養バランスの良い食事を3食、腹八分目を意識して取りましょう。睡眠は疲れがしっかり取れるように。
時間がない人は
歩くときに背筋を伸ばす、目線を真っすぐにする、腕をしっかり振るなど、日頃から意識するだけでもちょっとした運動になります。家事をたくさんしている人は、それだけでも十分良い運動になっていると思います。
最後に
新型コロナウイルス感染症の騒動を機に自分の生活を見つめ直し、運動不足だと思う人はぜひ改善してほしいと思います。
運動時のチェックポイント
体調をチェック
一つでも当てはまる場合、運動はしない
- 平熱を超える発熱
- せき、のどの痛みなど風邪の症状
- だるさ、息苦しさ
- 嗅覚や味覚の異常
- 体が重く感じる、疲れやすい、など
感染拡大予防の基本
次の項目を行う
- 十分な距離の確保
- マスクの着用(状況に応じて外す)
- こまめな手洗い・手指消毒
- 家に帰ったらまず手や顔を洗う
- できるだけすぐにシャワーを浴びて、着替える
運動の留意点
3つの密のうち、一つでも該当しないように注意しましょう
×密閉 ×密集 ×密接
例えば ウオーキング・ジョギング
- 一人または少人数で実施
- 空いた時間、場所を選ぶ
- 他の人との距離を確保
- 擦れ違うときは距離を取る
例えば 筋トレ・ヨガ
- 自宅で動画を活用
- こまめに換気
! マスクを着用したまま運動すると運動強度が上がることがあるので、速度を落とすなどの調整をしましょう。こまめに水分を補給する、屋外で人と十分に距離が保たれるときはマスクを外すなど、熱中症にも注意しましょう。
※スポーツ庁リーフレット「安全に運動・スポーツをするポイントは?」、環境省・厚生労働省リーフレット「令和2年度の熱中症予防行動」参照
簡単な運動などを紹介
市ホームページ
エクササイズやウオーキングなどの気軽にできる運動や、市内のスポーツ施設、健康についての情報を掲載
スポーツ庁ホームページ
自宅で、家族でできる体を動かす遊びなどを掲載
新型コロナに負けず創意工夫でスポーツを
新型コロナウイルス感染症の影響でスポーツ大会の中止や活動の自粛を余儀なくされる中、それぞれの立場で工夫しながらスポーツと向き合う人に話を聞きました。
競技 競技力の向上のために
県立新潟向陽高等学校
ボクシング部3年
河上 琉輝(るき) さん
全国高校選抜大会ピン級3位などの好成績を収めている。新潟市からオリンピック選手を出そうと実施している「にいがたスーパージュニア育成事業」の強化選手に選ばれている
新型コロナウイルス感染症の拡大により全国大会が中止となってしまったことが悔しいですが、今は前向きに練習に励んでいます。
外出自粛期間中は、自宅や屋外でシャドーボクシング、ランニングなどのメニューを「自分一人でどれだけ追い込めるか」を意識してこなしました。今までよりも強い精神力が付いたと思います。また、一緒に練習し競い合う仲間の大切さも改めて実感しました。
最近の練習は以前までの活気を取り戻しつつあります。オリンピックを目指す日本代表候補選手が集まる練習に、にいがたスーパージュニア育成事業の一環で僕も参加しました。レベルの高い選手と内容の濃い練習ができました。
ボクシングは3密になりやすい競技なので、使用後のグローブ、ヘッドギアの消毒、換気、休憩中のマスクの着用など、感染症対策を徹底して行っています。
進学をしてボクシングを続ける予定です。今年無くなってしまった大会への悔しさをばねにこれからも頑張っていきたいと思います。
道具をしっかりと消毒
健康 健康で豊かな生活のために
中央区在住
尾野 照雄(てるお) さん
定年退職後に体力維持のためにトレーニングルームやプールに通い始める。71歳で初めて新潟シティマラソン(フル)を完走し、その後毎回出場
以前はグループでランニングをすることもありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、今では人混みを避けて1人で走るようにしています。スポーツ施設が閉鎖されている間は、体力を落とさないように週に2回程度、新潟島を一周していました。
79歳ですが健康診断では毎年「異常なし」です。スポーツを通じて体力・健康維持はもちろん、達成感、充実感、人とのつながりを感じることができています。
みる 感動と興奮を共有。交流のために
北区在住
木村 彩恵(あやえ) さん
13歳の時、アルビレックス新潟の試合を観戦したことをきっかけにサポーターに。サポーター歴18年
アルビの有観客試合が再開されて「ビッグスワン」で観戦しました。入場時の検温や消毒、声援の規制など、徹底した感染対策がされている印象でした。会場では、以前は聞こえなかった選手やコーチの声、ボールを蹴る音などを聞くことができ、とても新鮮でした。
夢や感動を与えてくれるプロスポーツチームが身近にあることはとても魅力的なことだと思います。サポーター同士の交流から人の輪も広がりました。「新しい生活様式」に合わせて声援を送り続けたいです。
支える スポーツに親しめる環境づくりのために
施設での感染対策
(公財)新潟市開発公社
西総合スポーツセンター
小泉 智史(さとし)さん
皆さんが気持ちよく施設を利用できるよう、新潟市が定めるガイドラインに従い、感染予防策を実施しています。
施設が実施
- 定期的な施設の消毒、換気の実施
- トレーニングマシンを離すか機器の間にシールドを配置。利用者同士の間隔を2メートル以上確保
- 利用者が多いときには注意喚起のアナウンス
利用者へのお願い
- 受付時の検温とチェックリスト記入
- マスクの用意と可能な範囲での着用
- トレーニングマシンなど、機器の使用後の消毒
こんなこともスポーツ
じゃんけん遊び
じゃんけんで負けた人が勝った人の周りを1周走ったり歩いたりします。楽しく体を動かすことができます。
部屋の掃除
掃除機をかけたり床を拭いたりと、部屋がきれいになるだけでなくいい運動になります。利き手ではない手も使うようにすると、脳の活性化にもつながります。
皆さんも「新しい生活様式」に合わせて、気軽にスポーツを楽しみましょう。
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