新潟市若手料理人コンテスト受賞者・ファイナリストによる特別講義を開催しました

最終更新日:2025年1月15日

本市では、これまで若手料理人コンテストを4回開催し、次世代を担う料理人の発掘と育成を通じ、市産農産物の魅力を発信してきました。
令和5年度からは、若手料理人のさらに次の世代となる調理師専門学校の学生が、市産農産物の魅力や新潟の食文化を深く知ることで、本市の特色である「食と農」への理解を深め、未来への活躍につなげていけるよう、特別講義を開催しました。

若手料理人コンテストとは

次世代を担う料理人が日ごろ培った調理技術を披露し、評価されることによるレベルアップと、本市の農水産物の魅力を料理を通じて国内外に伝えることのできる優秀な人材を発掘することを目的に開催したコンテストです。
令和4年度のコンテストの様子は新規ウインドウで開きます。こちらをご覧ください。

講師一覧

料理人講師(令和6年12月現在)
講師名 勤務先等 講師紹介
高野 愛理 万代シルバーホテル 国際調理製菓専門学校を卒業。イタリアンレストランで勤務後、万代シルバーホテルに入社し、カフェ、洋食部門を経験し、現在は同ホテルのレストランで勤務。「新潟市若手料理人コンテスト2022」では準グランプリを獲得。
川又 真 A.C株式会社代表取締役 にいがた製菓・調理専門学校えぷろん卒業後、パティシエ、イタリア料理店料理長として活躍。2016年イタリア料理店「Atelier CHIANTI(アトリエ キャンティ)」、2020年「カヌレ ド キャンティ」をオープン。その他チーズケーキ専門店「チーズチーズチーズ」やかき氷専門店「イノーガニック」なども手掛ける。
「若手料理人コンテスト2021」グランプリ。
田中 梨桜 灯りの食邸 KOKAJIYA 新潟青陵大学卒業後、飲料メーカーに就職したのち、2021年よりKOKAJIYAに勤務し料理人の道へ。料理人2年目で挑んだ「新潟市若手料理人コンテスト2022」では、新潟の冬の食材を丁寧に調理し、新潟市から見える雪積もる佐渡と越後山脈をミルフィーユのように層に重ねた表現力、スパイスの配合や異なる食感が楽しめる工夫などが評価され、見事ファイナリストに選ばれた。
池田 将人 ホテル イタリア軒 新潟調理師専門学校卒業後、ホテルイタリア軒に勤務。「新潟市若手料理人コンテスト」2019・2022ファイナリスト。
トック・ドール全国大会出場、食育実践プランナーの資格も持つ。
研修でスペインを訪れた後、さまざまな生産者の話を聞くうちに「新潟の食を目当てに全国や世界の人々が訪れる街にしたい」との思いを持つ。その目標に向かい、現在は子どもたちに新潟の食のおいしさや生産者の思いを伝える活動にも力を入れている。
食文化講師
講師名 勤務先等 講師紹介
高橋 真理子 NPO法人にいがた食の図書館
理事長
出版社である「株式会社ニール」代表取締役。2024年2月に「NPO法人にいがた食の図書館」を設立し、理事長を務める。中央区本町通1番町にある「本間文庫にいがた食の図書館」の運営を行い、「のっぺ」をはじめとする新潟の食文化調査・継承に尽力されている。

特別講義の様子

国際調理製菓専門学校(令和6年8月27日)

就職してすぐの頃は、常にメモを取って家に帰ってからまとめる、という作業をしていたという高野さん。メモを整理しながら、いろいろなことを覚えていったそうです。また、「料理は何年たっても勉強の連続」といい、日々知識や経験を磨いています。おいしいものを食べるのも勉強の一つということで、学生時代はいろいろなお店に行かれたそうです。
新潟には、お米や野菜などおいしい食材がたくさんあり、地産地消を意識しているとのこと。直接生産者のところへ出向くことで、生産者の思いや食材の良いところを直接知ることができると話してくれました。食べる人に対し、料理を通して生産者の思いも伝えることができる料理人は、とても魅力的でやりがいのある仕事だと学生に伝えてくれました。

学生からの感想

  • 農家さんとも友好関係を築いていると聞き、おいしい料理を作るには、そういったことも大切なんだと感じた
  • 講義後個別にインターンシップの相談にのっていただき、自分の進路の目処がたった
  • 味や見た目、手順も考慮しながら地元の食材を取り入れた献立を考えることはたくさんの経験があってこそできることだと思うので、私もいろいろなことに挑戦して、学びを深めていきたいと思った
  • やってみたいことはやったほうがいいこと、興味を持ったらすぐに行動してみることが大切

にいがた製菓・調理専門学校えぷろん(令和6年10月23日)

料理人としての知識・経験が豊富なことはもちろん、複数店舗を手掛ける経営者としての立場も踏まえ、学生たちに想いを語ってくれた川又さん。学生時代から長期的な目標を持ち、それを意識することで頑張れてきていると話してくれました。「飲食店」というと長時間労働や、若い頃は同世代と比べると給与が低いなどの悩みもありましたが、自分が経営者になって、その環境を変えられるように取り組んでいると話してくれました。
料理人として、料理を作るだけに留まらず、生産者の思いを伝え、地域の課題解決につなげたいと話す川又さん。「新潟市は全国的に見ても農水産物が豊富にあるにも関わらず、広報がうまくできていない。生産者、消費者どちらにもアプローチしていける料理人を目指す」と学生たちに熱い想いを語ってくれました。

学生からの感想

  • 料理のこだわりや、自身のマインドの大切さなどポジティブに捉えることについて学んだ
  • 地元の食材や郷土料理を工夫したり、大会に出る場合にはそのストーリーを大事にすることがとてもいいと思った。自分も独立したいと考えているので、今回学んだことを生かしたい
  • キャリアアップのアドバイスが自分の中で刺さるものが多く、特に「利己よりも利他」という言葉が、自分が小さい頃から言われてきたことと似ており、これからも他者のために何かしていけるような人間になろうと改めて思った
  • 本来破棄されるような食材をおいしい料理にできる技術がすごいと思った

シェフパティシエ専門学校(令和6年10月25日)

昔から料理が好きだったが、仕事にしたら料理が嫌いになるかもしれない…と、大学卒業後別業界に就職していた田中さん。KOKAJIYAで食事をした際、料理だけでなく接客や雰囲気全てに感動し、「ここで働きたい」と感じた思いを行動に移しました。
調理師養成校には通っていなかったため、最初は従業員のまかないを作りながら、料理の知識を得ていったと話します。シェフが作る料理を見たり、いろいろな本を模倣したり、自己研鑽を行う毎日。その中で、料理人2年目に「新潟市若手料理人コンテスト」に挑戦しました。コンテスト当日は、自分が伝えたいことを伝えきれなかったり、練習不足も痛感したという田中さん。しかし、そのチャレンジのおかげで、市産食材の魅力に気づき、料理人の仲間も増えるなど、よい変化があったと話してくれました。
「自分のやりたいことをやり、自分に誇れる自分になる」という目標を持って人生を歩んでいる田中さん。これから社会に出る学生たちに、チャレンジしていくことの大切さを伝えてくれました。

学生からの感想

  • 「自分に誇れる自分になる」という言葉が心に響いた
  • これからの進路の不安を解消していただけるような話や、女性シェフならではの話をたくさん聞けて良かった
  • 季節の食材をどう使うか、料理人としての心構えや食べる人への気遣いを感じ、調理に対して改めて集中して取り組んでいきたいと思った
  • とても調理を楽しんでいると感じた。「やってみる」ということが大切なのだと思った

新潟調理師専門学校(令和6年11月21日)

高校生の頃、親せきにふるまったパスタをみんなが「おいしい!」と食べてくれたことがきっかけで、料理人の道を目指したという池田さん。料理人になった今も、お客さんからの「おいしかったよ」という声や笑顔がやりがいと話します。
研修でスペインを訪れた際、地元で採れる身近な食材を新鮮なまま味わえることが「高級」だとの言葉に感銘を受け、新潟の食材を大切にしているという池田さん。新潟にはおいしい食材がたくさんあるため、料理を通じて新潟食材の魅力を伝え、地産地消を進めていきたいと話します。
自身の休みの日にも生産者のもとを訪れるなど、「料理のことで頭がいっぱい」と話す池田さん。ひたむきに料理に向き合う姿勢や、地元食材への愛着や魅力発信などについて学生に伝えてくれました。

学生からの感想

  • 高級な食材よりも、その土地にある食材の方が価値があるという言葉を大切にしたい
  • 池田シェフの料理に対するひたむきさを強く感じた
  • 調理技術だけでなく、料理に対する思いが会話・質問を通して伝わってきた

盛付けに使用した食器

盛付けには、国の伝統的工芸品の指定を受けている外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。「新潟漆器」(外部サイト)を使用しました。

食文化講義

新潟県外出身の高橋さん。結婚を機に新潟に住み、新潟にある食材の豊富さ、おいしさに驚かれたそうです。
理事長を務める「NPO法人にいがた食の図書館」では、のっぺの調査・研究を行っています。一口に「のっぺ」と言っても地域によって呼び名や使われる食材、切り方が違うなど、新潟の地形と歴史が絡み合い、それにより生まれた食文化であることを教えていただきました。
また、のっぺのような新潟に古くから伝わる郷土料理が、若い人たちにとって身近でなくなってきているというお話もいただき、調理師を目指す学生たちに、ぜひ作って食べて、広めていってほしいとの思いを語られていました。

学生からの感想

  • 新潟県の食文化についてよくわかりました。私も調理師になる身として、食文化継承に貢献できるようのっぺを作れるようになったり、新潟に根付く料理を学びたいと思う
  • 伝統料理が年々消えつつあるという事実について、もっと私たちのような年代が興味を持って伝統を引き継いでいくべきだと感じた
  • 新潟の食材や郷土料理をいろんな人に知ってほしい。また、私たちからも広められれば良いと思う

講義後のアンケート

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このページの作成担当

農林水産部 食と花の推進課

〒951-8554 新潟市中央区古町通7番町1010番地(古町ルフル6階)
電話:025-226-1794 FAX:025-226-0021

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