にいがた共育通信 令和3年度 第95号
最終更新日:2022年1月21日
学校と地域を挙げてのおもてなし 「Have Fun! 英語で浴衣でまちあるき」(東地区公民館地域活性化支援事業)
東地区公民館が主催し、万代高校、沼垂小学校区コミュニティ協議会、NPO法人なじらね沼垂の協力を得て実施した、地域活性化支援事業「Have Fun! 英語で浴衣でまちあるき」を紹介します。
当事業は令和2年度にスタートし、今年度の開催が2回目となります。
1年目(令和2年度) コロナ禍での「地域活性化支援事業」に挑戦
「地域活性化(地域振興、まちおこし)」は、当市においても大きな課題であり、社会教育事業を実施する公民館でも重要な課題の一つです。
事業を企画するにあたり「地域活性化」に取り組むことが前提となりますが、「各世代や地域が抱える問題やニーズとは」「そもそも公民館ならではの地域活性化支援とは何か」などを把握することから始まりました。
一方で、コロナ禍で数多くの事業が中止に追い込まれている状況を考えると、事業の企画や運営は困難が予想されていました。
とんとん拍子で進んだ企画会議
企画会議を開催するにあたり企画委員を選定しますが、まず、様々な活動を通じて地域を熟知しておられる地域住民の方2名に依頼し、次に万代高校の地域教育コーディネーターに依頼しました。
この人選は、新潟市教育ビジョンで謳っている「学・社・民の融合」を意識しただけでなく、公民館事業に参加する10、20代の若者が少ないという公民館の課題解消も狙ったものでした。
会議では、「地域の課題」や「地域でやってみたいこと」について話し合い、次のような意見が出されました。
- 着物で沼垂のまちあるきをしたい。
- 生徒が地域に関わるきっかけを作りたい。
- クルーズ船で来航した外国人に着物を着せ、万代高校生に英語で観光案内してもらい、それをマスコミに取材してもらって、大々的に沼垂をアピールしたい。
- 対象者が外国人になるのであれば、日本文化を体験してもらいたい。
企画会議で出た意見をほぼ取り入れた結果、万代高校の生徒がガイドとなり、浴衣を着た外国の方々とまちあるきをしながら、英語で沼垂地域を紹介する事業「Have Fun!英語で浴衣でまちあるき」が企画され、開催日も令和2年9月13日に決定しました。
たくさんの人たちに支えられた「Have Fun!英語で浴衣でまちあるき」
準備を進める中で、解決に時間がかかる問題に直面したことも多々ありました。
しかし、「生徒が地域と関わる場」を学校が求めていたことや、協力者となった生徒達がPRチラシの作成や、英語でのガイド役を務めるために動き出していたこと、地域の方々もまちあるき活動の見守りや、浴衣の着付け等への協力を快諾されていたことなどから、もはや中止はできない状況と判断し、一つ一つ問題をクリアしながら事業の実現に至りました。
当日は雨天のため、晴れ間を見てまちあるきへ移行することにしました。外国の方々に新潟甚句による踊り体験や、抹茶を点てる体験、和楽器鑑賞など用意しておいた雨天時プログラムを楽しんでいただいてから、外国の方と生徒達の「雨でも歩きたい」という気持ちを尊重して雨降りの中まちあるきをしました。
天候には恵まれませんでしたが、様々な日本文化体験、短時間でも浴衣を着てまちあるきが出来たこと、万代高校の生徒達の精一杯の「おもてなし」に、参加者からは満足の声を頂きました。
更に事業に関わった生徒達からは「来年度も是非このイベントに参加したい。」「部活を引退するので6月には実施してほしい。」「時期がいつでも参加します。」等の声が寄せられ、大きな手ごたえを感じることができました。
2年目(令和3年度)の主役は高校生
1年目は多くの方々のおかげでコロナ禍でも無事に事業を終えることが出来ましたが、実施後の反省会では、「雨で待機時間が多くなり、参加した若者は時間を持て余していた。」等の意見が企画委員から出されました。
それらの反省点を踏まえ、2年目のテーマは、「雨でも楽しく、みんなで楽しむ参加型」に決定。
また、生徒達の事業実施への熱意に「生徒が企画出来ること」を学校と相談し、次のように決めました。
- まちあるきコースの設定とまちあるきプランの提案
- まちあるき中に出題するクイズの考案
- タイムスケジュールを含む詳細な行程の検討
地域の方達にも生徒の企画への意見の場を設けた結果、当初から学校が望んでいた「生徒と地域の方が関わる機会」が生まれることになりました。
「雨でも楽しく」の本領発揮
2年目は令和3年7月4日に開催。準備段階では曇り空でしたが、天候は徐々に悪化し、しまいには雨が降り始めました。そのため1年目と同様に雨天時のプログラムに沿って活動を始め、晴れ間を見てまちあるきに移行することとしました。
しかし、今年のプログラムは「雨でも楽しく」がテーマです。生徒たちの英語でのガイドに促され、浴衣を着た参加者は、抹茶を点てる体験、七夕の飾り付け、坊主めくり、新潟甚句の踊りなどの様々な日本文化を体験したり、沼垂の名所クイズに回答したり、班別対抗で実施したゲームを楽しんだりしました。小雨の中でしたが、まちあるきも行いました。
最後は記念品として、公民館の折り紙サークルが和紙で作った着物と切り絵のポストカードを参加者の皆さんへ贈呈。日本的な美しさに溢れた記念品を受け取り、とても喜ばれていました。
美味しい和菓子に溢れる笑顔
百人一首の“坊主めくり”で交流
大混戦を見せる、紙風船送りゲーム
これからも、人と地域を繋げていく「地域活性化支援事業」
2年目の事業は、思いのほか浴衣の着付けに時間が掛かり30分遅れてのスタートとなってしまいましたが、実施後のアンケートは好意的な意見が多く、2回とも参加した外国の方、地域、学校側からも「昨年度よりも良かった。楽しかった。」という言葉をいただき、企画委員共々喜びました。
また、取組の成果として、今年度で高校を卒業する生徒達が、来年度の参加を希望したことがあります。
彼らが先輩として後輩を支援し、ボランティアとして地域の方達と連携しながら参加者と関わることで、人と地域のつながりが生まれます。
まもなく3年目に向けての企画会議がはじまります。まだまだ課題はありますが、計り知れない可能性を持つ高校生や、地域の方々の温かいご支援をいただきながら、東地区公民館は地域の活性化に取り組んでいきます。
最後はみんなで記念撮影
なお、東地区公民館では、外国の方々に着て頂くための浴衣や帯等を集めております。不要な浴衣等をお持ちの方は、ご協力をいただけますようお願いいたします。
(問合せ先 東地区公民館 電話:025-241-4119)
「がん教育」について
小学校では昨年度から、中学校では今年度から「がん教育」が行われています。ここでは、「これからのがん教育推進について」をテーマに亀田中学校区で開催された「学校保健委員会」について紹介します。
亀田中学校区 学校保健委員会
11月に亀田東小学校で行われ、亀田東小の学校医、学校歯科医、学校薬剤師、PTA会長から出席していただきました。また、江南区健康福祉課の保健師、市教育委員会職員、亀田小、亀田東小、亀田中の校長、教頭と学校保健にかかわる職員の計20名で会合が行われました。
はじめに、今年度のがん教育実践報告として、亀田東小6年生、亀田中2年生の授業の様子が紹介されました。両校とも発達段階に応じた「がん」の正しい理解、予防について学ぶことを通して、健康と命の大切さを主体的に考える学習が行われていました。また、大切な人、身近な人たちが健康でいられるよう、学んだことを家庭や地域に発信する活動が組み込まれていました。今後も、小中学校で「がん教育」を系統的に取り組むこと、子どもたち一人一人への配慮を怠らないことが確認されました。
続いて、保健師から地域の保健福祉の実態の報告として、江南区の「特定検診」の受診率は市内で最も高いことが紹介されました。「がん教育」を受けた小学6年生が「がんに対しては早期発見・早期治療が重要です。がん検診を受けましょう」と呼びかけるポスターを作成し、区の健康福祉課を通して地域に掲示されています。学習の成果として「がん検診を受けましょう」という子どもたちの呼びかけが、地域の皆さんの「健康意識」のさらなる向上につながることが期待できます。
意見交換後、学校医から「今こうして生きていることのすばらしさを家族にも伝えてほしい」「優しさを育てる教育=がん教育であってほしい」「がんに対しても前向きな生き方がもてるようイメージを変化させてほしい」と激励の言葉をいただきました。
最後に、亀田中学校区では「がん教育」や「食」などを切り口にして、今後も「健康」をテーマに小中学校が連携して取り組んでいくことが確認されました。
まだ、緒に就いたばかりの「がん教育」ですが、各校の実践を集積する中で、すべての人を大切にしながらより効果の高い授業づくりを目指していきます。
亀田東小学校養護教諭による授業についての報告
教育委員会職員によるがん教育についての説明
(問合せ先 保健給食課 電話:025-226-3206)
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