特定建築物について
最終更新日:2022年5月26日
都市化や建築技術の進歩等に伴い現代の生活においては、大型ビル等の人工的でかつ閉鎖的な環境で過ごす割合が非常に多くなっています。このことから、建築物を維持管理により環境衛生上適正な状態に保つことは、人の健康を保持増進する視点から必要不可欠であると言えます。
特定建築物とは
- 多数の人が使用又は利用する大規模な建築物の維持管理に関する法律として、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(昭和45年10月施行。通称:建築物衛生法)があります。同法及びその政令において、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校等の用に供される建築物で相当程度の規模を有するものを「特定建築物」として次のように定義しています。
建築物衛生法第2条
この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第二条第一号に掲げる建築物をいう。以下同じ。)で、多数の者が使用し、又は利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいう。
※共同住宅は、法において例示されているが、維持管理が一義的には個人の責任に負う等の理由から政令では特定用途とされていない。
建築物衛生法施行令第1条
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「法」という。)第二条第一項の政令で定める建築物は、次の各号に掲げる用途に供される部分の延べ面積(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第二条第一項第三号に規定する床面積の合計をいう。以下同じ。)が3,000平方メートル以上の建築物及び専ら学校教育法(昭和22年法律第26号)第一条に規定する学校の用途に供される建築物で延べ面積が8,000平方メートル以上のものとする。
一 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館又は遊技場
二 店舗又は事務所
三 学校教育法第一条に規定する学校以外の学校(研修所を含む。)
四 旅館
建築物環境衛生管理基準について
- 建築物衛生法では、空気環境の調整や飲料水の管理等について「建築物環境衛生管理基準」を定めています。
- 特定建築物を維持管理する者は、この「建築物環境衛生管理基準」により、特定建築物を維持管理しなければなりません。維持管理のうち点検等の頻度や期間が規定されている事項を下表にまとめました。
維持管理項目 | 管理基準 | 備考 | ||
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空気環境の調整 | 空気環境測定 | 空気調和設備:6項目 機械換気設備:4項目 |
2ヶ月に1回 | |
ホルムアルデヒド | 新築、大規模な増改築を行った場合に測定(6~9月中に実施) | 基準値を超過した場合 ・低減化策に努める ・翌年再測定 室内空気中のホルムアルデヒドの量の測定器一覧 |
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点検 (冷却塔・加湿装置・空調排水受け) |
1ヶ月に1回 (使用開始時及び使用期間中) |
新潟市の指導 ・レジオネラ属菌検査:1回/年 ・薬剤の使用 |
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清掃 (冷却塔・冷却水管・加湿装置) |
1年に1回 | 新潟市の指導 ・使用期間中に清掃すること |
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飲料水・飲用・ 給湯・の管理 |
貯水槽の清掃 | 1年に1回 | ||
水質検査 | 定期検査 | 1年に2回 (16項目・11項目) |
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消毒副生成物等 | 1年に1回 (12項目6~9月中に実施) |
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遊離残留塩素の検査 | 1週間に1回 (給湯水では、末端給水栓で55℃以上の場合は省略可) |
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貯水槽の点検 | 1ヶ月に1回 | 新潟市の指導 ・頻度を規定(新潟市貯水槽給水施設の衛生管理指導要綱) |
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貯湯槽の清掃 | 1年に1回 | |||
雑用水の管理 | 水質検査 | 散水・修景・清掃の用に供する場合 | 1週間に1回 (pH・臭気・外観・残留塩素) 2ヶ月に1回 (大腸菌・濁度) |
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水洗便所の用に供する場合 | 1週間に1回 (pH・臭気・外観・残留塩素) 2ヶ月に1回 (大腸菌) |
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排水の管理 | 排水槽の清掃 (雑排水槽、汚水槽) |
1年に2回 | ||
清掃 | 統一的な大掃除 | 1年に2回 (日常清掃のほかに実施) |
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ねずみ等の防除 | ねずみ等の生息状況等の調査 | 1年に2回 (統一的調査) 2ヶ月に1回 (発生しやすい場所) |
各維持管理項目の基準値等については、「建築物環境衛生管理基準について(外部サイト)」をご参照ください。
建築物環境衛生管理技術者について
特定建築物の所有者等は、特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行われるように監督させるために「建築物環境衛生管理技術者」を選任しなければなりません。
建築物環境衛生管理技術者は、特定建築物の維持管理において中心的役割を果たす専門性の高い資格者であり、環境衛生上の改善が生じた場合は、所有者や維持管理の権原を有する者に対して意見を述べることができるとされています。
建築物環境衛生管理技術者の業務の概要は次のとおりです。
・維持管理業務に関する計画の立案
・維持管理業務の全般的な監督
・環境衛生上の維持管理に関する測定または検査の実施と評価
・各種改善事項に関する是正措置
・建築物環境衛生管理に関する図面、帳簿書類の作成・保存
建築物環境衛生管理技術者の兼任について
1人の建築物環境衛生管理技術者が2つ以上の特定建築物の建築物環境衛生管理技術者を兼ねる場合、特定建築物所有者等は、2つ以上の当該特定建築物の維持管理に関する業務の遂行に支障がないことを確認し、確認結果を記載した書面を作成及び保管しなければなりません。
書面に記載する具体的な項目は以下のとおりです。
・特定建築物所有者等の氏名
・書面を作成した年月日
・管理技術者の氏名、住所及び免状番号
・選任される特定建築物の名所、所在地、選任される年月日
・選任される特定建築物ごとの管理技術者として従事する時間
・管理技術者以外の業務がある場合は当該業務に従事する時間
・特定建築物所有者以外に維持管理権原者がある場合は、当該権原者の氏名及び意見を聴取した年月日
また、建築物環境衛生管理技術者を兼任する旨を届け出る場合、作成した書面を添付願います。詳細については、新潟市保健所環境衛生課までお問合せください。
建築物環境衛生管理技術者の資格については、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター(外部サイト)へお問い合わせください。
特定建築物の届出
- 特定建築物の所有者等は、次の届出用件が生じたとき、いずれの場合も1ヶ月以内に届け出ることとなっています。
届出用件 | 届出様式 |
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特定建築物を新築し、使用を開始したとき 増築や用途変更等で、既存の建築物が特定建築物に該当するようになったとき |
(別記様式第1号) 特定建築物届書 |
建築物環境衛生管理技術者に変更があったとき | (別記様式第2号) 建築物環境衛生管理技術者変更届書 |
特定建築物の届出事項に変更があったとき(建築物環境衛生管理技術者の変更以外) ・所有者、届出者に関する変更 ・建築物の名称の変更 ・主要な機械設備の変更 特定建築物に該当しなくなったとき |
(別記様式第3号) 特定建築物変更等届書 |
各様式のダウンロードはこちらです。
このページの作成担当
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