300年の歴史を誇る白根大凧合戦

最終更新日:2020年4月7日

人々の心が一つになる祭り、仏壇や鎌など伝統の技から生まれる工芸品。代々の技を習得し、伝えていくその陰には、さまざまな苦労があります。だからこそ、見る人に感動を与えます。先人の思いを受け継ぎ、後世に伝えていくエネルギー。それは南区の人たちが郷土を愛してやまない心なのです。この凧合戦は、江戸時代の中頃、中ノ口川の堤防改修工事の完成祝いに、白根側の人が凧を揚げたところ、対岸の西白根側に凧が落ち、田畑を荒らしたことに腹を立てた西白根側の人が、対抗して凧を白根側にたたきつけたことが、起源と伝えられています。このため、凧が相手側に向かって揚がる様に工夫して作ってあり、先人の技術に更に改良を加え現在に至っています。各組それぞれに特色があり、揚がり方や、掛け方に違いがありますが、組の伝統を守り、技術に改良を加え、一枚でも、多く合戦することを目的に、凧を作り、揚げています。

勝負の決め方

制限時間内で綱が切れなかった場合は引分けになります。また、引き合う前に凧が離れた場合を「ナキワカレ」といい勝負は認められません。ここに紹介した勝負は基本的なパターンの勝敗のつけ方です。実際の凧合戦では複数の組が一緒に掛かることがあり、その状況により勝敗数のつけ方が変わります。

優勝の部
期間中の通算勝ち数の多い組から順位をつけます。勝ち数が同数の場合は通算勝ち綱の長さが長いほうが上位になります。
技能の部
勝ち負けにかかわらず、期間中の通算勝負数(戦数)の多い組から順位をつけます。戦数が同数の場合は同順位となります。

勝負の楽しみ方

その1

川を挟んだ相手と揚げるタイミングを計ります。
最初に白根側の凧を西白根側の堤防めがけ揚げ、低空で相手を待ちます。

その2

次に西白根側の凧が上空から、相手の凧網を交差させ、真逆さまに水面に突っ込みます。
綱が絡み両方の凧が川に落ちたら、川の流れを利用して綱をより強く絡めます。

その3

さぁ!引合いの始まりです。力を込めて相手の綱を切るぞ!堤防の下まで綱を引く行列ができます。
互いの綱を引き合って、相手の綱を切ったほうが勝ちとなり、期間中の通算成績で順位を決めます。1年かけて作り上げた汗の結晶です。

その4

表彰式。凧作りと揚げ方の技術、チームワークが実を結び優勝旗を手にします。
合戦が終わった後は、凧の残骸の後始末です。みんなの魂が乗り移った凧に感謝して、丁寧に後始末をします。

凧の部位の名称と作り方

凧の部位

凧づくりの工程

元綱(モトイト)撚り

勝敗は綱の強さが最大のポイントで、麻の材質と撚り手の腕に掛かります。名人が日本製の麻を100日余りかけて、直径約2.5cm、長さ約130m、重さ40kgの綱を撚ります。綱の寿命は約5年ほどで、傷みの進み具合や、長さが短くなったときが、その綱の寿命となり新調します。新しい綱の1年目は新綱(アライト)と呼び、優勝を狙うチャンスです。新綱を作る経費は約200万円ほどで、各組とも永く使えるよう大事に扱います。

紙貼り

和紙324枚をレンガ貼りにして、縦7m、横5mの大凧サイズの紙を作ります。下図のように貼り合わせ、「のりしろ」で大きな紙に強度を持たせます。

骨割

真竹(縦骨)と孟宗竹(横骨)を、使う場所の太さに割って、長さを揃え節を削ったり面取りをします。

骨組み

骨を組む前に骨の曲がり方や、重さを見て骨の位置を決めます。これは凧が風を受けたときに、風を逃がす場所や風を受けて流す方向を作るためです。したがって、この作業は対岸に向かっていく凧を作る重要なポイントです。骨の太さで何番骨かを決め、1番太いものが1番骨になります。骨の位置を決めた後、それぞれの骨を緩まないようにしっかりと結びます。

下絵描き・骨付き

各組ごとに昔から伝えられた絵柄を継承し、薄墨を使い書き上げます。下絵を描いた紙と、組んだ骨を糊付けし固定します。

色塗り

鼻緒たて

白根の凧の鼻緒は凧を地面に置いたままで作る独特の方法です。対岸に向かうよう作った骨組みに、更に鼻緒で調整します。実際に揚げるときの風の強さや、風の向きで現場で再調整して最高の凧を揚げます。鼻緒のたて方により凧本体の角度を変えたり、組により工夫されています。鼻緒のたて方で凧を揚げるときの走るタイミングなども変わります。

R8白根大凧合戦戦績

各凧組紹介

大凧東軍

大凧西軍

巻凧東軍

巻凧西軍


景春組

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