白山小学校 実践報告

最終更新日:2020年3月19日

スタートカリキュラムの自校化について

 白山小学校では、校務分掌として幼保小連携部が設けられており、1学年担任、教務主任等で構成されている。平成29年度にスタートカリキュラムのモデル校に指定され、新潟市スタートカリキュラム(暫定版)を参考に、白山小スタートカリキュラムを作成した。3月の職員会議で提案し、平成30年4月より実施している。白山小スタートカリキュラムをもとに、5月1週までの週案も作成した。この週案には、週のめあてやボランティアや級外職員との連携についても記載されており、全職員と新1年生の保護者にも配布し、共通理解できるようにした。
 平成31年度には、簡単な4月の単元配列表を作成し、スタートカリキュラムで行う4つのタイムと各教科との関連を整理し、教科の学習に遅れがないように工夫した。白山小スタートカリキュラムは毎年見直しを行い、幼保小連携部が3月の職員会議で提案するという形で継続している。

取組の実際

スタートカリキュラムにかかわる取組

子どもにとって安心できる環境づくり

 入学式翌日、1年生が教室に向かうと、廊下に誕生日のようなかわいい飾りが付けられていた。教室の中に入ると机がグループごとに分かれていて、子どもたちは自然と友達の顔を見ながら、準備をしたり遊んだりすることができた。ゆったりタイムでは、自分のペースで朝の支度をしたり、好きな遊びを楽しんだりしていた。さっそく、新しい鉛筆を出して自由帳にお絵かきをする子、靴を脱いでお座りコーナーの算数セットで遊ぶ子など、幼稚園・保育園等の朝のような、ゆったりとした時間を過ごしていた。

子どもの主体性を伸ばす取組

 幼稚園・保育園等では、年長としてリードしてきた子どもたち。小学校でも、できることは自分でさせ、自信をもって行動できるように工夫した。登校後、黒板にやることが示してあり、子どもたちは、それを見ながらランドセルの片付けなどをした。その後は、自分がしたい遊びを自分で選んだ。給食や下校は、ボランティアの方に手伝ってもらった。そこでも、1年生が自分でできることは見守り、主に安全面や困っている子のサポートを頼んだ。また、「さすが1年生!」など、やる気がアップする声掛けもお願いした。
 1年生を迎える会では、縦割り班ごとに体育館に散らばっていた1年生が、一斉にステージに集まり、元気よくパプリカを踊った。これは、なかよしタイムでよく踊っていた曲であった。1年生が楽しそうに踊る姿を見て、上学年は「もう、こんなことができるの?!」と驚いていた。きちんと行儀よくさせるのではなく、園で慣れ親しんできた活動を生かし、1年生の興味や関心を大切にすることで、今までの1年生とは少し違うのびのびとした姿が見られた。

園との交流にかかわる取組

 2月に、八千代保育園と葵こども園の年長さんとの交流会を行った。白山小には、複数の園から子どもが入学して来るが、特に人数が多く、学校から近い2つの園にお願いした。1年生が、できるようになったことを発表し、その後は冬の遊びを一緒に楽しんだ。年長さんは、けん玉、お手玉、こま回しなど、いくつかの遊びの中から好きな遊びを選んで楽しんでいた。1年生にとっても、成長した自分に気付くよい機会になった。

成果と課題

スタートカリキュラムについて

 ゆったりタイムは、子どもたちが安心して1日をスタートできるよい時間であった。玄関で渋っていた子も、教室に来ると自然と遊びに参加した。このような時間と環境を設定することで、入学式翌日でも他の園から来た友達と進んでかかわる姿が見られた。一方、なかよしタイムは、何をしたらよいか分からず困ったという担任の悩みがあった。この時期に、園ではどんな活動をしていたのか、実際に見る機会が必要だと感じた。スタートカリキュラムを実施するにあたっては、目指す子どもの姿を共有することの大切さが見えてきた。白山小ではどんな1年生の姿を目指すのか、全職員で共有する場を設けたいと考えている。

園との交流について

 今年度は2つの園のみ交流したが、入学説明会などの機会を利用することで、実際に白山小に入学する子どもたちとの交流会も可能になる。どのような形の交流会がよいのか、今後も検討していきたいと思う。

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