水銀による大気汚染の規制について
最終更新日:2023年4月1日
1 水銀の規制について
地球規模での水銀汚染を防ぐための国際的な取り組みとして、水銀に関する水俣条約が平成25年10月に採択され、平成29年8月16日から発効されました。これを受け、大気中への水銀排出を防ぐための国内法として、平成27年6月19日に大気汚染防止法、施行令及び施行規則の一部が改正され、平成30年4月1日から施行されました。
水銀を取り扱う施設を設置する場合は、新潟市への届出、排出基準の遵守が必要となります。
規制対象となる施設
項 | 施設の種類 | 排出基準 |
|
---|---|---|---|
新設 |
既設 |
||
1 | 下記の基準を満たすボイラー(熱風ボイラーを含み、熱源として電気又は廃熱のみを使用するものを除く。)
|
8 | 10 |
2 | 下記の基準を満たすボイラー(熱風ボイラーを含み、熱源として電気又は廃熱のみを使用するものを除く。)
|
10 | 15 |
3 | 下記(1)から(4)のいずれかを満たす施設のうち、銅又は金の一次精錬用施設(注釈1)
(2)
(3)
(4)
|
15 | 30 |
4 | 下記(1)から(4)のいずれかを満たす施設のうち、鉛又は亜鉛の一次精錬用施設(注釈1)
(2)
(3)
(4)
|
30 | 50 |
5 | 下記(1)から(4)のいずれかを満たす施設のうち、銅、鉛又は亜鉛の二次精錬用施設、(5)を満たす施設のうち、鉛の二次精錬(鉛合金の製造を含まない。)用施設又は(6)の施設(注釈1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
|
100 | 400 |
6 | 下記(1)から(3)のいずれかを満たす施設のうち、金二次精錬用施設(注釈1)
(2)
(3)
|
30 | 50 |
7 | 下記の基準を満たす施設のうち、セメント製造用焼成炉
|
50 | 80 |
8 | 下記1から9のいずれかであって、火格子面積が2平方メートル以上又は焼却能力が200キログラム毎時以上の施設
|
30 | 50 |
9 | 水銀回収を義務付けられた産業廃棄物又は水銀含有再生資源を取り扱う施設 | 50 | 100 |
注釈1:専ら粗銅、粗鉛、粗銀、粗金又は蒸留亜鉛を原料とする溶解炉は除きます。
注釈2:原油精製工程から排出された廃油以外を取り扱うものは除きます。
備考1:平成30年4月1日以降に設置されたものを新設、平成30年3月31日以前に設置されたものを既設とします。ただし、既設であっても平成30年4月1日以降に施設規模が50パーセント以上増加する構造変更をした場合、新設基準が適用されます。
備考2:PCBとはポリ塩化ビフェニルを指します。
2 届出について
事前に届出が必要なもの
- 水銀排出施設を設置しようとするとき
- 設置している水銀排出施設の構造、使用方法や水銀の処理方法を変更しようとするとき
事後に届出が必要なもの
- 水銀排出施設を廃止したとき
- 水銀排出施設を設置している工場・事業場の名称や所在地の変更があったとき
- 届出者の氏名や住所(法人の場合は、名称、代表者氏名、主な事業所の所在地)について変更があったとき
- 届出者の地位の承継(相続、合併、分割)があったとき
届出内容の詳細は上記リンク先のページをご確認ください。
3 水銀濃度の自主測定義務
水銀排出施設は、下記の種類や規模に応じて水銀濃度の自主測定をして、その記録を3年間保存しなければなりません。
- 排出ガス量が40,000立方メートル毎時以上の施設:4月を超えない作業期間ごとに1回以上
- 排出ガス量が40,000立方メートル毎時未満の施設:6月を超えない作業期間ごとに1回以上
- 専ら銅、鉛、亜鉛の硫化鉱を原料とする乾燥炉、専ら廃鉛蓄電池又は廃はんだを原料とする溶解炉:年1回以上
4 その他(改善命令等)について
新潟市は水銀排出施設が排出基準に適合しない水銀を排出するときには、水銀排出施設の改善あるいは使用の一時停止を命ずることがあります。
5 要排出抑制施設
製銑の用に供する焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、製鋼の用に供する電気炉が要排出抑制施設に該当します。
要排出抑制施設は、届出義務や排出基準の規制対象外ですが、要排出施設の設置者は、排出抑制のため自主的取組として、単独又は共同で、自ら遵守すべき基準の作成、水銀濃度の測定・記録・保存等を行うとともに、その実施状況及び評価を公表しなければなりません。