ねずみ
最終更新日:2023年4月1日
住まいのねずみ対策
ねずみが家屋に侵入すると、感染症の媒介や食品の食害、住宅・設備機器等をかじることによる物損など
様々な被害を及ぼします。これらの被害を防ぐためにも日頃から家の周りを点検し、ねずみを家屋に侵入させ
ないことが大切になります。
住宅に侵入する主なねずみ
一般にねずみには山野に生息する野ねずみと、人家に出没する家ねずみがおり、家ねずみとは
ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの事を言います。
ドブネズミ
クマネズミ
ハツカネズミ
(写真提供:日本環境衛生センター)
ドブネズミ | クマネズミ |
ハツカネズミ | |
---|---|---|---|
体長 | 22~26cm | 15~23cm | 6~9cm |
体重 | 200~500g |
120~250g | 10~30g |
形態 | ・耳が小さく、尾が同より短い。 |
・耳が大きく、尾が胴より長い。 |
・耳が丸く大きい、尾は胴より |
行動 | ・下水管や側溝を利用した行動が |
・身軽で運動能力が高く、電線を |
・行動は敏捷で跳躍力、遊泳力に |
食性 | ・雑食だが特に動物質の物を |
・植物質(特に種子や穀類)を |
・植物質(特に種子や穀類)を |
生息箇所 | ・公園の地面、植え込み、下水管 |
・ビル内部の高い場所、壁の中、天井 |
・壁の中、天井裏、押し入れ、 |
警戒心 | あまり強くない。 | 非常に強い。 | あまり強くない。 |
寿命 | 約3年 | 約3年 | 1~1.5年 |
ねずみの習性
- ねずみは寒さが苦手なことと、エサの確保のため冬の時期になるとよく住居に侵入してきます。住み着いて、ずっと家の中で生活すると思いがちですが、ほとんどの場合、屋内と屋外を出たり入ったりしています。
- 基本的には夜行性で、ねずみの多くは夜間に活動しますが、人の気配がなく安全だと判断した場合は、昼間でも活動します。
- ねずみは視力が弱いことと、警戒心が強いことから、行動するときは部屋や通路の隅に体やヒゲを触れさせて行動し、同じルートを行き来します。
- 行動範囲は、クマネズミは半径約30mくらい、ドブネズミの場合にはもっと広いといわれています。
- 雑食性で、少量ずつ1日に自分の体重の1/3から1/4の量を食べます。エサを食べられない場合、寒い時期で1日、暖かい時期で4~5日で餓死します。
- ねずみは1日に0.5mmずつ伸びる歯を削るため、堅いものをかじります。また、隙間を広げ通りやすくするためにもかじります。
ネズミによる被害
衛生上の被害
- ねずみはさまざまな感染症(ねずみ由来感染症)を媒介します。ねずみ由来感染症は、人がねずみに咬まれたり、ねずみの体に触れることで直接的に感染する場合と、ねずみが排泄した糞や尿中に含まれる病原体が食品等を汚染し、経口的に取り込まれる場合があります。(レプトスピラ症、鼠咬症、サルモネラ症など)
- ねずみには体長0.5~1.0mmのイエダニが寄生し吸血しています。イエダニはねずみの巣にも多く生息しており、宿主であるねずみが巣からいなくなったり、死んだりして吸血できなくなると、吸血元をもとめて移動して人を吸血して激しい痒みと皮疹を引き起こす場合があります。
経済的被害
- 食品や食材を食害される。
- 建物、家具等をかじられることによる物損等。
- 家電製品のケーブルやPC関連のケーブルをかじることにより、短絡による機器の破損や火災、通信障害等を引き起こします。
精神的被害
- 天井裏を走ったり、ものをかじる音、知らない間に糞がある、姿を見ただけ、などでも不快感や恐怖感等 精神的苦痛を感じる場合があります。また、人によっては不眠症やノイローゼになることもあります。
防除方法
ねずみの防除方法には「環境的防除」、「物理的防除」、「化学的防除」がありますが、ねずみ対策の
一番の基本は「環境的防除」になります。「環境的防除」とは、ねずみが棲みつきにくい環境づくりを
することで、人や生活環境に影響が少なく効果が持続する対策です。
環境的防除
家に侵入させない
- ねずみ対策で重要なことは、建物への侵入口を特定し塞ぐことです。 ねずみの侵入口で代表的な箇所は、建物基礎の通気口や配線引込口にできた穴や隙間です。ねずみが侵入できる隙間の大きさは、子ねずみが1.5cmの幅(大人の指が第二関節まで入る広さ)、大人のねずみで2.5cm(500円硬貨位の大きさ)があれば十分と言われています。こういった個所を中心に家の周りを点検してみてください。
エサを食べさせない
- ねずみが家に侵入してくる一番の目的は食べ物です。ねずみは米、野菜、果物、乾物等人間が口にする食べ物のほか、ペットフード、固形石鹸、化学肥料、生花、球根等いろいろな物を食害します。これらねずみのエサになるものは蓋つきの容器に入れたり、冷蔵庫等にしまうなど管理を徹底し、ねずみにエサを与えないようにしましょう。
巣を作らせない
- ねずみは身近にあるティッシュペーパーや新聞紙、ビニール袋など何でも巣材として利用します。また、家の中が散乱していると、ねずみの隠れ場所になることもあります。 家の中は出来るだけこまめに整理整頓・清掃をおこない、ねずみに隠れ場所や巣を作らせにようにしましょう。
物理的防除
捕獲器を用いて捕獲・駆除を行う方法です。
ねずみは警戒心が強く環境の変化に敏感なため、普段と同じ環境で、同じ場所に数日間設置しましょう。
粘着版
- 設置が簡単で、後始末も楽な粘着版が室内における捕獲機の主流です。
- ねずみは部屋の隅を走る習性があるので、見かけた場所の壁際に設置してください。
捕獲かご
- かごの中にエサを仕掛け、おびき寄せて捕獲するタイプの捕獲機です。
- ねずみの通り道やよく見かける場所に仕掛けます。
保健所では左の写真の捕獲かごの貸し出しをしています。
(問い合わせ先:新潟市保健所 環境衛生課 電話025-212-8269)
化学的防除
殺鼠剤(毒エサ)を使用して駆除を行う方法です。
- 主に急性タイプと蓄積タイプ(市販品はこのタイプが多い)に分けられますが、どちらも一長一短があります。
- 他に食べ物があると殺鼠剤を設置しても食べてくれないので、殺鼠剤以外に食べ物がない状態で使用することが大切です。
- 殺鼠剤を食べたねずみは何処で死ぬかわかりません。屋根裏や床下で死んだ場合、季節によっては腐敗集がしたり、死骸から虫が湧く恐れもあるので、夏場の使用はおすすめできません。
殺そ剤の種類
抗凝血性殺そ剤(蓄積タイプ)
主成分:ワルファリン、クマテトリアル等
4~5日間連続して食べさせることで効果があらわれます。
急性殺そ剤(急性タイプ)
主成分:シリロシド、ノルボルマイド、リン化亜鉛等
一度に致死量を食べさせると数時間で効果があらわれます。
その他(蓄積タイプと急性タイプの中間型)
主成分:ジフェチアロール
一度の喫食で十分の効力を有しますが、効果があらわれるまで数日かかります。
成分名は包装に標記されています。
殺そ剤(毒エサ)の使用にあたっては乳幼児やペットが誤食しないよう、設置や保管には十分注意しましょう。
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