南区意見交換2

最終更新日:2015年12月28日

平成27年1月21日(土曜)午後

(1)

高齢問題と認知症対策について

(2)

学童保育について

(3)

スクールバスについて
(4) 子育て支援について

(5)

高齢者支援の予算について
(6) 空き家対策について
(7) 優れた工業分野のPRについて
(8) 新潟市のPRと企業誘致について

質問1

高齢問題と認知症対策について

発言者

 高齢者問題として、認知症が様々な問題を含みながら進行している。国では800万人の認知症サポーターを養成するとしている中で、地域での支援の拠点となる地域包括支援センターについて、課題が大きい割には機能が弱いのではないかと思う。私の所属している地域包括支援センターは、職員数わずか4名で懸命に様々なことを行っている。しかし、今後4名でどこまでやっていけるのか不安である。
 認知症対策として、全国で800万人のサポーターを養成することはそれほど難しい問題ではないそうだが、支援の質や中身、地域のことを考えれば、包括支援センターの人員をもっと増やすなど、機能を強化することが必要だと日々感じている。

市長

 認知症は高齢者問題の中でも、非常に大きな課題だと思っている。認知症サポーターとして手を挙げてもらえるのはとてもありがたいが、それに加えて地域が認知症に関心を持つことが非常に重要だと思っている。これから地域で医療、介護を受けられるように、住宅リフォームや小規模多機能施設づくりなどを国が本格的に進めていく中で、新潟市がその先頭に立つつもりで準備を進めている。
 介護保険制度の改革によって、要支援にかかるサービスの一部を市町村が担うことになる。専門的な知識が必要なところは専門的な機関が担うとして、地域のお年寄りの見守り、声かけ、あるいは買い物難民と言われる人たちの支援などは、地域の皆さんでも支援が可能であり、実際すでにコミュニティ協議会で取り組んでいるところが出ている。
 介護保険制度の改革に合わせ、地域割りをしながら在宅医療・介護の拠点を作っていく際には、今の地域包括支援センターの機能を強化することが一番の早道ではないかと思っている。一方で、地域で看取りまで行うような医療、介護、看護のチームも必要になるが、新潟市の場合は八区全てでチームが発足し、活動を開始している。しかし、細かく見れば区の中でも濃淡があるので、今後チームをよりきめ細かく立ち上げ、地域包括支援センターと結びつけていくことが非常に重要だと思っている。
 今、介護職の待遇はあまり良くないので、このままだと社会的に大変なことになると国にも申し上げているが、新潟市においては最終的に地域包括支援センターのセンター長になることが、介護職の誇り、あるいは看護職の誇りとなるようにしていきたい。地域包括支援センターをもっと強化し、本当の意味で地域包括のセンターになることが一番だと思う。今のセンターでそれができるかどうかも点検しながら進めていく。非常に重要な課題だと認識しているので、皆様とともに意見交換、地域での実践をお願いしていきたい。

質問2

学童保育について

発言者

 私どものコミュニティ協議会は、昨年度小学校の中で学童保育を立ち上げた。その際は初期投資も含めて市から全面的に支援してもらったが、今年度は初期投資が終わったということで、委託料が随分と削減された。私どもは地域の期待に応えるため、また、集団の中で順応が苦手な子どもも大勢かかえているため、公設の標準よりも手厚い手当てで人員を配置している。委託料の削減によって、現在、市の基準と私どもの体制が人件費の面で合わなくなっており、指導員の先生方にはそのことをご理解いただき低賃金で働いてもらっているが、何とかしなければいけないと思っている。
 それから、4年生以降の学童保育が法的に認められ、これまで以上に大勢の子どもたちが学童保育を利用することになると、物理的な面で頭打ちになる恐れも出てくる。そこで、これまでの保育の観点、福祉の観点に教育の観点を入れることで多様性を打ち出せないか。また、私どもにも財政的な支援を受けられないかと思っている。

市長

 放課後の学童保育は、現在二つの地域でコミュニティ協議会からやってもらっている。学童保育を市の社会福祉協議会が一括で担うのは手一杯で無理とのことなので、民間からも手を挙げていただき、いくつかの担い手が出始めてきたという状況である。
 社会福祉協議会の学童保育の指導員に関しては、最低賃金を若干上回るというような時間給でお願いしており、恐縮に思っている。これからは4年生以上も受け入れることになってもっと大変になるのに、この処遇ではなかなか人が集まらないという状況が現場で起きている。これは全国的に大きな問題であり、国にも新潟市の現状を説明している。
 教育的な観点を取り入れることについて、国は制度を移行させる中で、学校区という明確な方向を打ち出した。これまでは学校の中で空き教室が無ければ他でやらざるを得なかったが、今後は工夫して空きスペースを作るなど、学校側からも考え方を変えてもらいたいと思っている。
 また、ふれあいスクールは文部科学省、学童保育は厚生労働省がそれぞれ管轄しているが、利用者の立場を考えれば、一つにまとめてもっと子どもや保護者が安心して利用できるやり方ができないかと思っている。これについては新潟市の状況を見ながら、国に様々な提案をしている。

教育長

 ふれあいスクールは、放課後児童クラブのように毎日ではないが、各地域で週に1回から3回行ってもらっており、中には地域の方がボランティアで学習支援をしてくれているところもある。学童保育の中に教育的な面を取り入れることについては、社会福祉協議会とも相談しながらになるが、地域で何らかの支援をしてもらえるところにはぜひ取り組んでもらえるとありがたい。4年生以上も学童保育の対象になるということで、利用する子どもが増え委託にも物理的に限界があるというお話だが、学校の中で使える場所があれば教育委員会としても学校に働きかけていきたいと思うので、ぜひ一緒に学校を見させてほしい。

市長

 そういう面で今は移行期で、いろいろな部分でこのままでは事業を継続できないという面が見えている。そのあたりを国としっかり意見交換をしていく。また、子ども子育て支援をがんばるというのが国の方向なので、その方向に地方が動けるように、財政的な裏づけもしっかりとしていただきたいとあちこちから求めていく。

質問3

スクールバスについて

発言者

 当地区の小学校では、1年生から4年生まではスクールバスで通学しているが、5年生以上は徒歩となっている。冬の間は大雨とか雪が降ったりすると、保護者同士が連携を取って送迎しており、用事があって行けないときは緊急に誰かに頼むといった状況である。子どもたちのことや保護者のことを考え、子育て支援の一環として、冬期間だけでもスクールバスに乗せてもらうことはできないか。
 区の教育支援センターから本庁に話をしてもらったが、古くからの取り決め事がありできないと言われた。昔の話にこだわるのではなく、冬期間だけでも子育て支援を応援するようにお願いしたい。

市長

 スクールバスをもう少し拡充できないかというお話は、様々なところからいただいている。スクールバスは、学校統合などで学校がすごく遠くなってしまったなど特別な事情が発生した場合に、導入していることが多い。基本的には、学校統合に協力してもらった時の約束を尊重しているので、ご理解願いたい。

教育長

 冬期間だけでもとのお話だが、スクールバスは学校統合したときにこの区間だけという約束で導入されている。距離でいうと、4キロ以内であれば通常のところは徒歩で通ってもらうことにしている。特定の地区だけで良いですよとしてしまうと、別のところから不公平だという声が出てしまうので、その辺りはご理解いただきたい。

質問4

子育て支援について

発言者

 病気の子どもを預かってくれる病児保育室という、働く女性にとってはとても助かる施設があるが、南区にはない。ほかの区には1件ないし2件、それ以上あると思うが、どうして南区にはないのか。南区にもぜひ作ってほしい。

市長

 基本的には、協力してもらえる病院から手を挙げてもらう必要がある。南区にはないというご指摘なので、改めて南区で病児保育を行ってもらえるところがないか問い合わせをし、その結果について市長への手紙として回答させてもらう。

質問5

高齢者支援の予算について

発言者

 2年前に市から話があり、高齢者を地域で支えるモデル事業として、私どものコミュニティ協議会で「思いやりネット」を立ち上げた。予算を年間10万円ほどもらってやっているが、今後はどうなるか分からないという話である。継続するつもりで事業を進めているが、「手を挙げてやってください。じゃあやりました。でも先が分かりません。」では継続はできない。そのことについて、どのように考えているのかお聞きしたい。

市長

 基本的にコミュニティ協議会にお願いしたいことは、自主防災組織を含めた防災、防犯、そして、子どもや学校の支援、さらに高齢者を中心とした福祉に取り組んでいただけるとありがたい。介護保険制度が変わり、要支援のサービスの一部を市町村が担うことになったが、自分のところならお年寄りの見守りや声かけもこんなネットワークでできますよという素晴らしいものが出てくれば、コミュニティ協議会と協働して取り組んでいきたい。その時はコミュニティ協議会の負担を少なくしながら、高齢者福祉の質、中身を良くしていく。これからは、コミュニティ協議会にも役割を果たしてもらわなければならない部分が必ずあるので、お話のような「もういいよ」ということはあり得ない。今後さらに情報交換を密にさせてもらうので、ぜひともコミュニティ協議会の力をお借りしたい。

質問6

空き家対策について

発言者

 空き家が増えたように感じる。空き家対策について、どのような考えをお持ちかお聞きしたい

市長

 空き家対策については国でも動いているが、その土台として市でも条例を整備した。倒壊の危険がある空き家などについては行政として対応できるようにしていきたい。
 空き家の活用についても、これから本格的に取り組む必要がある。例えば、東区の紫竹にある「実家の茶の間」も元は空き家であったが、権利関係を整理して有効に使っている。これから移住を促進するときにも、上手くいけば空き家は財産になるので、権利関係が一軒一軒違って複雑ではあるが、リフォームできるものはリフォームして移住者を受け入れたり、あるいは地域社会で有効に活用したりすることなどを考えている。

質問7

優れた工業分野のPRについて

発言者

 子どもたちに対する農業体験、あるいは食のPR等を学校で行っているが、本市の優れた工業分野についてはほとんどPRされていないと思う。例えば、子どもたちが企業へ行って製品を見たり、製造の過程を見たりするなど、優れた企業を紹介することで、子どものときから地元の企業に対する愛着や良いイメージを育むことができるのではないか。大学へ行ってもまた地元に帰って来たくなるような、イメージ戦略が必要ではないかと思う。
 また、南区でも産業まつりが行われているが、農業の面だけではなく、工業分野についてももっと紹介、展示などしてほしい。

市長

 南区は農業の力が非常に大きいわけであるが、以前、中学生に地域でどんなことをやればもっと良いと思うかという内容で提案をしてもらったところ、農業に関することが非常に多かった。これはある意味では、農業について、南区では子どもたちがしっかりと誇りに思っているということだ。その土台の上で、企業、あるいは商店街も非常に大切になってくる。
 特定の企業というと学校の先生方は抵抗を感じるかもしれないが、中学校でどういう大人になりたいかというキャリア教育を行うときに、地元の企業でこんなすごい製品を作っている、あるいは世界を飛び回ってきた人が自分たちの地域にいるということで、そのような方々に先生役になってもらい、子どもたちに教える取り組みをしている例もある。地域の誇りはこのような企業、製品があることだと思ってもらえるよう、皆が納得して進めていくことが重要だと思う。子どもたちにどれだけ地域への愛着を持ってもらえるかが、若者の流出を抑制するための大変重要なポイントになるので、今のお話も踏まえて取り組んでいきたい。

質問8

新潟市のPRと企業誘致について

発言者

 新潟市は、政令市の中で1番とか2番が多くあり、全国的に見ても住みやすいまちだということが分かった。それなのに人が集まらないのは何故なのか。PR不足ではないかと感じている。
 若年層が戻ってこないのは、魅力的な企業が少ないことも要因の一つだと思うので、企業誘致を頑張ってもらいたい。新潟市の魅力のPRと、企業誘致との両輪で進んで行かなければならないと思う。

市長

 現在は、様々な面で新潟をPRできる素材、要素が出てきている。この夏に作った「にいがた自慢」というシティプロモーションは、東京のテレビ局でも紹介してもらい、11万件以上のアクセスがあった。先日も、NGT48の太野彩香さん主演で新潟暮らしを奨励するシティプロモーションムービーを作成し、大変な盛り上がりの中で試写会を行うことができた。NGT48、Negicco、小林幸子さんなど、新潟が生んだ、若しくは今も新潟で暮らしている素晴らしい人材を活用し、自慢できるものは大いに自慢していきたい。また、若年層が新潟市のことをダサいと思っている部分があるが、これもNGT48などの若い女性の力を活用しながら、払拭していきたい。
 企業誘致については、大きな工業団地はほとんど埋まってきた状況だが、区画整理などの機会も捉えながら、さらに本社機能や研究機能、工場なども誘致していきたい。魅力のある働く場を多く作っていくことは、若者の流出を止める最大のポイントだと思っている。地元にはこんなすばらしい企業があるということを、もっと進路、進学の先生にお伝えし、それが若者に伝わっていくようにするなど、新潟暮らし創造運動を本格的に展開していきたい。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
電話:025-226-2094 FAX:025-223-8775

このページの作成担当にメールを送る

本文ここまで