西区意見交換3

最終更新日:2015年12月11日

平成27年11月8日(日曜)午後

(1)

ものづくり企業の誘致と関連する道路整備について

(2)

子育て支援と非正規雇用について

(3)

地域と学校パートナーシップ事業について

(4) 地域と学校パートナーシップ事業について2

(5)

BRTについて

質問1

ものづくり企業の誘致と関連する道路整備について

発言者

 若者流出防止の観点から西区におけるものづくり企業の誘致と関連する今後の道路整備のあり方についてお聞きしたい。
 平成25年度の工業統計で製造業を見ると、8区全体を100として、西区は事業者数で7.1パーセント、従業員者数で4.1パーセント、製造出荷額が3.0パーセントであった。この統計からみても西区にはものづくりの工場がないと常日ごろ感じている。例えば、市が支援している航空機産業を誘致するための公有団地を黒埼のスマートインター周辺に考えるとか、企業誘致に関して何か具体的なことを検討されているのか。
 また、企業誘致には道路整備が大事であるが、西バイパスが曽和インターで止まっており、その先の田島交差点は事故が多く、慢性的に渋滞している。平成28年度には赤塚公園がオープンする。西バイパスの延長の見通しと周辺道路についての考えをお聞かせいただきたい。渋滞における経済的な損失と災害への対応も含めて考えると、早急な対策が必要と考えている。

市長

 企業立地やものづくりをさらにということであるが、新潟市の工業団地はかなり売れており、東港が若干と南区の白根第2工業団地、西蒲区の漆山工業団地などがまだ残っているという状況である。本市としては製造業を南区や西蒲区など、三条市や燕市と連携しやすいところを一つの重点にしていきたいと思っている。
 黒埼インター周辺とのお話について、可能性はあると思っている。区画整理などで土地の使い方を変えていくときに、今までは住宅団地プラスショッピングセンターが多かったが、将来人口を見れば今後は限定的になると思われるので、ものづくりの企業から来てもらうため、区画整理なども含めて積極的に対応していきたい。
 あわせて、道路も大事ではないかとのご指摘であったが全くそのとおりである。西バイパスは曽和まで来たので、国とさらなる延伸について話し合いをしているところだが、栗ノ木バイパスの紫竹山インター付近は非常に事故が多く、国としては最優先で取り組みたいとのことなので、まずはそちらを重点的にやってもらう。西バイパスの延伸については、その次の段階として積極的に国と意見交換していく。

質問2

子育て支援と非正規雇用について

発言者

 新潟市は出産・子育てについて、他市に引けを取らないというデータがあるが、子育て世代に伝わっていない現実があると思う。もう少しアピールしていく必要があるのではないか。
 また、先日、大学生と話す機会があったが、大学生の一番の心配事は正規雇用が非常に少なくなっていることと、毎年就職活動の時期が変わるのでやりにくいということであった。
 働く人の4割程度は非正規だと聞いたことがある。例えば、全国市長会や政令市の市長会でも、この点を改善するような方向で考えてもらわないと、安心して結婚もできないし、安心して子育てもできないと思う。

市長

 子育ての支援については、昨年から全国市長会で子育て支援の方向性を検討する会が作られ、私もメンバーになっている。国は、児童手当として現金給付で子育て世帯を支援しており、新潟市の児童手当の額は110億円にものぼっているが、世帯に直接支給されているので、本当に子育てに使われているのか誰も検証できない状況である。
 もし、この110億円を財源にして、現物給付という形でサービスが提供できれば、保育料は無料、幼稚園も給食費も無料、医療費助成は高校を卒業するまで無料になる。さらに重要な予防接種も無料にできる。110億円というのはそれくらい大きい金額なのに、若いお母さん、お父さんにはほとんど支援の実感がないと思う。基本的に、保育園や幼稚園は無料、医療費助成も高校卒業まで無料というのは、全国一律で実施されるべきであり、このことは国に強く要請している。それが実現すれば、自治体ではもっと創意工夫の子育て支援ができる。
 また、正規雇用が年々少なくなっているのではないかとのご指摘もそのとおりだと思う。先ほど、正規雇用率が新潟市は64.5パーセント、東京は53.1パーセントというデータを出したが、全国的には今後も非正規雇用が増えていくと思う。
 特に介護現場を志した方が、1年で続かなくなる、あるいは働き盛りの年代の方が人生設計ができなくてやめてしまうということは本当に残念である。
 やはりライフインフラの部分でしっかり収入が確保され、それが働くことの誇りにつながることが重要である。医療、介護、看護、教育、子育てという分野がライフインフラだと思うので、そこが立派な働く場になるように、国に制度を変えてもらう。国は介護職員の待遇を良くしたと言っているが、まだまだ土台が低すぎる。このあたりを全国市長会、あるいは指定都市市長会で要請していく。そうしないと、地方創生の土台が作れないことを現場の状況を踏まえて伝えていきたい。

質問3

地域と学校パートナーシップ事業について

発言者

 地域と学校パートナーシップ事業が始まって8年たち、地域の人たちにかわいがってもらった生徒たちも中学生になった。今年中学校に赴任された先生から、ここの生徒は大人のことを信用していますねと言われ、この事業の成果が出てきたと思った。大人が好きということは、自分も好きになるし、自分を大事にしたり、ひいては学力向上にもつながっていることを確信した。
 親や先生ではない大人にも大事にされた子どもたちは、一緒に地域で活動して自分の地元を好きになるし、様々な地元の問題に気づいて自分たちが何とかしたいという気持ちになる。そういう子どもたちが増えるのは、すごくいいことだと思う。
 このように成果が上がっているのも、市が事業として、教育ビジョンの中核に据えて取り組んだからだと思う。これから広がれば広がるほど新たな問題も出てくると思うので、引き続き、支援をお願いしたい。
 また、地域教育コーディネーターも何年も続けられないので、安心して次の世代に引き継げるような支援もお願いしたい。

市長

 地域と学校パートナーシップ事業については、ようやくデータ的にも成果が見えるようになってきた。地域と学校が結びつくと、学力も向上するということでは、秋田県や福井県が実践例となっている。子どもの学力では秋田か福井、その次に富山などの北陸が良く、新潟市もそのレベルに入ってきている。地域と学校をしっかり結びつけることは、学力の向上にもつながるということを、データとしてどんどんお届けしていきたい。
 限られた財源、限られた資源の中で、これからは選択と集中が重要になる。国では、地域と学校が結びついた良い事例を文部科学大臣が表彰しているが、この表彰制度ができて以来、毎年、新潟市の学校は2校受賞している。全国で100校程度表彰される中で新潟市が2校というのはとてもすごいことだともっと地域の方や市民に知ってもらうことも必要だと考えている。
 せっかく良いことをやっていても、情報が届かないのはもったいないことなので、アピール力をつけていきたい。子どもたちが大人を信用しているというのはすごいことであり、地域の方が声をかけ、温かく見守り、学校にボランティアとして入っていただいたことの成果であることを伝えていきたい。また、パートナーシップ事業は、持続可能なものにしていきたい。

質問4

地域と学校パートナーシップ事業について2

発言者

 地域と学校パートナーシップ事業について、延べの人数で、22万人がというボランティア数になったと聞いている。私は2年目から関わっているが、当初はなかなか理解されず苦労した思いもあるし、県外の先進校を見ながら、新潟市では何ができるのかを考えながらやってきた。行政の支援もあって、全小中学校に地域教育コーディネーターが配置され、これからもどんどん成果を出していくと思う。
 地域が活発化し、子どもたちの学力が向上し、良いことばかりだが、次世代へしっかり引き継ぐためには、次世代のボランティアが必要である。今の子育て世代の方たち、もっと若い方たちから、どうしたら手伝ってもらえるのか。また質を高めてもらえるのか。
 残念ながら、教育支援センターではセンター長が1年で代わってしまったが、少なくとも身近な教育支援センターの方や教育委員会の方たちはしっかりと腰を据えて、ある程度見届けられるような、相談相手になれるような体制を整えてもらいたい。
 待機児童ゼロも必要だが、子どもが少ないからこそ質を上げていくことも非常に重要である。教育はサービスではないので、教育をしていける現場を作るために、今後も、行政の支援をお願いしたい。

市長

 地域と学校パートナーシップ事業も皆さまからがんばっていただいてここまで育ったので、これから持続させていくことが重要だと思っている。パートナーシップ事業や教育ファームなどの施策について、教育政策監が軸になってくれたが、すごく大きかった。今、教育次長は新潟県から来てもらっているが、今後は自前の教育次長にしていきたい。また、市立高校の教員もそろそろ、新潟市で独自に採用していきたい。地域の良さやこの地域で住むことの誇りを皆さまと一緒になりながら、小学校、中学校と積み重ねてきても、高校になると手を離れてしまうような感じがしている。市立高校はこんなふうにやっている、成果はこうなったということを、3年後、5年後にはしっかりと言えるようにしていきたい。
 新潟市の教育ビジョンに掲げる「学・社・民の融合」は、いつまでも同じ方というわけにはいかないが、人事の面からも教育政策監や教育次長を新潟市採用とすることで、継続性を含め、示していくことが重要だと思っている。

教育長

 学校に期待される役割が多様化、複雑化しており、学校は教育の資質向上や様々な取組みをしているところだが、学校の教職員だけでは対応が難しくなっており、地域教育コーディネーターをはじめ、地域の皆さまのお力を借りて、総掛かりで子どもたちを育てていかなければならないと思っている。子どもたちが地域を支えて、地域と暮らしていこうと思うには、歴史や伝統や環境も大切であるが、やはり人が一番重要だと思っている。子どもたちが、地域の皆さまが自分たちを見守り、支えてくれている温かい気持ちを感じながら育つと、ここで暮らそうかとか、いずれ帰ってこようかという気持ちになってくれると思うので、皆さまと一緒になって、子どもたちを育てていきたいと思っている。

質問5

BRTについて

発言者

 BRTが導入されてからバスの本数が減り、とても不便になった。やらなければならないことも分かるのだが、新潟市は道路が狭いので果たしてBRTで本当にいいのかと個人的には思う。やるのであればいろいろな方の意見を聞きながら進めていってほしい。

市長

 BRTについては、スタートでつまずいたことに関して大変申し訳なく思っている。お話のように、地域によってはバスの本数が減ったところもあり、その背景として、新潟交通はこれまで、路線の廃止・減便を中心に考えてきたため、新しいダイヤを作るといった部分に、人材的なこともあり、エネルギーを向けられなかったのだと思う。例えば、高校生が学校の始業時間に間に合わないなど、素人が見てもわかるような部分もあり、これでは不十分なダイヤ編成だと言わざるを得ない。新潟交通にも利用者からいろいろな要望が届いていると思うが、市でも目安箱を設けたので、そういったところに寄せられたご意見も含め、12月16日からの冬ダイヤ改正で見直していきたい。
 新潟交通は、これまで要望を出してもなかなか聞き入れてもらえなかったが、今後は新潟市もパートナーなので、特に年度替わりに向けて、さまざまなご意見をお聴きし、データの裏付けも取れるようになったので、評価委員会でしっかりと分析し改善していく。年々改善を続けるが、特に前より不便になったという地域については早急に改善を進めたい。
 乗り継ぎ、乗り換えを生活習慣という形で定着させるまでには時間がかかると思うが、できるだけ利用者の負担が少なくなるようにしていきたい。西区の要望については、自治協議会などで話し合っていただき、お聞かせ願いたい。
 新バスシステムの導入によって、5年間、運行走行キロ数をキープできるので、区バスや住民バスの質的な改善にも取り組んでいきたい。階段が高くてお年寄りが乗れないようなバスも走っているので、そういった部分も改善していくことで、全体として持続可能な公共交通が実現できると考えている。

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