東区意見交換1
最終更新日:2016年1月25日
平成27年12月5日(土曜)午前1
子どもの貧困対策について |
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新潟スカイプロジェクトについて | |
新潟駅の高架化について | |
(4) | 学校の野外活動について |
空き家問題について | |
(6) | 災害時の避難について |
(7) | 特別支援学校への取組みについて |
(8) | 魅力的なまちづくりについて |
質問1
子どもの貧困対策について
新潟県立東工業高等学校の跡地を活用したまちづくりについて
発言者
我々の地域には小学校と中学校が二つずつあり、たくさんの子どもたちがいる。地域としては、教育というものを大切に、将来、日本を背負って立つ子どもたちの10年後、20年後そのものを作り上げていきたいと思っている。その中で、低所得家庭の子どもたちへの支援として、土曜日、日曜日に寺子屋的なものを事業としてやりたいと考えているので、市からの助成をお願いしたい。
また、新潟県立東工業高等学校の跡地について新聞報道があったが、地元のコミュニティ協議会として、跡地を活用しながらまちづくりを考えていきたいので、その点について、よろしくお願いしたい。
市長
子どもの学力というのは、魅力ある地域の条件として、非常に大きな部分ではないかと思っている。全国で、秋田県、福井県、富山県が学力も体力もトップ3と言われるが、現在、新潟市はそれと遜色ないところまで来ている。昨年は、国語小6Aは、秋田県を抜いて、全国の47都道府県にあてるとトップになったということも言えるようになった。子育てをするなら新潟市と言ってもらうための一つの要素は学力だと思っている。詰め込み教育ではなくて、さまざまな体験学習や総合学習などで学力が伸びてきている。
地域とのかかわりが強いところは、学力も強い。これが秋田県や福井県と共通したことなので、新潟市も一刻も早くそのような事例に入れてもらえるように、頑張っていきたい。
また、低所得家庭の子どもたちへの寺小屋的な事業についてであるが、まずは貧困の連鎖を断ち切るということが大事である。杉並区では土曜日の寺子屋「どてら」という非常に斬新な取組みをしていて、民間の学習塾や教育ノウハウのある方も加わり、受ける側としてはとてもありがたいことだと思う。
その新潟版として、今のところは個別指導という形で地域から取り組んでもらっているが、今後はグループ指導や場所の運営にも地域から携わってもらえると大変ありがたい。
東工業高校の跡地のお話であるが、これからは、県立高校の再編が大きなテーマになる。使われなくなった校舎を廃校のままにしておくのではなく、どうすれば地域の力になれるのか、新潟県と意見交換を密にしていきたい。
教育長
新潟の教育の特徴は、各小中学校と特別支援学校のすべてに地域教育コーディネーターを配置し、地域と一緒になって子どもたちを育てていることである。そのことが、子どもたちの学力が伸びていることに大きく関わっていると思っている。
時代も変わってきていて、なかなか学校、教職員だけでは対応できないことが多いので、今後とも地域の皆さまのご協力をお願いしたい。
質問2
新潟スカイプロジェクトについて
発言者
東区は新潟空港を持っているということもあり、航空機産業の育成に非常に興味がある。現在進めている新潟スカイプロジェクトについて、詳しくお聞きしたい。
市長
航空機産業については、川崎、三菱、IHIの三大重工業が系列グループを組織して、今までは大体そこで賄っていた。新潟県内では、ジャムコが村上市や胎内市で頑張っているというレベルだった。それが今、国産航空機MRJや、世界の航空機も次々と新機種が開発されており、三大重工だけでは賄いきれなくなってきている。そこで、できるだけ信頼できる企業群に部品づくりを任して、三菱ならMRJ、川崎ならプラット・アンド・ホイットニーといったように、世界の一流企業が発注するものに対応しないと取り残されてしまう。まさに航空機産業は新しい時代に入っている。
そのような中で、ノウハウも技術レベルも非常に高い首都圏の企業が新潟に来て、そこを中心として、西蒲区の漆山にエンジン関係の共同部品工場を作った。国から20億円近い支援を得て相当レベルの高い部品を作れるようになっている。これには三大重工グループも注目していて、国際認証を取ってくれればどんどん発注したい、という段階まできている。
また、南区では地元企業と首都圏から進出した企業が一緒になって、機体の共同部品工場を作った。現在、機材などを入れて本格的に操業へ向かう段階であり、こちらも一刻も早く三大重工から受注が確実にできるよう、国際認証を取れるところまで頑張ってもらいたいと思っている。
西蒲区、南区が、いわばホップ・ステップであり、ジャンプとして新潟空港の脇に航空機部品の産業基地、クラスターを作りたいと思っている。大きい航空機材の修理工場は無理だが、世界的に見ると小型ジェットなどはまだ進出が可能ということなので、航空機の部品を作るだけでなく、修理や整備士の育成といったことにも可能性が出てくる。そうなると新潟市だけではとてもできないので、新潟県と一緒になって、国ともしっかりとチームワークを組んで、日本が世界に食い込んでいくという一翼を新潟市が担いたいと思っている。航空機産業を新潟の21世紀の産業の柱の一つとしていきたい。また、三条市や燕市などは、ものづくりの力が非常にあるので、そことも連携すると新潟県の宝になる可能性も大きいと考えている。
現在は、進出した企業と地元企業のチームの力を伸ばそうと頑張っている段階であるが、これからも、いろいろと情報を発信しながら、空港を持っていることが大きな力になるよう努めていきたい。
質問3
新潟駅の高架化について
発言者
今年開業した北陸新幹線で、富山市や金沢市は非常に盛り上がっている印象があるが、新潟市にはそのような盛り上がりがなく、閉塞感が漂っていると感じている。その象徴的なものが新潟駅だと思う。現在、高架化の工事を行っているが、新潟を盛り上げるためにも、これから新潟駅がどうなるのかについて、もっと絵で見えるような形での発信をお願いしたい。
市長
新潟市は、暮らしやすさという面で、全国の県庁所在都市の中でも優れている部分があると思っており、このことについてデータを通じて市民にしっかりと届けていきたい。
また、暮らしやすさの見える化とともに、まちの活力や活性、勢いという部分も非常に大事だと思っている。北陸新幹線の開通でブームになっている金沢市に対して、新潟市はすでに上越新幹線を手にしているわけであるが、これを機会に沿線の地域と上越新幹線の活性化を図っていく必要があるし、新潟駅については、その拠点性を高めていく必要がると考えている。新潟駅は、現在、連続立体交差事業に取り組んでおり、国の予算の関係で遅れてはいるが、何とか平成30年度には、新幹線ホームと在来線が同一ホームで乗り換えができるようになる。そうなれば、庄内地方や県北との結びつきが大変に便利になるので、まずは何が何でもここが遅れないようにと国に要望している状況である。
それから2、3年すれば、次は駅が完全に上がって、南北が公共交通、バス交通でつながる。そうなれば、乗り継ぎ・乗り換えなしに南北がつながり、それが鳥屋野潟南部や古町、柾谷小路にも良い影響が出て、そこに東区などからもつながれば、新潟市の都市機能を大きなエリアの人たちが楽しめるようになるので、一刻も早くその段階に行きたいと思っている。
そういう未来図を分かりやすく市民に提示していくことが大事であるし、新潟駅はあらゆるネットワークの最大結節点になるので、ここに公共交通がどのようにつながっていくか、こちらも早めに提示していきたい。
質問4
学校の野外活動について
発言者
教育長にお聞きする。
小学校や中学校の子どもたちが大規模公園の清掃に来てくれていたが、2年前からぱったりとなくなってしまった。公園清掃は、4月から10月まで28回くらい行っていて、学校が土曜日も休みになった際に、2日間の休みのうち、1日は自治町内会の活動に参加するような形で、大勢来てくれていたのだが、学校が野外活動をやめてからほとんど来なくなった。
教育委員会が、安全面などを考えて学校に指示したものなのか。
教育長
教育委員会から出ないようにという指示をすることはない。学校は地域から支えてもらっているので、学校としても地域に何か協力できないかと校長先生たちもよく言っている。教育委員会としても、子どもたちが地域の行事やイベント、お祭りなどの活動にできるだけ参加するよう先生方からも声をかけてほしいというお願いをしている。
市長
おそらく組織的にこうしようというようなことはないと思っているが、学校も校長先生が一定の裁量権を持っているので、学力に集中するために良かれと思ってやっているかもしれない。
これまでは、学校を地域に開き、地域から支援される学校を求めてきたが、今の国の方向性や先進事例を見ると、もっと学校を地域に開き、学校が主役となる地域を作っていくというあたりまで、レベルを上げていかなければならないと感じている。そのためには、地域との連携が不可欠であり、また、この地域に生まれ、この地域で学んで良かったと中学生くらいまでに思ってもらわないと、Uターンも何もあったものではない。従来のレベルを超えて、もっと地域の皆さまと一緒に地域を作っていく。その核の一つが学校であることを校長先生が意識するように、研修などを通じて価値観として共有していきたい。
質問5
空き家問題について
発言者
空き家問題についてお聞きしたい。自分たちも市からの依頼を受け、町内の空き家を一生懸命調べて、1件でも空き家が解消できるよう取り組んでいる。
先ほどの説明の中で、空き家問題への対策としてリフォームが挙げられていたが、様々な問題を抱えた空き家もあるので、そのほかにも、もう少し踏み込んだ政策があるのかお聞きしたい。空き家問題を解決すれば、町内や市の活性化にもつながると思う。
市長
空き家は、全国的にも大変大きな問題であり、場合によってはその問題を解決すれば、地域の財産にもなり得るので、様々な取組みが出ているという状況である。
新潟市の場合、一番危機感を持っていたのは、人口がどんどん減ってきた合併地域で、特に西蒲区の越前浜は、空き家だらけになってきて子どもの数もどんどん減り、このままでは越前小学校は統廃合が必要という状況であった。
しかし、地域をあげて、空き家を解消したり、共有地のようなところを提供して安く住宅を建てられるようにしたり、そんなことを西蒲区と組んで始めたところ、10年近く経って、今では30世帯ほどが移住し、100人ほどの人口がそれによってキープされた。残念ながら、全体の減少までは止められないが、そういった取組みがなかったら、それこそ大変な減少になって、地域としても小学校の統廃合はしないとは言えなかったのではないかと思う。今は、子どもたちも次第に増え始めたという状況である。
そのような農村田園型の取組みも大いにやってもらい、一方では東区がまちなか型のモデルケースだと思っている。例えば、紫竹にあった空き家を「実家の茶の間」という形で整備したが、ほかの地域でも、空き家を地域の茶の間として活用したい場合は、権利関係を整理してもらえれば、市として率先して支援していきたい。まずは権利関係が整理できるかというところが、有効活用できるかの一番大きな決め手となるので、できるものについては、宅建協会などに照会のうえ物件として登録してもらい、何とか有効活用するというのが、まちなかでは一番良いと考えている。県や市の宅建協会も、そのような面では積極的に協力してくれるということである。
一件一件空き家になった背景が違うので、まずは民生委員などの地域の様々な情報を持っている方と一緒に回るなどして基礎調査を行い、空き家としての特徴をパターン分類して、一番手のつけやすいところは民間活力で照会をしっかりかけ、有効活用していく。一部は地域の茶の間のような形で、地域の絆づくりに活用する。市も権利関係がクリアできる空き家は、不動産関係者、あるいは法律に詳しい方と一緒になって、解決に全力をあげていく姿勢をはっきり見せたいと考えている。そのようなでは、モデル地域ということも必要かも知れない。
これからUIJターンを促進していくので、地域をあげて頑張るというところには、実績に応じてUIJターン活動支援金というようなものを考えても良いのではないかと思っている。従来の延長線のままではだめだという気持ちはあるので、全国の先行事例も活用して頑張っていきたい。
質問6
災害時の避難について
発言者
災害の避難に関していくつか要望したい。当コミュニティ協議会内は、非常に低い地盤の地域が多く、避難所まで500メートル以上の距離がある箇所が非常に多いので、津波避難タワーの設置をお願いしたい。また、新潟県立大学が避難所になっていないので、避難所に指定してほしい。もう一つ、ござれや阿賀橋のたもとに道の駅とあわせて防災倉庫的なものを集積してほしい。
東区は特に低い土地が多く、津波や洪水に弱いので対応策を確立してもらいたい。
市長
避難所については、地震の時は使えるが、津波や大水害の時には使えなくなる避難所があるので、まずはこの区別をはっきりと地域の方に認識してもらうことが土台だと考えている。
津波については、現在、新潟県が津波浸水想定の見直しを行っていて、中小河川の想定は若干遅れるようであるが、東区の場合はどうなるのか。あらためて、新しい津波浸水想定に基づいて対策を考えていく必要がある。また、現在、阿賀野川や信濃川の流下能力を高めるための工事をしていて、それにより掘削土砂が出ている。大河津分水もこれから本格的に河道掘削が始まるので、それらの掘削土砂の有効活用を含めて、ここに高台があれば、津波浸水想定に耐えられる避難地域になるというようなことも、地域の方々と情報交換しながら進めていきたい。
県立大学については、あらためて確認する。
ござれや阿賀橋の防災倉庫的な機能についても、県の津波浸水想定の見直しに向けて、検討していきたいと思う。
質問7
特別支援学校への取組みについて
発言者
現在、子どもの人口が減少傾向にあるということだが、知的障がい児の支援学校に入学する子どもたちは、増加の一途をたどっており、現在も教室が全く足りていない状態である。感情の起伏が強くなった時にクールダウンするための教室もなくなり、来年あたりには更衣室すら持てない状態になる。とにかくパンク状態で危機的状態というのが現状である。
このような状況を踏まえたうえで、特別支援学校に対する今後の取組みについてお聞きしたい。
市長
知的、あるいは情緒というような様々な問題を抱えている子どもは、どんどん増えているということについては、データでも確認している。
国は、今後子どもの数が減るので、それに合わせて教職員も減らすといっているが、とんでもないことで、現状を見れば、改善に集中していかなければならない。特別支援学校や特別支援学級、また、その補助員を含めて充実させていく必要があると考えているが、対応するスピードが遅すぎる、大変な子どもが増えているのに間に合わないというご指摘だと思うので、しっかりと特別支援学校の責任者からも話を聞いていきたい。
そして、特別支援学級と特別支援学校がそれぞれ良い方向になるように、子どもをどちらに入れるかという見極めも非常に大事なので、早期に対応していくことが一番重要と考えている。小学校にあがるときでは遅すぎるという部分もあるので、そういったことも含めて、きめ細かく情報をもらいながら取り組んでいきたい。
お話に合った実情を把握して、対応できるところから対応していきたい。
質問8
魅力的なまちづくりについて
発言者
魅力的なまちづくりということで、新潟市には様々な文化施設があるが、情報発信が弱い気がする。例えば、個人的に何か調べようと思っても、どこへ行けば系統的に調べられるのか分からない。昔からの神社とか、阿賀野川の流れが変わったなど一杯あると思う。また、過去にいろいろな人がいるのに、それもなかなか分からない。
もう一つ、シティマラソンやシティライドなどを開催しているが、あっという間に定員が満杯になるくらいなので、そういった新しいスポーツを通じて、魅力的なまちづくりをしていったらどうか。
市長
文化施設そのものも大事だが、どのような文化的・歴史的資源があり、どこに行けば分かるのか、ということも非常に大事だと思っている。今後、いろいろな方から新潟に来てもらおうとしている中で、例えば、外国の方が来て、このまちは何の情報も総合交流もないというと、そのことが全世界に発信されてしまう。こういった状況は一刻も早く改善しなければならないので、年度内にWi-Fiを主要な施設に整備する。外国の方が新潟に来た印象や、来て良かったこと、ここは今一つだったといったことをWi-Fiを利用して情報発信してくれるので、それを積み上げていくことも非常に大事だと思っている。
一方で、こちらからもお薦めの情報はこうですと発信する。その中に文化情報や歴史情報、東区のイベント情報などを入れていく。このアプリを使えば東区のいろいろな情報がゲットできるというようなことにも取り組む。Wi-Fiの整備は、国も新型交付金の対象にすると言っているので、来年度には、かなり実現できるのではないかと思っている。
スポーツをまちづくりにとのお話については、その通りだと思う。シティマラソンで人気のあるフルマラソンは、すぐ満杯になってしまうので、今年はフルの割合を多めにした。フルマラソンは、たくさんのボランティアの手を借りる必要があり、運営がしっかりとできないと評判が一気に下がるので、そのあたりの兼ね合いを見ながらハーフとフルの割合を変えた。シティライドも大勢の方に参加いただき、枠が満杯だったものもある。弥彦山を一気に駆け上がるヒルクライムもあっという間に満杯になるので、しっかりと運営できる能力を地域とともに高めつつ、だんだんと拡大していく方向に進みたい。
また、シティライドやシティマラソンのときに、新潟へ行ってみよう、日本へ行ってみようという海外の方もけっこう出始めている。今年のシティマラソンには、台湾から大勢走りに来てくれたし、走っている方の応援にも来てくれた。インバウンドを増やすうえでも非常に有効だと分かってきたので、そのあたりも含めて頑張っていきたい。
区長
新潟市の歴史については、「みなとぴあ」にいろいろな資料が揃っている。みなとぴあの館長は、東区が取り組んでいる「歴史浪漫プロジェクト渟足柵(ぬたりのき)」の探索のリーダーであり、東区とも連携しているので、もしよろしければ、私から館長を紹介したいと思う。
東区には、様々なすばらしい遺産がある。北国街道が通っていて、源義経も、松尾芭蕉も来たそうだ。東区長になってから、市民と一緒に様々なところを歴史浪漫プロジェクトのツアーでめぐったり、地域のいろいろな歴史に詳しい方の話を聞いたり、本当に楽しい思いもして、東区としては西区や西蒲区に負けていられないと思っている。東区にも北国街道があったというようなことについて、きちんと残していくことを区長として取り組んでいきたい。東区の文化遺産を探し出して、それを残し、それを発信するという仕事を、皆さまにも一緒になってやってもらいたいと思っている。
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