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第358号(令和4年3月6日)1ページ目

最終更新日:2022年3月6日

令和3年度 西蒲区男女共同参画地域推進員企画事業
これからの人生を豊かにする終活を考えてみませんか

問い合わせ 地域総務課企画・文化スポーツグループ(電話:0256-72-8102)

終活について考えたことがありますか。将来誰もが自分の事になる終活について、角田山妙光寺の前住職である小川英爾さんを講師に招いて話を聞きました。この事業を企画した西蒲区男女共同参画地域推進員と、本事業のアドバイザーであるNPO法人扉の指田祐美さんが小川さんから聞いた内容を紹介します。

講師紹介

角田山妙光寺 前住職
小川 英爾さん

必ずしも後継者を必要としない墓「安穏廟」を永代供養墓として、平成元年全国に先駆けて開設。散骨・樹木葬など墓の形や、家族葬など葬送が変化するきっかけになった。以来30年間、墓と家族の問題を各地で講演。

男女共同参画地域推進員

男女共同参画社会の実現に向け、市と連携して活動。本事業を企画。

西蒲区男女共同参画地域推進員

  • 小島 貴子さん(写真左手前)
  • 高木 一人さん(写真左手前から2番目)
  • 廣川 吉浩さん(写真右端)

本事業のアドバイザー

  • 指田 祐美さん(写真右から2番目)

小川さんとの対談の様子

終活はいつ始めるべきか?

高木さん(推進員)

定年退職など仕事を辞めてすぐでは、終活はまだ早いとも思いますが、避けられないことでもあります。早めに始めるべきでしょうか。

小川さん(講師)

私の場合、65歳で住職を引退しました。夫婦で少しのんびりしようと言っていたところ、50代の妻に胃がんが見つかり、2年後に他界しました。
立場上、たくさんの遺族の悲嘆を見てきています。そこで、自分たちの時はどうしたいか夫婦で話し合っていたのです。1周忌を終えた今、寂しさはありますが悔いはありません。何か吹っ切れた気もします。人の死亡率は100パーセント。人生長い人、短い人いろいろです。
妻に先立たれた夫は3年、その逆の場合妻は21年生きるとの話もあります。最近の若い世代は変わってきましたが、今の高齢者世代は夫が残されると毎日の食事からごみ出し、近所付き合いなど困ることだらけ。また、男性は退職すると一気に世界が狭くなる。昔のような地域や親戚との交際も減りました。その点女性は男性と違い、役職や肩書がなくても周囲に溶け込みやすい。一般的に妻の方が長生きすると思い込んでいる男性が多いのですが、男女共に寿命が延びた今それは間違いです。男性は妻に先立たれることも想定しないとなりません。

終活における男女の違い

小島さん(推進員)

終活において、男女の違いはありますか。

小川さん(講師)

終活ノートが一時期ブームで、県内でも市民に配布する自治体が増えています。でも、実際に書いている人は5パーセントほどで、女性の方が多いといわれています。お墓や葬式の事前契約などの相談で、私のところへ来る人も女性が多いです。
女性は結婚で生家を離れ、姓が変わる人が大半の現状です。家を出る、家族から離れることでいわば自立の覚悟ができる。また、妊娠時は自分の一部だった子どもが、産まれ、成長する課程で別離を実感する。男性にはありません。だから女性はもしもの時にどうなるか、考えるようですね。

終活は縁起が悪いことではない

高木さん(推進員)

家族と話すことも大事ですよね。

小川さん(講師)

自分の終わり方について家族と話し合うことは、決して縁起が悪いことではありません。むしろ積極的に、正月やお盆などの際に話してはどうでしょうか。病気によっては病状説明を直接聞きたいか、胃ろうを望むか、延命措置はどうするか、もしもの時の連絡先名簿など、健康なときにこそ、その時点の自身の希望を伝えておくと家族はとても助かります。
本人と家族は延命措置をしないと決めてあったのに、遠方の親戚が来てもっと治療をすべきだと言って聞かなかったという話はよくあります。私の妻のときも、ある時点で本人と同居の私たちが相談し、効果も望み薄なら辛い抗がん剤はここで止めると決めました。ところが県外の娘たちが納得しません。主治医が代わって説明してくれたのですが、しっかりした話し合いのもとで本人の意思が固まっていたからできたことでした。

空き家について

廣川さん(推進員)

周りに空き家が目立つようになってきました。私の家も将来どう処分すべきか悩んでいます。

小川さん(講師)

以前は○○家先祖代々といった“イエ”が社会の単位でした。今は法律も変わり個人の時代です。そのため“イエ”が続かず、家屋も守られなくて放置されてしまいます。人口の都市集中もあります。その結果、空き家の増加が社会問題となっています。地域の土地利用や税制といった制度面の課題もあるので、解決には行政の力が必要です。
一方で核家族化も進み、新しい住宅が次々と建てられて、人口が減少しても世帯数は増加傾向です。西蒲区には築100年といった、いわゆる古民家がたくさんあります。これからの時代、これらをリフォームして住む考えもあってよいのではないでしょうか。越前浜や角田浜ではこうした取り組みが活発です。ローンを抱えての家の新築も難しい時代が来ます。空き家を所得の低い人たちに安く貸して、貸主・借主双方に喜ばれている団体も全国で生まれています。こうした知恵をどんどん広めるべきだと思います。

家族と意思疎通を

指田さん(アドバイザー)

お墓についてはいかがでしょうか。

小川さん(講師)

少子化によって、家族の墓を継承していくことが難しくなりました。当然、墓の形も変わってきます。私が全国に先駆けて、跡継ぎを必要としない墓を作ったのもそのためです。

指田さん(アドバイザー)

妻が夫の家の墓に入りたくないというケースもあるようです。

小川さん(講師)

土葬の時代の墓は1人1つでした。それが火葬が普及した明治時代後半から、家に1つになったのです。現在の法律では、入る墓は本人の意思で決めることになっています。もめたら慣習で決める、ともあるのですが。法的には財産相続は「遺言書」、葬儀や墓の希望は「祭祀相続の指定」と分けられています。
ですが、たとえ自分は散骨してほしいと家族に伝えていても、家族は慣習を優先して墓に入れるかもしれません。結論だけでなく、「なぜそうしたいのか」という思いの背景を伝え、家族の希望も聞きながら話し合うことが大切です。家族の判断材料を残しておくということです。双方の納得が、今の安心と死後の安らぎにつながるのだと思います。もしものときにあなたはどうしてほしいか、家族はどうしたいか、意思疎通が明確になっていること。それが終活の最も重要な部分です。

 

終活に限らず、「もしも」に備えるノート『おもいをしるす』(西蒲区自治協議会作成)を地域総務課の窓口に設置しています。
終活の第一歩として、区役所に来た際はぜひ持ち帰って活用してください。

冊子「おもいをしるす」の写真

西蒲区データ

人口 54,968人(−75) 世帯数 20,770世帯(−4) 男 26,641人(−33) 女 28,327人(−42)
※1月末現在の住民基本台帳。カッコは前月末比

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