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第364号(令和4年6月5日)1ページ目

最終更新日:2022年6月5日

地域伝統の「わざ」を伝える
西蒲区 なりわいの匠

問い合わせ
この記事の取材内容に関すること

 地域総務課 広報・文化スポーツグループ(電話:0256-72-8102)


「なりわいの匠」に関すること
 産業観光課 農政・農業振興グループ(電話:0256-72-8407)

 

「なりわいの匠」は、新潟県の農山漁村体験のインストラクターであり、農山漁村地域の暮らしの中で培った「わざ」を活かした体験交流の指導者として、新潟県知事が認定しています。西蒲区内にも、地元で採れる材料を使った加工品や、地域に伝わる工芸品・郷土料理づくりなどの匠に認定された人たちがいます。今回は第2弾「なりわいの匠」を紹介します。

 

米こうじづくり・おこわ・団子・大福
小林 金一さん

小林金一さんの顔写真

 

小林さんはもともと米農家としてお米を販売していましたが、平成12年からおこわや笹団子、ちまきなどの加工品の販売も行うようになりました。現在は団子や大福、米こうじなども作るようになり、販売種類を増やしお客さんのニーズに応えてきました。平成21年に「なりわいの匠」に認定された小林さんは、美味しい状態で皆さんに食べてもらいたいとの思いで、午前2時半から作業を始めるそうです。現在は巻や岩室、燕市など計7か所の直売所で販売しています。今年の春には、直売所で甘酒や米こうじを無料配布し、顧客層の拡大に努めていると言います。
米こうじ作りは3年前から始め、最初の頃は上手くいかず大変だったようですが、失敗を重ねていくうちに、こうじ菌が繁殖しやすい適温が分かるようになったと言います。小林さんは「何回も失敗したからこそ、自信をもって販売できるまでに成長できた。」と照れながらも話してくれました。こだわりはコシヒカリで米こうじを作ることで、お客さんからは「小林さんの作った米こうじは甘い」と言われることが多く好評だそうです。
小林さんは毎日かかさず作業するため、体調には人一倍気を付けており、「家族を幸せにするためにまだまだ頑張っていきたい。」と真剣な眼差しで語ってくれました。

 

大福を包んでいる写真 おこわの写真

 

米こうじ作業工程

1日目

お米に種こうじを撒いている写真

1. 米を蒸して冷ました後、種こうじを撒きよく混ぜ1日寝かせる。

 

2日目 朝

1日寝かせたお米の写真

2. 2日目の朝、米のかたまりを1粒ずつばらばらにほぐす。

 

2日目 夕方

お米のかたまりをほぐした写真

3. 同日の夕方にもう1度、米のかたまりをほぐす。

 

3日目

米こうじを包装している写真

4. 3日目の朝【完成】

こうじ菌の菌糸が米に根付いた状態になり、米こうじの完成!

 

そば打ち
大久保 直樹さん

大久保直樹さんの顔写真

大久保さんは長年、岩室村役場で勤務していました。退職後、高校時代の友人がそば打ちの先生をしていることを知り、その先生からそばを学び、平成23年に「なりわいの匠」の認定を受けました。コロナ禍以前は、県内外の友人を20人ほど招き、手打ちそばをふるまっていたそうです。現在、大久保さんは毎年行われている新そばまつりに参加しています。新そばまつりは、巻地域で生産された新そば粉を使い、会場で打った茹でたてのそばを食べることができるイベントで、大勢の人でにぎわいます。
大久保さんは、そばを一番美味しい状態で食べてもらうことがこだわりで、作り置きはせず、時間管理を徹底していると言います。打ちたて・茹でたてのそばは、こしがあり喉ごしの良さが自慢とのことです。そば作りを通して会話が盛り上がれば良いと思い、そば打ちを始めた大久保さんは、「また友人を招いてそばを振る舞える日が来ることを楽しみにしています。」と話してくれました。

 

延ばし

生地を延ばしている写真

打ち粉を振りながら麺棒で中央手前から押し出すように、1ミリから2ミリの薄さになるまで丁寧に延ばします。

 

切り

生地を切っている写真

駒板を押さえ、駒板に沿って包丁をスライスさせるように生地を切ります。

 

二八そば

二八そばの写真

そば粉8に対して強力小麦粉2の割合で打つ二八そば。そばちょこも大久保さんの手作りで、竹を切り加工し作ったそうです。

 

野菜・漬物作り
笹川 フミ子さん

笹川フミ子さんの顔写真

結婚を機に巻地域に移住した笹川さんは、平成16年からご自身で育てた野菜を使った漬物の販売を始め、平成20年に「なりわいの匠」に認定されました。現在はズッキーニ、ナス、ダイコン、ジャガイモ、タマネギなど多くの野菜を育てており、給食センターにも出荷しています。ズッキーニは1個500グラムから600グラムの大きなサイズのものも含め200キロ程度出荷する月もあるとのことです。また、この地域でズッキーニを大規模で育てている農家が珍しいことから、県内外から小学生がズッキーニの収穫に訪れたことがあるそうです。「収穫や給食をきっかけに、こどもたちがズッキーニを大好きになってくれた。とても嬉しくやりがいを感じた。」と笑顔で話してくれました。
1人で多くの野菜と漬物を作るため、体への負担が大きくならないよう、合理的に作業することを心掛けているそうです。「お客さんからの『早く笹川さんの漬物が食べたい。』という言葉が励みになる。まだまだ作り続けていきたい。」と語ってくれました。

 

ズッキーニ・カブ・キュウリの漬物の写真

ズッキーニ・カブ・キュウリの漬物。採れたての野菜をすぐに漬けるので新鮮です。

 

ピンクレディを作っている写真 ピンクレディを作っている写真

カブを酢と砂糖と食紅でピンク色に漬けた「ピンクレディ」。カブのビタミンと酢の健康効果を得ることができることから、女性に人気の商品だそうです。甘めな味付けも人気の秘訣です。



西蒲区データ

人口 54,703人(−70) 世帯数 20,821世帯(+34) 男 26,526人(−19) 女 28,177人(−51)
注記:4月末現在の住民基本台帳。カッコは前月末比

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