令和3年2月16日 市長定例記者会見
最終更新日:2021年2月18日
市長定例記者会見
期日 | 令和3年2月16日(火曜) |
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時間 | 午前10時00分から午前11時18分 |
場所 | 新潟市役所(本館3階 対策室) |
発表内容
- 1.「選ばれる都市 新潟市」 ~ ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり ~ について
- 2.にいがた未来ビジョン第4次実施計画について
- 3.令和3年度 当初予算案について
- 4.令和3年度 主な組織改正(案)について
質疑応答
配布資料
にいがた未来ビジョン第4次実施計画(PDF:1,645KB)
令和3年度当初予算編成について(別冊)(PDF:1,519KB)
市長記者会見動画
令和3年2月16日開催記者会見の動画(クリックすると録画映像をご覧いただけます)(外部サイト)
発表内容
1.選ばれる都市 新潟市 ~ ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり ~ について
おはようございます。よろしくお願いします。
本日は、新年度当初予算案につきまして、説明させていただきます。
恐縮ですが、はじめに、お配りしました資料「選ばれる都市 新潟市 ~ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり~」(PDF:4,814KB)について説明させていただきます。
今年度、全力をあげて新型コロナウイルス感染症への対応を行ってまいりましたが、首都圏などに発令されております緊急事態宣言の期間、また、新潟県が発令している警報期間のいずれも延長となるなど、いまだ新型コロナウイルスの収束は見通せない状況です。
今後も引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先としつつ、喫緊の課題である経済社会活動の再興に向け全力で取り組んでまいります。
一方で、このような状況であるからこそ、いつか必ず終わりが来るコロナ禍の転換期を見据え、新しい未来を切り拓くため、ウイズコロナ・ポストコロナ時代におけるまちづくりの方向性やビジョンを市民の皆さまにお示しすることが私の責務であると考え、このたび、「選ばれる都市 新潟市~ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり~」という、私のまちづくりにかける思いをまとめさせていただきました。
1枚おめくりください。目次のページにありますように、最初に『2 これからの「まちづくり」の基本的方向』ということで、本市のまちの成り立ちをふまえた上で、「新たな都心軸の誕生」、「8区のネットワークの深化」、「国・県と連携した拠点化プロジェクトの推進」の3つの区分で基本的方向をまとめています。
次に「3 ウイズコロナ・ポストコロナ時代 選ばれる新潟市」では、この基本的方向のもと、「選ばれる新潟市」を実現していくため、「暮らしやすいまち」、「訪れたいまち」、「ビジネスを展開するまち」の視点で柱建てし、お示ししました。
では、2ページをお開きください。『2 これからの「まちづくり」の基本的方向』についてです。
本市の拠点性は、主に戦後から1980年代にかけて、産業や交通のインフラが整備されることで高まってきました。一方で、近年は北陸新幹線開業で金沢市や富山市が脚光を浴びる中、本市の成長が足踏みを続けざるを得ない状況にあったことも事実だと思います。しかし、ここにきてデベロッパーや投資家の視線が再び本市へ向き始めていますので、このタイミングをとらえて、攻勢をかけていくことが重要であると考えています。
次に、こうした私の考えを具現化する重要なカギを、これからの「まちづくり」の基本的な方向として、3点お示ししています。
まず1つ目が「新たな都心軸の誕生」です。3ページの図で示した都心エリア「にいがた2km(ニキロ)」では、新潟駅周辺整備が着々と進んでおり、2023年度には、JR(ジェイアール)新潟駅舎や新しい万代広場がその全貌を現す予定です。このように新しい都心軸が誕生し、大きなまちづくりの転換期となります。
次に5ページの図をご覧ください。基本的方向の2つ目、「8区のネットワークの深化」についてまとめたものです。
江戸期の新潟湊の豊かな経済は、大阪や今の北海道とつながる湊と、全国屈指の田園地域を網の目のように結んだ物資往来の舟運ネットワークにより生み出されました。
こうした関係性は、令和の時代の本市にも生きていると考えており、都心と8区を結ぶ「事業ネットワーク」こそが、今後の発展のカギとなると考えています。
都心エリアが、人・モノ・情報が集積するプラットフォームとしての役割を果たし、そこに集まる事業者が、8区の多種多様な人材・事業者・地域資源・農水産物と出会い、つながり合うことで、都心と8区を結ぶ広大な「事業ネットワーク」が誕生する可能性が大いにあるものと考えています。この「事業ネットワーク」による連携・協業が新たな価値を創造し、新たな価値が都心を通して広く発信されていくことにより、新潟市が国内外に注目されていくものと期待しています。
3つ目の基本的方向は、「国・県と連携した拠点化プロジェクトの推進」です。これまでも、本市は新潟県とともに拠点性を高めるべく、国内外との人流・物流ネットワークづくりに力を注いできました。コロナ禍の中であっても、引き続き国や県と連携し、拠点化プロジェクトを進めることが重要であると考えています。
6ページから10ページまでは、今ほどの基本的方向をふまえ、ウイズコロナ・ポストコロナ時代に「選ばれる新潟市」を実現していくために、本市をどう進化させるかについて記載いたしました。
12ページにその概念図を掲載していますのでご覧ください。
まず、図の左側です。コロナ禍によって人々の価値観や企業の意識が変化する中、人口が集中している都市部と、自然豊かな田園地域が共存していることで享受できる本市の「暮らしやすさ」が大きな優位性となって浮かび上がってきています。
そのため、私はこの転換期を的確にとらえ、本市の暮らしやすさをオール新潟体制でアピールしていくとともに、さらに住民福祉の向上を図ることで、「暮らしやすいまち」として選ばれる新潟市を創っていきたいと考えています。
次に、図の右側です。新たな都心軸の誕生を契機として都心エリア「にいがた2km(ニキロ)」の拠点性をさらに高めるとともに、「食」と「農」といった本市の強みを最大限活かし、都心エリアと市内8区の企業や人材が「事業ネットワーク」によって結びつき、協業や変革が生まれることによって、経済活力と雇用や新たな価値を創造し、「訪れたいまち」、「ビジネスを展開するまち」として選ばれる新潟市を実現したいと考えています。
以上が、これからのまちづくりにかける私の思いです。この思いの実現に向けて、すぐに実施できるものについては新年度予算案に計上し、取り組みをスタートさせていきます。
あわせて、来年度から令和4年度にかけて進めていくものについては、「にいがた未来ビジョン」で目指す3つの都市像を実現するため、令和3年度、4年度における具体的な取り組みや工程、指標を示して策定した「第4次実施計画」(PDF:1,645KB)の中に盛り込んでおり、本日資料を皆さまにお配りしております。
さらに、中長期的な方向性については、令和5年度から計画期間となる新たな総合計画に反映させていきたいと考えており、来年度から策定作業を進める中で、さまざまなご意見をお聞きし、よりよいものにしていきたいと考えているところです。
2.にいがた未来ビジョン第4次実施計画について
それでは、次の資料「にいがた未来ビジョン第4次実施計画」(PDF:1,645KB)について説明をさせていただきます。第4次実施計画は、令和3年度・4年度の2か年計画として策定いたしました。平成27年度から8年後の未来を見据えて策定した「にいがた未来ビジョン」の総仕上げとなる最後の実施計画となります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、土台が大きく変化した分野もあるため、こういった社会の変化を的確に反映させ、「にいがた未来ビジョン」で掲げた8年後の未来の姿の実現を目指すとともに、ウイズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、「選ばれる新潟市」を目標に、都市と田園が調和する本市の魅力を活かしたまちづくりを進めていくための計画として策定いたしました。
それでは、この計画のもと編成した「新年度当初予算案」につきまして、主要施策を中心に説明させていただきます。
3.令和3年度 当初予算案について
はじめに、新年度予算案の基本的な考え方です。
お配りしてあります資料「令和3年度当初予算編成について」(PDF:2,930KB)の1ページをお開きください。
令和3年度は、本市が持つ強みを活かし、将来に向かって明るい未来を切り拓くため、市民の安心安全な暮らしの実現を図りながら、次世代のための新しいまちづくりを前進させていく年となります。
感染拡大防止対策をしっかりと行った上で、経済社会の再興、人口減少社会への対応、拠点性の向上といった重要課題への取り組みと集中改革の推進による持続可能な行財政運営を両立しつつ、「第2期新潟市まち・ひと・しごと創生総合戦略」と「にいがた未来ビジョン」の3つの都市像に掲げた取り組みを一体となって推進し、未来に向かって活力ある新潟市を実現します。
まず、1つ目の都市像「安心協働都市」では、希望する方が結婚できるよう、結婚に伴う新生活への支援を拡大するほか、地域で結婚を応援する取り組みを進めるなど、出会いから結婚までを切れ目なくサポートいたします。
安心して子どもを産み育てられるよう、こども医療費の通院助成の対象を高校生までに拡大し、子育て世帯の負担軽減を図るほか、男性の家事・育児への参画を促すとともに、子育てと仕事を両立できる働きやすい職場環境を整備するなど、地域や社会全体で子育てをするための機運醸成を図ります。
2つ目の都市像「環境健康都市」では、新潟のまちが大きく変わろうとしているこの転換期を逃さず、民間の皆さまと連携しながら新潟駅周辺整備や都市再生緊急整備地域の指定に向けた取り組みを着実に進めるなど、新潟駅、万代、古町をつなぐ「にいがた2km(ニキロ)」を人・モノ・情報が行き交う都心エリアとし、そこで生まれた成長エネルギーを市全体の活性化につなげ、本市の拠点性をさらに高めてまいります。
3つ目の都市像「創造交流都市」では、中小企業の経営力強化に向け、デジタル化など生産性向上に向けた取り組みを支援するほか、「食」や「農」といった本市の強みを活かし、市内企業の新事業の展開やスタートアップ企業との協業を促進するなど、多様で魅力ある雇用の場の創出を図ります。
また、「儲かる農業」の実現に向け、先端技術によるスマート農業の普及と合わせ、複合営農を推進し、園芸作物の産地拡大を図るとともに、販路拡大に取り組んでまいります。
さらに、感染症対策を行いながら、マイクロツーリズムの推進や、オンラインを活用した「新しい観光スタイル」を構築・推進するなど、本市の魅力と拠点性を活かした取り組みを展開します。
これら3つの都市像に総合戦略を重ね合わせて推進し、人口減少を和らげ、人口減少社会に適応したまちづくりを進めるとともに、ウイズコロナ・ポストコロナ時代の中で、都市と田園が調和する本市の魅力を活かしたまちづくりを進めることで「選ばれる新潟市」を実現します。
このような考え方のもとで編成しました新年度予算案ですが、コロナ禍の影響により税収の大幅な減少が避けられない一方で、直面する課題解決と将来に向けた投資をしっかり予算化していくため、集中改革に取り組みながらその改革効果を活用いたしたところです。
例年にも増しまして、大変工夫がいる厳しい予算編成となりましたが、その概要を説明いたします。
5ページをお開きください。新年度当初予算編成のポイントについてです。
新年度一般会計当初予算案は、今年度との比較で44億円、1.1パーセント減の、総額3,866億円となります。
なお、令和2年度中に補正予算に計上した前倒し分を含めますと、総額4,000億円を上回ることになります。
内容としましては、まず、新型コロナ対策となる「感染拡大防止対策」と「経済社会活動の再興」に向けた取り組みです。介護施設など新規入所者等へのPCR(ピーシーアール)検査の費用助成、経済分野での企業間連携や新たな事業モデルの創出と新しい観光スタイルの検討など約16億円を計上しました。
次に民生・衛生の分野です。こども医療費の拡充のほか、病児・病後児保育など子育て環境の充実や、地域包括支援センターを増設し機能強化を行っていくなど、この分野で約7億円の増額となります。
建設事業費は約319億円で、当初予算としては約98億円の減額となりますが、前倒し分を加えますと総額約444億円となり、前年度比で増となります。
拠点性の向上に向け、新潟駅周辺整備事業など、国の3次補正による経済対策も活用しながら着実に推進します。
また、臨時財政対策債を除く市債残高は、このたびの2月補正予算による借り入れを含めても76億円の減となる見込みです。
6ページをお開きください。新年度当初予算案の概要についてです。
まず、一般会計と特別会計の規模は、それぞれ記載の伸び率となっています。
扶助費については、障がい者の自立支援給付費や保育園等の運営費などの伸びにより増額となります。
普通建設事業については、先ほど申し上げたとおりです。
次に企業会計では、下水道事業会計は管路改築工事の減少による減額、水道事業会計はほぼ横ばい、病院事業会計では医療器械の更新のため増額となり、その結果、全会計の総額といたしましては、約29億円余りの減となりました。
次のページの市債の発行額ですが、令和3年度発行額は約466億円で、6億円余りの増加、臨時財政対策債を除くその他の市債は、約67億円の減少となります。
市債残高については、このたびの補正予算での発行額を含め、令和3年度末で6,495億円余り、臨時財政対策債を除くと約3,820億円で前年度から75億円余り減少する見通しです。
次に、10ページの「持続可能な行財政運営に向けた改革」をご覧ください。
集中改革プランについては、未来に向かって活力のある新潟市の実現に向け、令和元年度から3年間を集中改革期間として、本格化する人口減少社会を見据えながら、スピード感を持って取り組んでまいりました。
12ページをご覧ください。「5 令和元年度・令和2年度の取り組み」については、あらゆる分野において事務事業の洗い出しと優先度の見極めを行い、こども医療費の対象拡大、本市の魅力を活かした交流人口の拡大やまちづくりを進めるなど、活力ある拠点都市新潟の実現につなげてきました。
集中改革期間の最終年度である令和3年度につきましては、「新しい日常」の視点を持ち、これまでの集中改革の取り組みに加え、従来型の社会経済活動を前提とした既存事業や体制を見直すなど、9.8億円を追加し、改革効果は18億円となりました。
こうした効果を、今ほどご説明した重要課題へしっかり活かしてまいります。
コロナ禍において、集中改革の取り組みはより重要性が増しており、人口減少対策をはじめとした重要課題への投資にしっかりつなげるとともに、今後もさらなる優先度の見極めを徹底し、持続可能な行財政運営と両立しながら、明るい未来を切り拓き「選ばれる新潟市」を実現してまいります。
「7 集中改革期間の効果」としては、記載のとおりでありますが、3年間では、全体で331事業と、33.6億円の効果となりました。
来年度に見直しなどを行う主な事業とその効果額は、13ページに記載のとおりです。
なお、対象事業の一覧については、集中改革推進課で配布しております。
次に、新年度の重要課題への取り組みについて説明いたします。16ページをお開きください。
新年度の取り組みについて、4つの方向性や計画などに基づいてまとめたものです。これらの取り組みについて、24ページからの「にいがた未来ビジョン」の各都市像に反映されており、内容の詳細についてはそちらでご説明します。
18ページをお開きください。はじめに、「感染拡大防止対策」と「経済社会活動の再興」の取り組みを掲載しています。
この2つの視点から取り組みを両輪で進め、一刻も早い平穏な日常の回復を目指します。
次に19ページから22ページまで、「選ばれる都市 新潟市 ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり」と題する、冒頭お話ししたまちづくりに向けた思いの柱建てに従い、来年度実施する取り組みをまとめています。
24ページをお開きください。次に、「にいがた未来ビジョン」の3つの都市像の取り組みについてです。
それでは、それぞれの都市像に沿って、これまでご説明してきたものを除く、主な新規・拡充事業について説明いたします。
はじめに、「市民と地域が学び高め合う、安心協働都市」についてです。
「ずっと安心して暮らせるまち」の分野では、25ページの「市民生活での安心・安全の確保」として、これまでの電話相談に加え、インターネット上での相談対応を開始して自殺予防対策を進め、安心な暮らしの確保を実現します。
27ページの「学・社・民の融合による教育を推進するまち」の分野では、「自分の力に自信をもち心豊かな子どもを育む学校教育の推進」として、コミュニティ・スクールを推進し、地域と一体となった学校づくりを進めるとともに、GIGA(ギガ)スクール構想の実現に向け、授業でのICT(アイシーティー)機器の活用をサポートする支援員を新たに配置するなど、創造性を育む教育環境の充実に向けて取り組みます。
次に、「田園と都市が織りなす、環境健康都市」についてです。29ページをお開きください。
「人と環境にやさしい にぎわうまち」の分野では、古町の歴史や文化、食、街並みといった地域資源を活かしたコンテンツの創出を支援し、その魅力を発信するほか、地元商店街や民間と連携し、まちの活性化を図り、賑わい創出につなげます。
次に「日本海拠点の活力を世界とつなぐ、創造交流都市」についてです。32ページをお開きください。「雇用が生まれ活力があふれる拠点」の分野についてです。
5G(ファイブジー)などデジタル技術の活用により、異業種がつながり、企業や人、技術などをつなぐプラットフォームを構築することで、企業の付加価値や生産性向上を実現します。
33ページをご覧ください。
「内発型産業の育成・創業支援」として、本市の強みである食と農と、テクノロジーを結び付ける「フードテック・アグリテック」をキーワードに、市内企業の新事業の展開やスタートアップ企業の協業を促進するとともに、新たな工業用地への進出が停滞しないよう製造・物流業への支援を拡大するほか、IT(アイティー)企業の誘致を強化するなど、多様で魅力ある雇用の場を創出します。
以上が、3つの都市像に沿った主要施策の概要になります。
次に35ページから40ページまでは、新年度事業のうち、今年度新たに策定した「第2期新潟市まち・ひと・しごと創生総合戦略」における主な取り組みを記載しています。
本市では、少子・超高齢社会の進展と若い世代の東京圏への流出により、人口減少が続いています。人口減少を和らげ、人口減少社会に対応した持続可能なまちづくりを進めるため、官民の力を合わせ、新たに策定した「第2期新潟市まち・ひと・しごと創生総合戦略」と「にいがた未来ビジョン」の3つの都市像に掲げた取り組みを重ね合わせ推進してまいります。
4.令和3年度 主な組織改正(案)について
最後に、令和3年度の主な組織改正(PDF:77KB)について資料をご説明いたします。
はじめに、「重要課題に取り組む政策推進体制の強化」についてです。
新潟駅の整備をはじめ、本市の拠点性向上に向けたさまざまな取り組みが動き始めていることから、新潟駅周辺、万代、古町に至る都心エリアの再生、活性化に向けた取り組みを、組織横断的に、そして強力に進めるため、「都心のまちづくり担当理事」を新設します。
次に、「ウイズコロナ・ポストコロナ時代に対応した組織体制の見直し」についてです。
コロナ禍における文化政策の諸課題などに対応するため、文化スポーツ部では、「文化政策課」に「文化創造推進課」を統合し、文化政策課内に「文化創造推進室」を新設いたします。
観光・国際交流部では、現行の課の組織・業務を再編し、「観光政策課」と「観光推進課」の2課体制により、観光需要の変化などの諸課題に対応していきます。
最後に、税部門における「効率的な行政運営に向けた組織の見直し」についてです。
制度管理部門と賦課徴収部門の連携を一層強化し、税務行政をより効率的に推進するため、図に記載のとおり見直しを行います。
具体的には、固定資産税・都市計画税に関する業務を一元化するため、「資産税課」に「資産評価課」を統合するほか、記載のとおりとなっております。
主な組織改正については以上となりますが、関連事項といたしまして、資料はございませんが、コロナ禍における海外や首都圏の事務所の職員体制について見直しを行いますので、概略を説明いたします。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、現在、国が行っている海外への一部出入国制限などにより、海外の事務所は業務量の縮小を余儀なくされており、首都圏の事務所においても同様の状況となっています。
このような状況に鑑み、職員派遣を最小限とするため、北京事務所及び東京事務所において、それぞれ1名の減員を予定しています。
なお、県のソウル事務所に派遣しております職員1名については、県が派遣職員の引き上げを行うことから、本市においても職員の派遣を終了させることとします。
私からは以上となります。
質疑応答
令和3年度 当初予算について
(記者)
中原市長としては3回目の予算編成ということですが、今回の予算編成を振り返っての感想をお願いします。
(市長)
現下の緊急事態宣言が延長となりまして、いまだ新型コロナウイルス感染症の収束を見通すことができない状況であります。そうした中で、感染防止対策と社会経済活動の再興との両立という大変重たい課題がある状況です。
コロナ禍の影響で、税収につきましても大幅な減収も生じ、従来にも増して大変厳しい予算でありました。
しかしながら、今後、ウイズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、明るい未来を切り拓いていくために、選ばれる新潟の実現に向け、人口減少対策や拠点化の推進に積極的に取り組んでいく予算編成を行うことができたということとともに、この予算編成を行うにあたって、財源を確保するために集中改革による事業見直しの効果額を積み増したことに加え、国の3次補正による事業の前倒しや地方創生臨時交付金の活用により一般財源を圧縮することができました。
その結果、収支均衡した予算編成を4年連続で行うことができたと考えています。
(記者)
昨年は100点満点で言うと及第点とおっしゃっていましたけれども、今回の予算編成についてはどのように自己評価されていますか。
(市長)
私が市長に就任しまして3回目の予算編成となったわけでありますけれども、1年目、2年目とは全く違う状況の中で予算編成をさせていただきました。
新型コロナウイルス感染症の影響、3年ぶりの豪雪であったという状況の中で、何とか今ほど申し上げたような予算を組むことができたという意味では、75点以上いただけるのではないかと思っています。
(記者)
今回の予算の目玉の一つとしてこども医療費の拡充がありますが、厳しい財政状況の中でかなり踏み込んだ決断だったと思うのですけれども、この医療費の拡充については、市長選で訴えた公約の一つでもあったと思いますが、今回、18歳まで拡充したという決断に踏み切ったねらい、考えを教えてください。
(市長)
たしかに選挙の公約で掲げたということももちろんありますけれども、それに加えて、今、新型コロナウイルス感染症の影響によって、経済的に苦しむ皆さまの負担を少しでも緩和し、また、子どもたちにとっては、気軽に医療を受けられるように、今回、こども医療費助成の高校生までの拡充について予算編成段階の途中で重点項目として挙げて、財源のやり繰りができた暁には、来年度実施しようということで取り組んできたところです。
(記者)
非常に財政支出を伴う決断だったと思うのですけれども、一方で、市長が就任されて初めて大雪ということで、これまで積み上げてきた基金に手をつけることになったと思います。
今、基金の積み増しは凍結されていると思うのですけれども、市長は去年の予算会見で、基金というのは使ってこそ意味があるとおっしゃっていたと思います。大雪のために基金から支出するというのは当然必要なことだと思うのですけれども、一方で、安心安全のために、いざという時に使えるお金という意味で、基金というのはある程度確保しておく必要もあるのではないかと思うのですけれども、その辺は今後の財政運営として、市長はどのように基金を確保されていきたいとお考えでしょうか。
(市長)
3年間の集中改革によって、60億円まで基金を積み増して、順調に積み増すことができるのではないかという手応えをつかんでいた中で、新型コロナウイルス感染症対策で基金を取り崩し、また、今回の大雪により基金を取り崩さざるを得ないような状況になりました。
たしかに、こうした緊急的な災害のために基金は積んで使うべきものだと思っているのですけれども、しかしながら、もともと新潟市は基金が決して多い金額ではないということで、今回取り崩した結果、35億円に減少してしまうということについては、今後、あらゆる災害をはじめ緊急的なことが起こることを想定すると、大変厳しい状況に、また元に戻ってしまったという感を強くしているところであります。
今後の財政運営ということになりますが、最終年度となる令和3年度においても、集中改革を着実に実行し、事業効果額のさらなる上増しができるように引き続き取り組んでいきたいと考えておりますし、また、財政面において公共施設の最適化も今後大きな課題の一つであります。さまざまな場面で新潟市の公共施設の保有面積が大きいということをお話しさせていただいておりますが、こうした地域別実行計画の策定などをスピーディーに行い、財政健全化に取り組んでいきたいと思っているところであります。
また、冒頭述べたとおり、新潟の拠点化を図り、ヒトやモノ、情報を呼び込み、新潟市に活力を生み出すことで、税収の涵養にもつなげていきたいと考えているところです。
(記者)
市税の減少が大きいと指摘されていますが、特に法人の規模や従業員数に応じて課税する法人税割の減少が、コロナ禍により企業の業績悪化などでリーマンショック級の落ち込みとなっていると聞いています。
改めてこの25億円の減収という数字の大きさを見て、コロナ禍の影響をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(市長)
令和3年度市税減収の主な要因として、税制改正、新型コロナウイルス感染症による特例措置の適用、法人市民税の新型コロナウイルス感染症の影響による減少などを見込んでいるところであります。
リーマンショック時との大きな相違点としては、リーマンショックは平成20年9月に発生したため、個人市民税所得割額への影響が、翌年度の平成21年度と翌々年度の2か年に及んだところですけれども、今回の新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月頃から顕著になっていることから令和3年度に影響が大きくなると考えております。
(記者)
個人の所得税割に関しても来年度以降減収ということを可能性として挙げられていますが、今回、特段市税収入が大きく落ち込んだということではあるのですけれども、従前から指摘されているとおり、新潟市の財政は交付税への依存度合いが高いというところで、財政力指数を見てもそこは明らかだと思います。コロナ禍の影響が見通せず税収が減る可能性もある中で、自主財源を確保する必要というのを市長としてどのように考えていらっしゃるか。確保する手段としては、分かりやすいところで言うと税率や公共施設の利用料の引き上げなどがあると思うのですけれども、自主財源の確保について、市長として今後考えていることはどういったことがありますか。
(市長)
私が示したビジョンに基づいて、新たな税源の確保につながるように取り組んでいきたいと思っているところです。
(記者)
歳入全体の中における自主財源の比率というのは、現在、市税で30パーセントくらいだと思うのですけれども、何パーセントくらいが適正と考えていらっしゃるのでしょうか。
(市長)
自主財源をできるだけ確保していきたいということは当然ありますけれども、そのために、経済の活性化によってさまざまな取り組みをさせていただいているということだと思います。
新潟市として何パーセント(が理想的)であるということは、今の段階で言及することはなかなか難しいと思っています。
(記者)
財政調整基金に関してなのですけれども、昨年の予算の会見の際に、規模として、いざというときの財政需要に対応するため80億円という金額を目標として設定して、その後少し引き下げて70億円ちょっというところで順調に積み増しをされていったのかなと思います。
今年は新型コロナウイルス感染症対策、大雪の対応というところで25億円の取り崩しをせざるを得ない状況になってしまったというところで、今回の取り崩しを受けて、予算案の中では令和3年度末も切り崩しはせずに35億円というところでラインを作っていらっしゃるとは思うのですけれども、今後、新しい目標額としては、今後のビジョンとしてはどれくらいまで積み増したいという新たな設定はありますか。
(市長)
新型コロナウイルス感染症対策と大雪によって取り崩した段階で、35億円の基金が残っているわけでありますけれども、今後の積み増しは今一旦停止している状況でありますけれども、現在の状況を勘案しながら検討していきたいと思っております。
(記者)
金額の規模などに関しては現段階では言及はできないということしょうか。
(市長)
来年度は、3年間の集中期間の最終年度になるわけで、まずは着実に見直しを実行し、事業効果額のさらなる積み増しをできるように取り組んでいくということだと思っています。
(記者)
こども医療費の助成(対象拡大)は、市長選でも公約されていたと思うのですけれども、同種の事業は政令指定都市の中でもほかに4か所ほどということですけれども、市長の受け止めとしては、今回の拡充でほかの政令市に比べても新潟市は手厚くなったという受け止めでいいのでしょうか。
(市長)
私が市長に就任して、指定都市市長会などにいきますと、こども医療費の問題が出て、人口が多いだけに大変苦慮していることが明らかになりました。
私としましては、新潟県内30市町村ある中で、すでに25市町村がここ(18歳)まで拡充しているような状況で、新潟市は少し遅れているということでとらえてきたわけでありますけれども、今回、拡充することによって政令市の四つの中に加わるということで、市民の皆さんから安心して子育てを続けていただきたいと思っています。
(記者)
拠点性の向上に関して、「にいがた2km(ニキロ)」ということで、昨年から愛称をつけて取り組みを進められていると思います。特に「にいがた2km(ニキロ)」の終点である古町地区について、間もなく新潟三越の閉店から1年が経とうとしている中で、今後、再開発だったり、再開発期間までの店舗の活用だったり、新規事業の中にも古町地区の空き店舗の活用事業といったものが入っていたりして、今年は古町地区の再開発が、「にいがた2km(ニキロ)」のまちづくりと合わせて非常に重要な課題になってくると思うのですけれども、特に古町地区のまちづくりに関しての方向性というのは、今段階でどのように考えられますか。
(市長)
今、お話いただいたように、新年度予算で「にいがた2km(ニキロ)」を積極的に広報しながら、古町だけに限らず、古町、万代、新潟駅周辺と活性化に向けて取り組んでいきたいと思っています。その中で、たしかに古町地区については、新潟市としても活性化の重点的な場所であるという認識のもとでさまざまな対策を行っていきたいと考えているところです。
(記者)
今回、こども医療費の助成や病児保育の拡充など、子育て支援が手厚いと感じたのですが、こうした取り組みで子育て世帯にどういったメッセージを打ち出していきたいと思いますか。
(市長)
こども医療費をはじめとした子育て支援に手厚いということは、人口減少対策というのが大変重要な本市の課題でもありますので、人口減少対策を行う上でも子育て世帯に手厚い支援をすることによって少子化対策にもつなげていきたいという思いもございます。
(記者)
それは、他の市に比べて手厚いということで、新潟市を選ぶ一つのきっかけになればということですか。
(市長)
もちろん、今現在でも、新潟市において安心して生活をしていただくことはできると思っていますけれども、それでも少子化が止まりません。そうした中で、より一層、子育て世帯の皆さまが安心して子どもを産み育てられる環境を作るために、今回、大変厳しい財政状況の中ではありましたけれども、こども医療費の拡充などに踏み出させていただいたつもりです。
(記者)
「ビジネスを展開するまち」として打ち出されたことについてなのですけれども、新潟市として民間企業を誘致することによって、新潟市にどのような効果が生まれて、またどのような課題を解決できると思いますか。
(市長)
今現在、少しずつではあるのですけれども、都心エリアに新進の企業が進出してきています。そういった皆さんは、社会の課題を解決するためとか、企業の環境を分析して企業の付加価値を高めたり、生産性を向上させたりするためという使命を持った企業であると思っています。そうした企業と、地域の企業などをコラボさせ、生産性や付加価値向上につなげていくことによって活力ある新潟市につながっていくと考えているところであります。
(記者)
一般市民の感覚でいいますと、新潟駅周辺などに、例えば分かりやすく商業施設を呼んでほしいと考える人もいると思うのですけれども、そういった箱物ではなくて企業を誘致することというのは、活力というのは具体的に税収という部分が大きいのでしょうか。
(市長)
もちろん企業が出てくることによって、税収面もあります。
IT(アイティー)企業を中心とした皆さんに、なぜ新潟に出てきてくださるかお聞きをしますと、新潟に人材があるため、進出してきても安心して人材を確保することができると。そうすれば新潟に雇用を生み出していただくことができるわけです。
そしてまた今、IT(アイティー)企業が、若い皆さんに大変人気があり、そういうものが新潟にあることによって、若い皆さんを引きつけてくれることもできますし、また、先進的な企業にかかわっている人たちは若い皆さんが多いので、まちに活力も生まれると思うのです。
(記者)
新型コロナウイルス感染症の影響で市税が大幅な減となってダメージはあったと思いますが、その反面、先ほど、市長がお話しされたように、地方分散が進むなど、この時代だからこそ得られたものも大きかったと思うのですが、改めて今回の予算編成を振り返ってみて、市長がお感じになるコロナ禍であるからこそ何か得られたものがあれば挙げていただきたいのですが。
(市長)
先ほどの話と関係しますけれども、やはりこのコロナを経験したことによって、私たちもそうですけれども、価値観ですとか、意識が変わりはじめているということ。そしてまた、新潟市においては、改めて住みよいまちであるということを確認することができたのではないかと思います。
新潟市都市部においては人口が一定程度ありますし、またそれを豊かな田園が包み込むように共存している。以前から都市と田園が共存、調和しているというように申し上げてきたのですが、そこで享受できる暮らしやすさというものが浮かび上がってきていると思っております。
(記者)
「にいがた2km(ニキロ)」に含まれる古町関連についてですが、私の認識が間違っていたら恐縮なのですけれども、今回、ビジョンを出しましたけれども、古町については以前も将来ビジョンを作られていまして、それにしては花街地域も含めて予算付けがやや少ないかなというのが第一印象だったのですけれども、もしそうであればあまり盛り込めなかった背景というか、理由ということをお聞きしたいということと、そうではない(古町振興に対する予算付けは少なくない)というのであれば、古町関連のこの辺を見てほしいということを改めて教えてほしいのですが。
(市長)
もちろん古町も重要なエリアとして、これから活性化に向けて取り組んでいくのですけれども、私としては、古町だけではなくて、この「にいがた2km(ニキロ)」全体でとらえていきたいと思っています。
その中でも、古町については、魅力的なコンテンツの創出支援ですとか、西堀ローサのチャレンジショップの区画拡充ですとか、古町花街の歴史的な建造物の保存や外観整備支援など、決して大きなものではありませんけれども、着実にビジョンに則って取り組んでいきたいと考えています。古町ビジョンそのものが、何かそこを大きく変えようというものではなくて、もともと長い歴史で形作られてきた文化などが残っている地域でありますので、そうしたあるものを活かして、古町についてはこれから活性化をしていこうという基本的な考え方に立っています。
(記者)
古町の再生ということは、これまでも長い間、取り組んでこられたわけですが、改めてそうした中で現状をどのように見ているかというお考えをお聞きします。
(市長)
大和デパートの撤退から10年でしょうか。古町ルフルが竣工いたしまして、そして、新潟三越も多くの方々に親しまれてきたのだなということが、最後の三越デパートが閉店する時に改めて感じたのですけれども、そこについても正式な組合が立ち上がるべく、今、準備が進められていると聞いておりまして、そうしたことも含めて、古町ビジョンに則って、先ほど言いましたように、我々としては、「にいがた2km(ニキロ)」と名付けて、全体を活性化していきたいということでとらえております。
多くの皆さんからは、この「にいがた2km(ニキロ)」の中に、古町もあり、万代もあり、新潟駅周辺もあり、それぞれ違った繁華街があるということをポジティブにとらえてもらって、新潟って面白いねと思っていただけるとありがたいと思っています。
(記者)
今までも取り組んできた中で、再生ということがなかなか難しい部分ではあると思うのですけれども、その中で今までと同じではいけないというような考えで今回の予算が組まれているのか、その辺りの考えをお願いします。
(市長)
何か一つ作れば、例えば今後、新潟三越の跡地が何らかの形で誕生したとしても、それだけで古町全体が昔のようなにぎわいを取り戻し、活性化できるかというと、私はそうでないと思います。
時代が大きく変わっている中で、時代に合わせて、これから地元商店街の皆さんや古町地区の皆さん、経済界の皆さんなどと一緒になって古町を改めて活性化をしていく必要があるだろうと思っていますので、かなり時間のかかることだと思っています。
(記者)
古町の空き店舗活用ということも(予算案に)ありますが、具体的にどのような形で空き店舗が活用されていくといいなというイメージはありますか。
(市長)
今回、古町や本町だけでなくて、東堀や西堀など、少しエリアを広げて空き店舗を活用してくださる方々に対して助成なども拡充して対応することにしています。
私個人としては、若い皆さんが、これはおもしろいねと思うようなところが名乗りを上げて、空き店舗を活用してくれるとうれしいなと思っています。それがまた事業としてずっと継続していけば、なおよりよいと思っています。
(記者)
市税等の減収がある一方で、ある程度、地方交付税も含めて手厚い支援があると思いますけれども、交付税も含めた今回の国の対応に対して、どのように評価されていますでしょうか。
(市長)
歳入面では国の地方財政対策によって、一定の配慮があったと考えておりますし、国の3次補正による事業の前倒しですとか、新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金を活用させていただくなどして、新年度予算の一般財源も圧縮できたと考えております。これによって、財源不足が解消できたと思います。
(記者)
当初、予算編成方針で、30何億円か予算の調整が必要だということが出ておりましたけれども、それを埋めるには、国の手当てという部分も大きかったのかと考えていますでしょうか。
(市長)
そうですね。我々も歳出の見直しというものも進めましたし、そしてまた国からもしっかりと対応していただいた、配慮していただいたということで、今回、新年度予算編成のやり繰りができたと認識しています。
(記者)
こども医療費助成の関連で、一旦このように制度を拡充すると毎年、毎年、扶助費としてお金がかかっていく部分だと思うのですけれども、そこを決断することに市長として逡巡というのはなかったのでしょうか。
(市長)
逡巡はありません。先ほど申し上げたとおり、コロナで大変苦しんでいる皆さんの負担の軽減にもつながりますし、そういう中で、まず重点項目の中に入れて、財源が確保できたならば、これを来年度予算編成でやりましょうという中で最終的に決断させていただいて、やりくりもできたということです。
(記者)
そのやりくりの中でも、やはり集中改革で効果額を上積みしたということが大きいということになりますでしょうか。
(市長)
そうですね。
(記者)
市政のスタンスや市長の心情の部分になってしまうかもしれないのですけれども、就任以来、拠点化にはずっと力を入れてこられていると。その中で、今回、子育て支援の拡充に踏み切ったと。それは県の助成制度の対象に新潟市を加えるよう求める中で、市単独で踏み切ったということなのですけれども、中原市政のカラーというか、スタンスというか、心情として、拠点化に加えて、これからの活力を生み出すであろう若い世代に対して手厚く支援していく、注力していくというメッセージととらえられるのですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
(市長)
そのように受け止めていただければありがたいです。
先ほどにも話がありましたけれども、集中改革については、場合によってはサービスを削減することによって影響が出ることもあると思うのですが、それだけではなくて、やはり集中改革によって効果が出た部分については、明るい新潟を築いていくためにまちづくりですとか、拠点性、あるいは少子化対策、人口減少対策といったものに有効に活用していくべきであるという基本的な考え方の中で取り組ませていただいたと思っています。
(記者)
(就任から)3年目に入られて、任期もあと1年あるかと思うのですけれども、拠点化と子育て支援が2大の重要項目としてお考えなのかと思うのですが、その辺りいかがでしょうか。
(市長)
それはそうだと思います。やはり新潟に活力を生んでいくためには、拠点性の向上というものも、非常に重要になってまいりますし、拠点性の向上に向けては、新潟市だけではなくて、これまでも、過去からも、新潟の歴史として国や県と連携しながら、新潟の拠点性に取り組んでまいりましたし、新潟市としても、今後、さらに連携に努めていきたいと思います。
「選ばれる都市 新潟市」について
(記者)
活力を生み出して税収を上げていくというお話がありましたけれども、冒頭にお話があった「選ばれる都市 新潟」というものをこのたび公表されましたが、この辺に中原市長のカラーが強く打ち出されているのかなと理解したのですけれども、就任されて3回目の予算編成というこのタイミングで、なぜこういうものを打ち出されたのかということを改めてお伺いします。
(市長)
昨年の新潟日報さんの取材にも、こういうものを取りまとめてみたいというお話はさせていただきましたけれども、来年度予算編成を発表するこのタイミングにおいて、ウイズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、新潟の明るい未来を切り拓いていくために、これからのまちづくりの方向性やビジョンを示し、官民でこのビジョンを共有し、まちづくりに取り組んでいきたいというメッセージを市民の皆さまにお伝えしたいと思ったところであります。
その理由としましては、今までも拠点性の向上ですとか、新潟市は「食」や「農」が強みであるということは申し上げていて、大きな方向性については変わらないと思っていますけれども、私は3つの意味でその重要性が一層増してきていると認識しました。
一つ目は、コロナ禍を契機に、国民や企業の価値観や意識が変わり始めているということ。これまでは首都圏への人口集中などが進んできましたけれども、今、コロナ禍を契機として地方への移住や移転といった動きが高まってきているということ。
二つ目が、本市のまちづくりが大きな節目、転換期を迎えているということ。新潟駅周辺整備事業を中心として、先ほど申し上げたとおりであります。そのために、「にいがた2km(ニキロ)」という名称を付けて、都心エリアを活性化して新潟市全域にそれを波及させていきたいということであります。
三つ目が、5G(ファイブジー)をはじめとしたデジタル化、ICT(アイシーティー)技術、これは革新のスピードが速いわけですけれども、こうした活用が社会の中で普及しているということ。新潟市におきましても早くからスマート農業に参入してきていますし、新潟市内にも、新進の企業が、新潟には人材があるということで進出してきていただいています。
こうした3つのことが進んでいるということで、こうしたタイミングをとらえて、これからの新潟のまちづくりのビジョンを市民の皆さまと共有していきたいと考え発表させていただきました。
(記者)
新年度予算にも「選ばれる都市 新潟」というものが予算に反映されていますけれども、「選ばれる都市」となるには中長期的な取り組みが欠かせないと思うのですけれども、市長は就任されて2年経って折り返しに入ったわけですけれども、残り2年弱で達成できることもなかなか時間がかかるというか、もっと時間が必要だと思うのですけれども、市長はさらに再選を目指して「選ばれる都市 新潟」を実現していきたいとお考えなのでしょうか。
(市長)
次のことを考えて、今回、このビジョンを作成したわけではありません。先ほど申し上げたとおり、今、コロナ禍の中で非常に重要性が増しているということで、私は昨年、こういうものをまとめたいと思ったのは、新型コロナウイルス感染症で、ソーシャルディスタンスなど、これまで市民の皆さまも行動変容を迫られたり、価値観が変わったりということで、新潟はどういった方向に進むのだろうと不安や疑問を持ったのではないかと思いました。
改めて新潟の良さですとか、今後の方向性を市長が提示することによって、これを共有してみんなで力を合わせて頑張っていこうと、未来を切り拓いていきましょうというメッセージを市民の皆さまにお伝えしたかったということで作成しました。
(記者)
コロナで価値観の転換期とおっしゃっていますけれども、市長としても、今回、コロナ禍で、状況としてはピンチかもしれないけれども、ある意味、こういう状況になったことをチャンスと取られているのか、前向きにとらえているのか、今、どのようなお気持ちなのでしょうか。
(市長)
私としては、ここで明るい未来を市民の皆さんと一緒に作り上げていきたいという中で、新潟は本当にいいものがありますよねという価値観を共有化して、一緒にまちづくりをやっていきたいという思いであります。
決して、ネガティブにもとらえていませんし、さりとて楽観的にもとらえていないと思っています。間違いなく新潟にはいいものがあるのだから、一緒になってやっていきましょうよと。
そして、先ほどから申し上げているように、大きなまちづくりについても転換期であると。
そして我々も価値観ですとか、意識が変わっていく。それから5G(ファイブジー)をはじめとしたデジタル化ですとか、ICT(アイシーティー)技術。今、コロナ禍によってデジタル化が日本では遅れていると言われていて、今後、活用が必要になっていくと。こういう状況をとらえているところです。
(記者)
恐らく、全国の都市もポストコロナ、アフターコロナを考えてまちづくりを進めている中だと思うのですけれども、そういう他市との競合の中で、新潟市が選ばれるというか、魅力を伝えていくためにはどういうことが必要だと思いますか。
(市長)
新潟の良さを市民の皆さん自身が十分実感していなかったことを改めて呼びかけて、みんなでこういういいものがあるよねということが確認できたとすれば、私としては非常にうれしいことだと。それによって、みんなで力を結集していきましょうということだと思っています。
これまで政府の方で、東京一極集中を是正しようといったのですが、しかし明治以降ずっと続いてきた大きな流れは、なかなか是正できなかった。地方にとっては、これが一つの大きなチャンスということでとらえて、新潟市と似ているかどうか分かりませんけれども、同じような考えになっている人たちはいるのだろうと思っていますけれども、繰り返しになりますけれども、しっかりと今、新潟にとって大きなこうしたまちづくりが形になって出てこられるような基盤があるということではないかと思います。それを積極的に官民で情報発信をしていきましょうと。今までは、新潟市は情報発信もどちらかというと弱かったというような指摘もなされていますので、しっかり情報も発信していきたいと思っています。
集中改革について
(記者)
2019年度から始められて2021年度が最終年度になり、3年間の改革効果が30億円以上ということで、市長自ら先導していた財政改善がようやく実を結ぶ年度になるのかなと受け止めているのですけれども、改めてこの効果についてどのように受け止めていらっしゃるのか。あるいは積み増しという話も先ほどあったのですけれども、目標とした効果額をどこまで伸ばしたいのかというところに関してはどのようにお考えですか。
(市長)
市長に就任して、令和元年から3年間、集中改革期間としてあらゆる分野において、事務事業の再点検、洗い出しを行って、なおかつ収支均衡の基金に頼らない財政運営を目標に取り組んでまいりました。また一方で、活力ある市を目指して、基金で生じた果実を活力ある新潟市に活用してきたところであります。
最終年度ということで、先ほどから申し上げておりますように、全体で331事業、効果としては33.6億円という効果を生み出すことができましたので、順調に集中改革を進めてくることができたと思っております。
今後、基金を取り崩すなど、大変厳しい環境下にありますけれども、引き続き財源を確保して重要課題へ投資していけるよう、さらなる事業の見極めなどを行っていきたいと考えています。
(記者)
今回の集中改革プランは、事業の見直しや省人化、効率化というところが大きな要点になっていると思うのですけれども、一方で、市議会を傍聴していると、例えば紙おむつの事業などでは請願・陳情を得たりして分かりやすい例なのではないかと思うのですけれども、サービスの悪化を懸念する市民に対しては今後どのようにご説明していきたいとお考えですか。
(市長)
今申し上げたような市民サービスの低下などが生じることについては、市民の皆さまに丁寧に説明してきていると思っていますし、今後もさらに丁寧に説明していきたいと考えています。
組織改正について
(記者)
文化スポーツの関連であったり観光の関連であったり、課内をかなりスリム化、一本化するというような動きになっているかと思うのですが、ウイズコロナ・アフターコロナに向けて、今回スリム化に至ったねらいというか、どのように活動していくのかという、その辺のビジョンがあれば、何か教えてください。
(市長)
新型コロナウイルス感染症の影響により、例えば、文化スポーツ部ですと各種公演ですとかイベントが中止になりまして、市民の文化芸術活動や市の事業実施に大変大きな影響が生じております。コロナ禍における市民の文化芸術活動への各種支援や本市の文化芸術活動のあり方など、現在、直面する課題や新たな文化政策の構築、事業展開について、迅速かつ一体的に取り組んでいきたいということで、今回、そうした組織を統合させていただいたところであります。
また、観光・国際交流部につきましても、やはりコロナの影響ということで、インバウンド事業が消失しておりますし、国内旅行も激減しており、そうした中で新たな政策ニーズに的確に対応する必要があるだろうということで、今回、観光政策全般の企画立案と総合調整を担う観光政策課と、立案された政策を国内、海外という枠を越えて一体的に推進しようということで、2課体制にさせていただいたということです。
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