指定成分等含有食品による健康被害情報の届出制度について
最終更新日:2020年12月16日
制度の概要
平成30年に食品衛生法が改正され、令和2年6月1日から食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物であって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したものを含む食品(以下、「指定成分等含有食品」という。)について、事業者から行政への健康被害情報の届出が義務化されました。
これまでは製造工程を適切に管理する基準がないこと、国や自治体が健康被害の情報を十分に把握できないことが課題となっていましたが、食品衛生法の改正により、適正な製造・品質管理や事業者からの健康被害情報の届出を義務化する等、必要な措置を講じることができるようになりました。
指定成分等について
食品衛生法第8条第1項に規定する食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物として、次の4品目が指定されています。
1:コレウス・フォルスコリ―
2:ドオウレン
3:プエラリア・ミリフィカ
4:ブラックコホシュ
食品衛生法第8条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する指定成分等(令和2年厚生労働省告示第119号)(PDF:23KB)
指定成分等は、別名で流通していることもありますので、以下の通知を確認してください。
食品衛生法等の一部を改正する法律による改正後の食品衛生法第8条の施行に伴う関係法令等の整備について(令和2年3月27日付け生食発0327第3号)(PDF:90KB)
健康被害情報の届出について
指定成分等含有食品を取り扱う営業者(以下、「営業者」という。)は、その取り扱う指定成分等含有食品について次の情報を得た場合は、その情報を遅延なく、都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長(以下、「都道府県知事等」という。)へ届出する必要があります(届出義務)。
なお、指定成分等含有食品に係る健康被害情報を得た営業者が指定成分等含有食品の表示内容に責任を有する者(以下、「表示責任者」という。)でない場合は、表示責任者を通じて届出することができます。
健康被害情報の届出範囲
1:人の健康に被害を生じさせた旨の情報
症状の重篤度にかかわらず、指定成分等含有食品による健康被害と疑われる事例など
(※指定成分含有食品を摂取した者に生じた健康の影響や体調変化に係るあらゆる事象であり、因果関係が不明であるものを含みます。)
2:人の健康に被害を生じさせるおそれがある旨の情報
指定成分等含有食品について、健康被害を生じさせるおそれがある旨の研究報告や試験結果など
届出事項
取り扱う指定成分等含有食品について健康被害情報を得た場合は、次の事項を届出する必要があります。
1:指定成分等含有食品が人の健康に被害を生じ、又は生じさせるおそれがある旨の情報を得た日
2:指定成分等含有食品の製品名
3:指定成分の含有量
4:健康被害を受けた者の性別、年齢、指定成分等含有食品の摂取状況及び健康被害に係る症状
5:健康被害を受けた者が医療機関を受診している場合は、当該医療機関の名称及び所在地
6:5の医療機関による診断結果
7:指定成分等含有食品の摂取時に使用していた医薬品等がある場合は、当該医薬品等の名称
8:その他必要な事項
(※人の健康に被害を生じさせるおそれがある場合の届出は、4~7の事項を除きます。)
(※健康被害を受けた者がその情報の提供を拒否しているなど当該者の情報を得ることが困難な場合の届出は、4~7の事項を省略できます。)
食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省第50号)(PDF:61KB)
参考様式(健康食品の摂取に伴う有害事情報提供票)(PDF:87KB)
届出内容に追加又は変更等が生じた場合の届出
1:営業者が、既に届出対象として都道府県知事等に届け出た健康被害情報のうち、後日得た追加情報により届出内容に追加又は変更が生じた場合は、修正箇所を明らかにした情報提供票等に変更理由を添えて都道府県知事に届け出てください。
2:届出対象に該当しないと判断された情報のうち、後日の追加情報により届出対象となった場合には、営業者は都道府県知事等へ届け出てください。
3:営業者が既に届出対象として都道府県知事等に届け出た健康被害情報のうち、後日得た追加情報により届出対象でないと判明した場合には、その旨を届出対象外となった理由を添えて都道府県知事等へ届け出てください。
なお、1~3の事項については、表示責任者を通じて行うこともできます。
届出時期の目安
情報を入手した日から起算して概ね30日以内(死亡を含む重篤な場合は15日以内)に届け出てください。
ただし、発生件数の急速な増加や広範囲における発生など、速やかに危険防止措置を講じなければならない可能性がある場合は、速やかに届け出てください。
指定成分等含有食品の製造又は加工の基準
指定成分等含有食品の製造又は加工を行う場合の基準が定められ、営業者による適正製造規範、いわゆるGMP(Good Manufacturing Practice)が制度化されました。
指定成分等含有食品の製造又は加工を行う場合は、厚生労働大臣が定める基準を遵守する必要があります。
指定成分等含有食品の製造又は加工の基準(令和2年厚生労働省告示第121号)(PDF:103KB)
指定成分等含有食品に関する留意事項について(令和2年4月17日付け薬生食基発第0417第1号)(PDF:402KB)
指定成分等含有食品に係る表示事項
今回の食品衛生法の改正を踏まえ、食品表示基準の一部が改正され、指定成分等含有食品に関する規定が新設されました。
指定成分等含有食品に係る表示事項
令和2年6月1日以降に製造、加工又は輸入された指定成分等含有食品については、その容器包装にこれまでの表示事項に加え、新たに次の事項を表示する必要があります。
・指定成分等含有食品である旨
・食品関連事業者の連絡先
・指定成分等について食品衛生上の危害発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物である旨
・体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨と食品関連事業者に連絡すべき旨
表示の方式
「指定成分等含有食品である旨」、「指定成分等について食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物である旨」の表示は、JISZ8305で定める14ポイントの活字以上の大きさの統一のとれた文字で表示する必要があります。
新旧対照条文(令和2年3月27日内閣府令第20号)(PDF:277KB)
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