クワズイモによる食中毒について
最終更新日:2022年10月12日
令和4年10月3日、大分県内でクワズイモによる食中毒が発生しました。
有毒植物であるクワズイモが誤って食用のハスイモ(テンジク)として流通・販売され、小売店で当該植物を購入した客が喫食したところ、口腔内のかぶれを呈する事例がありました。
- 種類の判定のできない野草は、
「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」!
- 山菜と有毒植物が混生することがあるので、よく確認して採るようにしましょう。
また、調理前にも再度確認してください。
クワズイモとは
- サトイモ科の多年草で地上部(葉、葉柄)の様子が、サトイモと非常によく似ている
- 四国南部、九州南部~琉球、中国南部、台湾、インドシナ、インドの暖帯から亜熱帯に分布し、クワズイモ属の植物は、しばしば観葉植物として鉢植え等で栽培される
- 不溶性のシュウ酸カルシウムを含んでいて、この針状結晶による刺激により、中毒症状を発症すると考えられている
- 摂食後すぐに悪心、嘔吐、下痢、麻痺、皮膚炎など中毒症状を発症する
(症例1)
2000年6月30日に鹿児島県の宿泊施設で、刺身のつま、味噌汁の具として使用されたクワズイモの茎を食べた客4名中4名が中毒症状を呈した。
(症例2)
2008年11月11日に延岡市内のスーパーから、はすがら(ずいき)(サトイモの茎)を購入し、同日、日向市内で酢の物にして摂食した2名中2名が、口腔内のしびれ(イガイガ痛み)の症状を呈し、病院で加療した。「クワズイモ」が自生している場所に「サトイモ」を植栽しており、収穫時に「クワズイモ」が混入したことが原因であった。
クワズイモ
クワズイモの葉
サトイモ
クワズイモの根茎
クワズイモの根茎の断面
写真引用:厚生労働省ホームページ
予防方法
- 口に含んだ時点で、強い刺激を感じるため、すぐに吐き出し、口を洗浄する
- 飲食以外にも汁に触れることで皮膚炎を起こすことがあるため、観賞用として扱うときにも、ゴム手袋等を使用し、汁が直接肌に触れないようにする
販売施設、青果市場、出荷者のみなさまへのお願い
- 食用と確実に判断できない植物については、出荷・販売しないでください。
- クワズイモはハスイモ(テンジク)と誤認しやすいため、十分注意してください。
厚生労働省ホームページ:有毒植物による食中毒に注意しましょう(外部サイト)
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