にいがた共育通信 令和6年度 第128号
最終更新日:2025年1月20日
特集「リーディングDXスクール」
リーディングDXスクールとは
文部科学省は、全ての都道府県及び政令指定都市において、リーディングDXスクール事業指定校を指定し、児童生徒に一人一台貸与されたGIGA端末とクラウド環境を活用した教育実践を創出する事業を行っています。
リーディングDXスクール事業は「令和の日本型学校教育」と呼ばれる、従来の学校教育の良さをいかしながら、現代社会の急速な変化や多様化する子どものニーズに対応し、全ての子どもの可能性を引き出し、持続可能な社会の創り手となる人材の育成を目指しています。
新潟市では、令和6年度に鏡淵小学校・白山小学校・大野小学校・小新中学校の4校をリーディングDXスクールに指定し、この事業の取組を行っています。4校はクラウド上のオンラインコミュニケーションツールでつながっており、日々の教育実践の情報を発信したり、自校の研修への参加案内を出したりし、相互に刺激し合いながら力を高めてきました。今回は、その取組の一部を紹介します。
リーディングDXスクール指定校の取組紹介
鏡淵小学校
鏡淵小学校では、児童一人ひとりの特性や興味・関心などに応じた「個別最適な学び」と、他者と協働する力を育む「協働的な学び」を一体的に推進しています。
授業デザインでは、ユニバーサルデザインの観点を取り入れ、各教科で探究的な学びを実現する工夫を行っています。
また、特別支援教育にも力を入れ、通級指導教室と連携した実践事例を通じて、特別な支援を必要とする児童にも個別最適な学びの機会を提供しています。家庭学習では端末を持ち帰り、動画教材やデジタル教科書を活用した学びを展開しています。
このような新しい教育の在り方を模索する取組は、公開授業や事例発表を通して、広く発信されています。
白山小学校
白山小学校では、学校図書館とICTを活用した学びを中心に据え、読書を通じた情報活用能力の育成に取り組んでいます。
読書だけでなく教科の学習においても児童が自分に合ったシンキングツールを選び、読書や探究で得た情報を整理・分析することで、思考力を高める教育を行っています。おすすめの本紹介やスライド発表を通じ、異学年間で成果を共有し、交流を深めることで、コミュニケーション能力の育成も図っています。
また、院内学級では、病状に応じたオンライン授業を実施し、原籍校との交流の機会を確保するなど、特別支援教育の環境整備にも尽力しています。
これらの取組は、地域や他校にも積極的に発信され、教育の可能性を広げています。
大野小学校
大野小学校では、授業DX、校務DX 、家庭学習DXの3本の柱をもとに取組を行っています。
授業DXでは、情報活用能力と自己調整能力を備えた「自立した学習者」の育成を目指し、大野小学校クラウド活用型授業モデルを作成し、クラウドを活用し学習の手引きや交流の仕方、何を用いるのかなどを子供自身が自己調整できるよう取組を進めています。11月には公開学習会を開催し、4教科5名の授業者による授業公開や東京学芸大学の堀田龍也教授による講演会を行い、成果を広く発信しています。
校務DXでは、ペーパーレス化や生成AIを活用した資料作成を推進し、教職員の働き方改革の実現を目指しています。
家庭学習DXでは、AIドリルやGoogleスプレッドシートを活用し、保護者と連携しながら、児童の自己調整力や情報活用能力を育成しています。
小新中学校
小新中学校は、生成AIを活用した教育の先駆者として、総合的な学習の時間を核にした探究活動や教科横断的な学びを深めています。
3年間にわたる「防災」「福祉」「地域」などの探究では、生徒一人ひとりが設定した課題をもとに生成AIで成果を分析・校正し、新たな視点を取り入れた考察を行っています。例えば、「未来防災小説」の制作では、生成AIを活用して文章の校正や挿絵の作成を行い、生徒の学びをより豊かにしています。
さらに、生成AIを活用した授業公開や研究会を定期的に実施し、その成果を地域や全国へ発信しています。ICTを通じた働き方改革にも力を入れ、校務の効率化を進めながら、教職員のスキルアップにもつなげています。
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