土地の評価のしくみと課税標準額の求め方

最終更新日:2024年7月1日

土地の固定資産税について、評価のしくみと税額を算出する上で基礎となる課税標準額の求め方を地目別に説明します。

評価のしくみ

固定資産評価基準に基づき、地目別に定められた評価方法により評価します。

地目

地目は、田、畑(併せて農地といいます。)、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野及び雑種地をいいます。固定資産税の評価上の地目は、登記簿上の地目にかかわりなく、その年の1月1日(賦課期日)現在の現況の地目によります。

地積

地積(面積)は、原則として登記簿に登記されている地積によります。

価格(評価額)

価格は、売買実例価額を基に算定した正常売買価格を基礎として求めます。宅地については、地価公示価格、都道府県地価調査価格、不動産鑑定士による鑑定評価価格を参考に、これらの価格の7割程度を目途としています。

地目別の評価の方法

宅地の評価方法

市街地宅地評価法

  1. 商業地や住宅地などの利用状況に応じて地域を区分し、街路の状況、家屋の疎密度、公共施設等からの距離などを考慮して更に区分した地域(「状況類似地区」といいます。)を設定します。
  2. 状況類似地区ごとに主要な街路を選定し、その街路に接する宅地の中から奥行、間口、形状等が標準的なものを標準宅地として選定します。
  3. 地価公示価格、都道府県地価調査価格及び鑑定評価価格を活用して標準宅地1平方メートル当たりの価格を求め、この価格を主要な街路の路線価として付設します。
  4. 主要な街路の路線価を基にして幅員等の状況に応じて、その他の街路に路線価を付設します。
  5. 路線価を基に、その街路に沿接する土地ごとに奥行、形状、利用上の法的制限などの状況に応じた補正を適用した1平方メートル当たりの価額を求め、それぞれの宅地地積を乗じて評価します。

その他の宅地評価法

状況の類似する地区ごとに標準宅地を選定し、その適正な時価(地価公示価格等の7割を目途)に比準して、各筆を評価します。

農地、山林の評価方法

原則として、宅地の場合と同様に標準地を選定し、その標準地の価格(その算定の基礎となる売買実例価額に、宅地見込地としての要素等があれば、それに相当する価額を控除した純農地、純山林としての価格)に比準して評価します。
ただし、市街化区域農地や農地の転用許可を受けた農地等については、状況が類似する宅地等の評価額を基準として求めた価額から、造成費を控除した価額によって評価します。
 農地法に基づき、農業委員会が、農地の所有者等に対し、農地中間管理機構と協議すべきことを勧告した農地の評価額(課税標準額)は、勧告されていない農地の概ね1.8倍となります。

牧場、原野、雑種地等の評価方法

宅地、農地、山林の場合と同様に、売買実例価額や付近の土地の評価額に基づく方法等により評価します。

能登半島地震の被害を受けた土地の補正率について

令和6年能登半島地震の液状化等により、土地の地盤に著しい損傷を受けた地域の宅地及び宅地比準土地に対して、以下のとおり補正を適用します。

対象となる土地および補正率
  対象となる土地 補正率
1

(1)り災証明書で全壊と判定された家屋が存在し、とくに著しい地盤被害が認められる土地
(2)大規模な陥没等が認められ、敷地全体が長期間使用不能となった土地

0.7
2 概ね大規模半壊以上の被害を受けた家屋が集中し、とくに被害の大きかった地域内の土地 0.8
3 概ね半壊以上の被害を受けた家屋が集中する地域内の土地 0.9
4

上記1~3以外
(1)り災証明書で半壊以上と判定された家屋が存在する土地
(2)住宅用地以外で著しい地盤被害が認められる土地

0.9

固定資産税額の求め方

固定資産税の税額は、課税標準額×税率(1.4パーセント)となります。

課税標準額の求め方

宅地の課税標準額の求め方

手順1

負担水準を求める。

評価額に対し前年度の課税標準額が占める割合を負担水準といい、この水準に応じた負担調整措置を行うことで、今年度課税標準額を求めます。

負担水準(パーセント)=前年度課税標準額等(注釈1)÷(評価額×住宅用地特例率)(注釈2)×100

注釈1:地目を変更した場合などは、前年度に通知した課税標準額と異なることがあります。また、今年度から新たに課税されることとなった土地の前年度課税標準額等については、その土地に類似する土地の前年度課税標準額に比準する額とします。

注釈2:住宅用地の場合、その税負担を特に軽減する必要から、その面積の広さによって小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて、課税標準の特例措置が設けられています。特例率は次のとおりです。

住宅用地特例率の表
区分 住宅用地特例率
固定資産税 都市計画税
住宅1戸につき200平方メートルまでの部分 小規模住宅用地 6分の1 3分の1
住宅1戸につき200平方メートルを超え、家屋の床面積の10倍までの部分 一般住宅用地 3分の1 3分の2

※空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)により勧告の対象となった特定空家等の土地については、住宅用地に対する課税標準の特例措置は適用されません。

手順2

今年度課税標準額を求める。(宅地の負担調整措置)

住宅用地の場合
住宅用地の課税標準額の求め方の表

 負担水準

 課税標準額
100パーセント以上 本則課税標準額(評価額×住宅用地特例率)

100パーセント未満

前年度課税標準額+(本則課税標準額×5パーセント)=A
ただし、Aが
本則課税標準額を上回る場合には本則課税標準額
本則課税標準額の20パーセントを下回る場合には20パーセント相当額

非住宅用地の場合
非住宅用地の課税標準額の求め方の表
負担水準 課税標準額
70パーセント超 評価額×70パーセント
60パーセント以上70パーセント未満 前年度課税標準額に据置き
60パーセント未満 前年度課税標準額+(評価額×5パーセント)=A
ただし、Aが
評価額×60パーセントを上回る場合には60パーセント相当額
評価額×20パーセントを下回る場合には20パーセント相当額

農地の課税標準額の求め方

農地は一般農地と市街化区域農地とに区分され、それぞれ評価及び課税(負担調整措置など)について、宅地等とは異なる仕組みがとられています。

農地の区分

一般農地

一般農地は、市街化区域農地や転用許可を受けた農地などを除いたものです。
一般農地についても、評価額に対する前年度課税標準額の割合に応じた負担調整措置が導入されています。

一般農地の課税標準額の求め方の表
負担水準 課税標準額
90パーセント以上 前年度課税標準額×1.025
80パーセント以上90パーセント未満 前年度課税標準額×1.05
70パーセント以上80パーセント未満 前年度課税標準額×1.075
70パーセント未満 前年度課税標準額×1.10

市街化区域農地

市街化区域農地は、市街化区域内の農地で、生産緑地地区の指定を受けたものなどを除いたものです。
したがって、市街化区域内にある農地であっても、生産緑地地区の指定を受けた農地であれば、一般農地になります。

市街化区域農地の分類の表
一般の市街化区域農地 一般の市街化区域農地は、一般農地と評価の方法は異なりますが、課税については、原則として、評価額に3分の1を乗じた額が課税標準額となり、一般農地と同様の負担調整措置が適用されます。
特定市街化区域農地 三大都市圏の特定市(注釈1)にある市街化区域農地(特定市街化区域農地)は、原則として評価額に3分の1を乗じた額が課税標準額となります。

(注釈1)「三大都市圏の特定市」とは、東京都の特別区、三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)にある政令指定都市及び既成市街地、近郊整備地帯などに所在する市をいいます。新潟市に該当する区域はありません。

宅地・農地以外の土地の課税標準額の求め方

山林・その他の地目の原則的な評価方法については、地目別の評価方法のとおりです。

山林・その他の地目(以下にある宅地並み評価のものを除きます。)の課税標準額については、次のア又はイのうちいずれか低い額になります。

ア 今年度の価格(=本則課税標準額A)

イ (前年度の課税標準額+A×5パーセント)

(イにより算定した額がA×20パーセントを下回る場合には、A×20パーセントとなります。)

ただし、宅地・農地等のうちに介在する山林及び市街地近郊の山林で、当該山林の近傍の宅地・農地等との評価の均衡上、一般の山林の評価方法によって評価することが適当でないと認められるもの(これを「介在山林」といいます。)については、当該山林の付近の宅地・農地等の価額に比準してその価額を求めます。
この介在山林のうち宅地並み評価の土地及びその他の地目のうち宅地並み評価の土地については、宅地(非住宅用地)と同様の負担調整措置が適用されます。

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